令和7年度施政方針及び予算提案説明
令和7年逗子市議会第1回定例会の開会に当たり、市政運営に関する所信の一端を述べるとともに、令和7年度予算の概要をご説明申し上げます。
2期目の市政運営も2年余りが経過いたしました。逗子市が進むべき方向は、「選ばれるまち」として住宅のまちに磨きをかけていくことであり、このことが逗子の未来につながる道であると強く感じております。
子どもや若者、子育て世代も高齢者も、全ての年代の人々にとって、住みたいまち、住み続けたいまちであることを目指して、引き続き取り組みを進めてまいります。
それでは、「選ばれるまち」づくりを進めるため、重点を置いて取り組む4つの項目について、令和7年度に実施する施策をご説明いたします。
4つの方針
子育てするなら逗子
1つ目の重点項目は、「子育てするなら逗子」です。
令和7年度を始期とする(仮称)逗子市こども計画に基づき、計画の対象をすべての子どもや30歳未満の若者とその家庭及び妊婦を含むこれから子育てを始める家庭を対象とし、ヤングケアラー問題、居場所づくりや産後ケア等の様々な課題に取り組みます。
令和11年度までの計画期間において、子どもや若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会を目指す「こどもまんなか社会」を実現するため(仮称)逗子市こども基本条例の制定に向けた検討を開始いたします。
また、社会的な課題となっている不登校児童・生徒への対策につきましては、学校には行けるけれど教室に入りづらい子、学校に行けないがフリースクール等には通える子、外出することが難しい子など、様々な状況に応じた支援が必要であり、学校だけの問題ではなく、地域全体で取り組むべき課題であると感じております。
市立の全中学校と1校のモデル小学校に設置している支援教室は、授業時間中は専任指導員を配置し、教室に入りづらい子どもが自分に合ったペースで学習や生活ができる居場所として運営しております。令和7年度以降、全小中学校への拡充を進め、子どもたちの選択肢を増やすとともに、多様な学びを保障してまいります。
学校に行くことが難しい子やその保護者に対しては、教育支援センター「なぎさ」でのきめ細かい支援等に加え、フリースクールと学校との連携を図るとともに、体験学習施設スマイルを活用して、外出することが難しい子やその保護者への対応も含めた居場所づくりに新たに取り組んでまいります。このため、体験学習施設スマイルについては、令和8年度からの指定管理者制度による運営開始に向けて検討を進めてまいりましたが、一定の目途が立つまで延期いたします。
コミュニティ・スクールにつきましては、中学校区を基本に市全体を概ね3地区に分け、核となる学校運営協議会を設置する予定で導入準備を進めています。令和7年度に久木中学校のある西部地区、令和8年度には逗子中学校のある中部地区、沼間中学校のある東部地区を設置し、全市的に子どもの育ちを地域全体で支えてまいります。
久木小学校の長寿命化事業のうち、令和6年度に着手を予定していた屋内運動場の改築工事につきましては、小学校前面道路への工事車両の進入等に係る設計条件について改めて検討する必要が生じたため、これまでご説明してきたスケジュールを一旦白紙とし、今議会において継続費を含めた関係予算の取り下げをご提案しております。設計内容や全体工期等について十分時間をかけて精査した上で、改めてご提案させていただきます。
なお、令和7年度に計画している久木中・小学校共同運動場トイレの改修は予定どおり実施し、運動場を利用する児童生徒の学習環境の向上を図ります。
いくつになっても元気で安心なまち
2つ目の重点項目は、「いくつになっても元気で安心なまち」です。
2025年は、いわゆる団塊世代の方々が75歳以上となる年になります。本市においてはその影響が大きく、65歳以上の高齢者人口は変わらないものの、75歳以上の方の割合が高くなり、医療、介護、福祉が連携してサービスを提供することが求められます。これまで、地域包括ケアシステムの構築に努めてまいりましたが、いよいよその真価が問われることとなります。高齢になっても元気で安心して、このまちに暮らしていて良かったと思っていただけるような取り組みを進めてまいります。
