逗子で働く 森本さんの場合

ページ番号1002552  更新日 2023年3月1日

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写真:森本雅之さん

福井と逗子のかけ橋に 本格越前そばの店

そば職人 森本雅之さん

写真:そば
風味豊かな福井のそば

逗子で本格的な越前そばを食べられる店として2005年11月にオープンした「そば処 御清水庵 あん彦」。看板メニューの「越前おろしそば」を始め、鯖のくんせい、天ぷら盛り合わせ、ぬか漬けの盛り合わせなどのサイドメニューも充実していて、ランチはほぼ満席の人気店です。

越前そばは福井県でよく食べられているそばで、太めのもっちりとした食感のそばに、大根おろし、刻みネギ、かつお節を添えたシンプルなそばです。命名したのは昭和天皇。昭和22年、福井行幸の際におろしそばを召しあがり、皇居に戻られた後、「越前そばは大変おいしかった」と懐かしまれたお言葉に由来しています。

福井のおいしいものを広げたい

写真:そばを打つ森本さん
毎朝そばを打つ

オーナーでそば職人の森本雅之さんは福井県出身。小学生のときに逗子に越してきました。そば職人になろうと思ったのは24歳のとき。飲食関係の仕事を探していた際、福井の実家近くにある人気そば店を紹介してもらったのがきっかけです。

「福井はそばを始め美味しいものがたくさんあるのに意外と知られていない。奥ゆかしい県民性のせいですかね。福井と逗子、両方にルーツがある僕だからこそやろうと思いました」。その福井の店で1年半、日本橋の兄弟子の店で半年間修行し、26歳でオープンしました。

儲けが出ない。不安と隣り合わせの数年間

「オープンして数年間は大赤字でした。ランチは満席になるときもあったんですが、それだけではとても儲けはでません。僕が実家暮らしだったから、なんとかやっていけたようなものです」と振り返る森本さん。お金は持つのか、お店を回していけるのかと不安だったと語ります。

「今思えばそばを打つことと、そばを売ることは全く別の話。美味しいそばを打つことが、すぐに集客につながるかといえば全くそんなことはない。店の雰囲気、接客、値段など様々な工夫が必要だったんです」

気づきを生かして

写真:水の流れる音が心地よい空席待ちスペース
水の流れる音が心地よい空席待ちスペース

2018年5月、当初オープンしたところから徒歩5分ほどのところに移転。家賃の負担が大きかったというのが主な理由ですが、新しく店を造るにあたって、13年やってきて気付いたことを全て改善しました。

例えば厨房。少ない人数で効率的に動けるよう配置を工夫、調理台の高さや薬味を置く位置など細かいところまで調整しました。また、お客さんがストレスなく待てるようにと店内に空席待ち用の椅子を設置、水が流れるオブジェも置きました。

「小さなことから大きなことまで、今まで不満に思っていた点を全て改善できました。お陰でさばける人数が倍近くになり、お客さんも増えました」と話します。

これから起業する人へ

写真:森本雅之さん
「ごはんが美味しいまちって言ってもらいたいですね」

「まずは試しにやってみるぐらいの気持ちで起業してほしい」という森本さん。万全の準備をして、お金をかけて開店するよりも、もう1回起業できるぐらいの余力を残したほうがいいと力を込めます。「いくら知識を入れて完璧に準備しても、やってみないと気付かないことがたくさんあります。僕は13年やってきたことを、次に生かせたから今があるんです」

「逗子は飲食業にとっては厳しいまちです。シニアが多いので夜は自宅で食べるという方が多いんです。市外の方がお店を開き、2〜3年でつぶれていくのを何軒も見ています。でも、20年前に比べれば、腕のいい個性的な飲食店がかなり増えました。一緒に頑張っていきたいです。逗子に住んでいる方だけでなく、他のまちからも「逗子に食べに行こうよ」と言ってもらえるまちになったら嬉しいです」

  • 写真:天ぷらおろしそば

    天ぷらおろしそば

  • 写真:おろし

    夏は辛く、冬はマイルドになるおろし

  • 写真:欄間

    実家の旅館で使われていた欄間の設置は母の念願。今では店のシンボルに

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