人生100年時代を迎えた現代において、最期まで健康な暮らしを続けていくためには、若い年代から健康増進の取り組みを始めることが重要です。スマートフォンを活用してウォーキングをする健康管理のキャンペーンや、歯周病検診の対象者に20歳、30歳を加えて実施するなど、運動習慣をつけたり、健診受診をしたりするなどの健康行動を促し、未病対策や健康増進を推進してまいります。
65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症するという推計を国が示しています。こうした状況を踏まえ、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が昨年1月に施行されました。引き続き、認知症予防や介護予防の取り組みを進めてまいりますが、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らしていけることが重要であると考えております。認知症の正しい理解等を目的とした認知症サポーター養成講座の実施、認知症の方や介護されている方が気軽に集って話したり、相談したりすることができる認知症カフェの開催支援を実施していくとともに、認知症基本法に基づく、本市の認知症施策推進計画を新たに策定するに当たっては、認知症の方ご本人、そのご家族、また、支援をされている方からのご意見をいただく場を設け、計画や施策に反映してまいります。
人生が長くなることや、地域や家族などのつながり方の変化によって、地域の生活課題は複雑化、複合化しており、従来の縦割りの福祉制度では十分に対応できないケースが増加しています。様々なお困りごとに対し、身近な医療・介護・福祉の総合相談窓口である各地域包括支援センターが中心となり、複数分野の専門職や関係機関が連携、協働を図りながら包括的な支援を提供し、地域共生社会の実現に向けて取り組みを進めてまいります。
地球環境を守り、安全なまち
3つ目の重点項目は、「地球環境を守り、安全なまち」です。
気象災害の激甚化・頻発化が目に見える形で進んできており、また、今後発生が想定されている首都直下地震、南海トラフ地震などの大規模地震や津波への備えも怠ることはできません。被害を最小限に抑えるためにも、防災訓練等を通じた地域防災力の強化と職員の防災スキル向上に引き続き取り組むとともに、能登半島地震の課題を踏まえた防災備蓄物資の拡充及び避難所の機能強化を進めてまいります。
昨年12月には、三浦半島4市1町首長連携会議が始動し、防災対策などで新たな連携の枠組みの構築に向けて共に取り組みを進めていくこととなりました。三浦半島での広域連携と、ライフライン、医療や福祉等に係る地域の関係機関との連携により、自然災害に備えた体制を構築してまいります。
カーボンニュートラルの実現に向けては、住宅都市という本市の特性から、市民一人ひとりの行動変容が必要不可欠となります。令和6年度の実施事業を継続するほか、三浦半島4市1町が連携して太陽光発電設備等を導入される方への補助金交付などの事業実施や、二酸化炭素の吸収源となる藻場の再生などブルーカーボンに係る連携した取り組みを展開し、三浦半島全体で脱炭素化を推進してまいります。また、逗子小学校屋上にPPA方式(第三者所有モデル)による太陽光発電設備等の導入を目指すとともに、令和6年度に「カーボンニュートラルのまちづくりに向けた包括連携協定」を締結した東京ガス株式会社の知見を活かしながら、環境教育なども含め、環境問題や脱炭素への行動意欲の向上が図られる取り組みを進めてまいります。
小坪2丁目県有地の取得及び公園整備につきましては、令和5年12月号広報とともに全戸配布にてお示しした公園整備のイメージ案を基に計画を進めています。県有地は、神奈川県と仮契約を締結した後、令和7年市議会第2回定例会で用地取得の議案をご提案し、議決をいただいた上で取得します。令和7年の9月頃から令和8年度にかけて公園整備工事を行い、令和9年度の開園を目指して進めてまいります。
蘆花記念公園につきましては、地域住民や公園利用者と対話しながら蘆花記念公園内遊休施設の活用可能性などを示したグランドデザインを作成いたしました。このグランドデザインを踏まえ、民間の創意工夫を最大限に生かした官民連携による事業運営の可能性について調査検討を進めてまいります。
ごみ処理広域化につきましては、鎌倉市の可燃ごみの一部に係る本市での共同処理を地方自治法に基づく事務の委託により令和7年4月から開始いたします。一方で、令和7年3月から開始を予定していた葉山町との生ごみ資源化共同処理に伴う生ごみの分別収集につきましては、葉山町の生ごみ資源化処理施設の工期延長に伴い、開始時期を延期しています。引き続き、葉山町と共同処理の開始時期について協議し、見通しがついた段階で、改めて市民の皆様へのご説明と周知を行います。
下水道終末処理場である浄水管理センターにつきましては、築後52年が経過しており、老朽化対策の他、地震や津波に対する脆弱性の解消を含め、現在地における施設の再整備が緊急課題となっています。将来に向けて持続可能な下水道事業を運営するため、令和3年度に取りまとめた再整備基本構想をブラッシュアップし、ストックマネジメントの整理等、事業実施に向けた更なる検討を進めてまいります。なお、下水道管路につきましては、引き続き老朽化調査及び改築が必要な箇所の設計を進め、併せて耐震化工事を実施いたします。
下水道事業における浸水対策に関する取り組みとして、令和5年度から2か年かけて取りまとめた内水浸水想定区域図を基に、計画的に下水道整備を進めるための雨水管理総合計画を策定いたします。
消防署北分署は、老朽化等による耐震性の問題が生じていることから、同じく老朽化が進んでいる消防団第5分団詰所と合築して建て替えるための実施設計を行うほか、緊急消防援助隊の登録車両である資機材搬送車、沼間地区の第3分団車両を更新し、消防力の充実強化を図ってまいります。また、広域応援の強化を図るため、神奈川県消防救急デジタル無線を県内一体で全部更新し、首都直下地震等の大規模災害発生時における通信手段の確保に努めてまいります。
住み心地の良いまち
4つ目の重点項目は、「住み心地の良いまち」です。
JR東逗子駅前複合施設整備事業につきましては、令和5年度に策定した基本計画に基づいて基本設計を行っており、いよいよ具体的な整備の内容が明らかとなってまいります。公共施設を集約するとともに、本市のまちづくりに求められる複合施設として整備することで、基本計画で定めた事業コンセプトである「誰もが気軽に集まり、交流し、賑わう、未来に続くみんなの居場所」となるよう令和7年度は実施設計を進めてまいります。
犯罪被害者等への支援につきましては、犯罪被害者等基本法の趣旨に則り、逗子市犯罪被害者等支援条例を令和6年12月に制定し、令和7年4月から施行します。犯罪被害は、ある日突然発生するもので、誰もが被害者等になる可能性があります。被害者やご家族の様々な負担が少しでも軽減されるよう、必要とされる具体的な支援を充実させてまいります。
小坪漁港活用・活性化促進事業につきましては、漁師、民間事業者と連携した持続可能な運営スキームの構築、具体的な漁港施設等の改修整備に向けて小坪漁港海業振興基本計画の策定を進め、漁港や周辺地域の賑わいにつなげてまいります。
また、漁業体験や漁港周辺で開かれるイベント等の賑わいづくりは、安定的な実施に向けて、企画運営や広報等の支援に引き続き取り組むとともに、漁師タクシーについても実証実験から自走化への移行を図るべく、小型旅客船の安全対策に係る法改正対応への支援を行ってまいります。
神奈川県がプレジャーボートの保管施設として運営している渚マリーナは、令和9年3月31日をもって閉鎖される予定となっております。閉鎖後の活用につきましては、近隣自治会の要望を踏まえ、既存マリーナ施設の活用を前提として、現在、策定を進めております小坪漁港海業振興基本計画に位置付け、海洋観光・海洋レジャーの拠点とするなど、当該地からの収入において運営できる利活用方策を検討してまいります。
逗子海岸の保全・活用につきまして、令和6年度は新たに魅力向上を図るために海の家の試行的な営業時間の一部変更等や、津波避難訓練による防災対策の強化を行うなど、多くの関係者の協力のもと、より安心・安全で魅力的なファミリービーチを目指して海水浴場の運営を行いました。猛暑等の影響により来場者数が伸び悩み、海水浴の楽しみ方に変化もあることを踏まえ、令和7年度も試行的取り組み等を継続して実施し、風紀を維持しながらも、より多くのファミリー層に選んでいただける海水浴場を目指してまいります。
令和4年度から逗子海岸営業協同組合と協働で取得している国際環境認証「ブルーフラッグ」につきましては、市内小学生延べ約500人を対象に、ブルーフラッグについての出張授業を行うなど、将来を担う地域の子どもたちが自ら考え、逗子海岸に関わるきっかけづくりとすることができました。環境保全活動の輪は、ブルーフラッグの旗印のもと着実に広がっており、活動を推進する人材の育成や企業との連携促進に努め、将来に向けて持続可能で良好な逗子海岸を維持していく取り組みを推進してまいります。
公共交通につきましては、バス利用者の減少や2024年問題による運転手不足が顕著となり、また、運転免許証の返納等で高齢者を中心に移動に課題を感じる地域も出てきており、これまでの事業者の経営努力だけでは、地域の移動環境の維持さえも難しくなってきています。このため、まずは腰を据えて全市的な課題を洗い出し、市として取り組むべき優先順位や目標等を整理するため、地域公共交通活性化協議会で議論を重ね、令和7年度から令和8年度にかけて地域公共交通計画を策定し、本市の地域特性に応じた施策を検討してまいります。
また、自転車等の放置や道路へのはみだしなど、管理上課題のあるJR東逗子駅及び京浜急行神武寺駅周辺の無料駐輪場や市役所裏の買い物客用臨時駐輪場については、管理・運営業務の移管により快適で使いやすい環境を目指し、今後の有料化に向けた利用者ヒアリング等の需要調査を実施いたします。
転入者の受け皿の重要な鍵となる空き家の対策につきまして、これまで取り組んできた空き家アドバイザー派遣制度、相続人のいない空き家に関する裁判所への相続財産清算人申立の実施等を継続するとともに、木造住宅の耐震診断、耐震補強工事補助金の対象を貸家まで拡大して耐震化を促進することで、空き家の解消にもつなげてまいります。
施策の推進全般に関わる事項について
次に、施策の推進全般に関わる事項について、考え方を述べさせていただきます。
財政運営につきまして、令和6年度末の財政調整基金の残高は約38億250万円を見込んでおり、前年度末から約6,300万円の減少となります。
財政調整基金の残高については一定の水準には達したところですが、今後も少子高齢化による社会保障関係経費や公共施設の老朽化対策経費などの増加、また物価高騰等による経常的な経費等の増加が見込まれる中で、大型の公共施設整備などの臨時的な経費の財源として活用していくことになると考えます。このような状況の中で、健全で安定的な財政運営を維持できるよう、財政運営方針を踏まえ、改めて選択と集中の観点から事業の見直しに取り組んでまいります。
デジタル化の推進につきましては、市民サービスの充実や利便性の向上を図るための具体的な取り組みとして、マイナンバーカード等を使い、申請書等の手書きによる記入部分を減らす「書かない窓口」システムを、まずは戸籍住民課・子育て支援課に導入し、自治体フロントヤード改革を推進してまいります。行政手続きのオンライン化については、利便性の向上に資する行政手続の約6割においてオンライン手続きが可能となっており、今後も着実に対応を進めてまいります。
また、自治体情報システムの標準化につきまして、令和7年度は、いよいよシステム移行の本番の年となります。関連事務に遅れ等が生じないよう、しっかり準備してまいります。
重要課題
最後に、特に慎重に検討していくべき重要課題である以下の2点について、個別に考え方を述べさせていただきます。
1点目は、地域医療体制の充実についてであります。
本市は、昭和59年6月に国に対し、池子米軍家族住宅の受入条件のいわゆる33項目の一つとして、施設区域内に医療機関の建設用地の確保について要請をしました。これが、本市の総合的病院の誘致の歴史の始まりとなりました。その後、池子米軍家族住宅地内、沼間3丁目市有地と候補地を変えながら、複数の病院誘致計画を立ち上げては断念してまいりました。
また、平成14年には、住民の直接請求による「逗子市総合的機能を有する病院の誘致を促進する条例」が制定され、まさに、総合的病院の誘致は、長きにわたる市民の悲願でありました。
しかし、この間に社会は大きく変わり、少子高齢化はますます進み、医療関係従事者は不足しています。また、病床数の割り当てについても、配分の見込みは立っておりません。
これらのことから、過去の断念の反省も踏まえ、市民、医師会等の医療関係者及び市が現状や課題等を共有し、総合的病院の誘致を含めた地域医療についての話し合いの場を設けることが重要と考え、令和5年度に公募市民と医療関係者等による「逗子の地域医療検討会」を設置いたしました。
検討会では、2年間にわたり、医療を取り巻く環境や社会構造が変化する中、「すべての市民がこの逗子で安心して生活ができ、また人生の最期まで住み慣れた逗子で暮らすために必要な地域医療とは何か」ということについて、検討いただきました。
報告書においては、「総合的病院誘致を中心とした体制から、今ある資源を活用しつつ逗子市に必要な機能を小さなものから積み上げていく医療体制への転換」を図るべきとのご提案をいただきました。また、具体的に取り組んでいく本市に必要な機能として、「安心して子育てできる小児医療体制」、「わかりやすい相談窓口の充実」、「情報提供の向上」を挙げていただきました。
このたび、検討会からの報告を受け、過去の歴史の重みを感じながらも、病床数の割り当て状況や医療関係従事者不足など、長い誘致の歴史の中で変化した社会環境、今後の見通しを踏まえると、設置される可能性が高いとは言い難い総合的病院については、その誘致を第一優先としてきたこれまでの方針から、「総合的病院がなくても市民の皆様が安心して暮らせる地域医療」へ方針を転換したいと考えております。
そのために、令和7年度は、まずは新たに作成する方針案について、市民の皆様に説明し、ご理解をいただいた上で、具体的な事業に取り組んでまいります。
2点目は、池子米軍家族住宅問題についてであります。
令和4年度に、日米合同委員会で返還が合意されました逗葉地域医療センター・逗子市保健センターへの進入路につきましては、令和6年11月30日に米軍から国に返還され、12月1日に市に譲与されたところです。全面返還が市是であることには変わりありませんが、当面の目標としております約40ヘクタールの共同使用地の返還につきましても、早期に実現するよう取り組んでまいります。
また、池子米軍家族住宅地区内に整備が計画されている生活支援施設等につきましては、引き続き情報の提供を求めてまいります。
以上、令和7年度の施政方針について、所信の一端を述べさせていただきました。
令和7年度は、これまで準備を進めてきた事業が動き出す「実行、実現の年」として、職員と力を合わせて様々な課題の解決に誠心誠意取り組んでまいります。
予算提案説明
続いて、令和7年度予算案についてご説明いたします。
まず、一般会計の概要について、歳入からご説明いたします。
市税につきましては、まず全体では、前年度と比較して5億3,800万8,000円増となる97億3,854万4,000円を計上いたしました。
市民税は、定額減税の影響がなくなるとともに、民間企業の賃上げなど個人所得の増加などを見込み、前年度と比較して4億5,600万円増の53億9,600万円を計上いたしました。
固定資産税は、前年度と比較して7,300万8,000円増の34億3,104万4,000円を計上いたしました。
地方消費税交付金は、令和6年度の交付実績と経済状況を考慮し、前年度と比較して5,000万円増の12億円を計上いたしました。
地方特例交付金は、定額減税補塡分の減少により、前年度と比較して3億円減の4,000万円を計上いたしました。
地方交付税は、令和6年度の交付実績及び国の地方財政対策などにより、前年度と比較して5,295万円減の23億5万円を計上いたしました。
分担金及び負担金は、ごみ処理負担金などの増加により、前年度と比較して1億8,571万6,000円増の5億6,037万4,000円を計上いたしました。
使用料及び手数料は、家庭ごみ処理手数料などの減少により、前年度と比較して223万円減の3億639万9,000円を計上いたしました。
国庫支出金は、児童手当負担金、教育・保育給付費負担金、デジタル基盤改革支援補助金などの増加により、前年度と比較して7億3,394万3,000円増の40億6,647万3,000円を計上いたしました。
県支出金は、教育・保育給付費負担金、市町村地域防災力強化事業費補助金、国勢調査委託金などの増加により、前年度と比較して1億2,931万5,000円増の17億6,916万1,000円を計上いたしました。
寄附金は、ふるさと納税について、前年度と比較して1,000万円減の2億1,300万円を見込み、総額では、前年度と比較して800万円減の2億2,680万円を計上いたしました。
繰入金は、年度間の財源調整のための財政調整基金繰入金11億8,000万円のほか、公共施設の老朽化対策等の財源として、公共公益施設整備基金繰入金1億9,177万7,000円など、前年度と比較して1億8,678万3,000円増の15億7,628万5,000円を計上いたしました。
市債は、施設整備に係る事業債など、前年度と比較して1億8,110万円増となる17億6,780万円を計上いたしました。
次に、歳出における性質別経費の内訳についてご説明いたします。
人件費は、令和6年度の給与改定などにより、前年度と比較して1億4,596万5,000円増の54億4,499万5,000円を計上いたしました。
扶助費は、児童手当支給事業などの児童福祉費の増加などにより、前年度と比較して5億7,646万5,000円増の60億7,892万4,000円を計上いたしました。
物件費は、予防接種等委託経費、電子計算システム管理経費の増加などにより、前年度と比較して5億7,645万9,000円増の48億3,972万3,000円を計上いたしました。
補助費等は、下水道事業会計繰出金、消防指令システム整備事業の増加などにより、前年度と比較して1億1,940万5,000円増の13億1,088万9,000円を計上いたしました。
積立金は、職員退職手当基金積立金の増加により、前年度と比較して1億3,724万1,000円増の2億9,480万円を計上いたしました。
投資的経費は、(仮称)小坪2丁目県有地公園整備工事及び用地購入費、市立体育館更新工事経費の増加などにより、前年度と比較して2億201万4,000円増の22億3,715万1,000円を計上いたしました。
以上の結果、一般会計予算総額は、前年度と比較して17億1,148万9,000円、率にして7.4パーセント増の246億9,400万円となっています。
次に、特別会計では、国民健康保険事業が前年度と比較して0.8パーセント減の64億1,260万円、後期高齢者医療事業が前年度と比較して2.3パーセント増の15億8,230万円、介護保険事業が前年度と比較して0.4パーセント増の67億3,720万円となり、公営企業会計では、下水道事業が前年度と比較して29.5パーセント増の35億6,696万6,000円となります。
以上の結果、一般会計、特別会計及び公営企業会計を合わせた予算総額は、429億9,306万6,000円となり、前年度と比較して25億3,552万7,000円、率にして6.3パーセントの増となりました。
令和7年度の市政運営に当たっては、総合計画基本構想に掲げた将来像「自然に生かされ、自然を生かすまち」、「コミュニティに支えられ、コミュニティを支えるまち」に向けて、「わたしたちはこんなまちにしていく」を実現するための5本の柱を推進するとともに、市民の悲願である池子の森全面返還を目指し、まずは池子米軍家族住宅地区内約40ヘクタールの土地の返還に向けて、引き続き取り組んでまいります。
1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち
まず、「1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち」についてご説明いたします。
児童福祉費のうち、民間保育所等運営支援事業は、1歳児保育士配置改善推進費及び人材の確保に苦慮する保育所に対する補助に係る経費などとして、5,168万9,000円を計上いたしました。
子どもの居場所づくり事業は、子どもの居場所づくりアドバイザー謝礼、子どもの居場所づくり講座及び床張替修繕に係る経費などとして、98万9,000円を計上いたしました。
保健衛生費のうち、成人等保健事業は、帯状疱疹の予防接種に係る経費などとして、2億8,280万7,000円を計上いたしました。
乳幼児健診事業は、1か月児健康診査に係る経費などとして、868万3,000円を計上いたしました。
妊産婦健診事業は、妊婦歯科検診の実施に係る経費などとして、3,035万4,000円を計上いたしました。
2 共に学び、共に育つ「共育(きょういく)」のまち
次に、「2 共に学び、共に育つ「共育(きょういく)」のまち」についてご説明いたします。
教育総務費のうち、支援教育充実事業は、支援教室を小学校4校拡充し、支援教室専任指導員を小・中学校全校に配置するための経費などとして、1億193万3,000円を計上いたしました。
コミュニティスクール運営事業は、西部学校運営協議会及び東部・中部コミュニティ・スクール準備協議会に係る経費として、35万5,000円を計上いたしました。
3 自然と人間を共に大切にするまち
続いて、「3 自然と人間を共に大切にするまち」についてご説明いたします。
環境保全費のうち、カーボンニュートラル推進事業は、重点対策加速化事業費補助に係る経費などとして、2,717万2,000円を計上いたしました。
近隣公園整備事業は、(仮称)小坪2丁目県有地公園整備工事及び用地購入費に係る経費などとして、2億9,508万3,000円を計上いたしました。
街区公園維持管理事業は、公園施設長寿命化計画策定業務委託に係る経費などとして、6,091万8,000円を計上いたしました。
蘆花記念公園維持管理事業は、蘆花記念公園再整備・運営事業化調査業務委託に係る経費などとして、2,018万4,000円を計上いたしました。
4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち
続いて、「4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち」についてご説明いたします。
総務管理費のうち、JR東逗子駅前複合施設整備事業は、実施設計業務委託、管理運営計画検討支援業務及び地中埋設物調査業務委託に係る経費などとして、1億1,744万9,000円を計上いたしました。
自転車等駐車場維持管理事業は、東逗子駅及び神武寺駅周辺自転車等駐車需要調査検討業務委託に係る経費などとして、331万4,000円を計上いたしました。
水産業費のうち、小坪漁港活用・活性化促進事業は、小坪漁師タクシー運航小型旅客船安全対策事業費補助に係る経費などとして、185万8,000円を計上いたしました。
環境保全費のうち、震前震後対策事業は、補助対象を貸家へ拡大した木造住宅耐震化補助及びがけ地近接等危険住宅移転事業補助に係る経費などとして、1,123万2,000円を計上いたしました。
海水浴場運営事業は、逗子海水浴場監視業務委託及び逗子海水浴場ブルーフラッグリーダー養成講座の開催に係る経費などとして、3,323万3,000円を計上いたしました。
道路橋りょう費のうち、地籍調査事業は、地籍調査事業業務委託に係る経費などとして、694万4,000円を計上いたしました。
都市計画費のうち、公共交通拡充支援事業は、地域公共交通計画策定業務委託に係る経費などとして、1,674万1,000円を計上いたしました。
消防費のうち、職員研修事業は、大型自動車運転免許取得報償金及び小型船舶操縦士免許取得報償金などとして、695万2,000円を計上いたしました。
北分署整備事業は、北分署・第5分団詰所建替工事設計業務委託に係る経費として、7,401万9,000円を計上いたしました。
災害対策事業は、防災士資格取得費用、災害用給水タンク購入及び広域防災連携対策負担金に係る経費などとして、6,685万1,000円を計上いたしました。
下水道事業会計のうち、管路建設費は、雨水管理総合計画策定業務委託及びウォーターPPP導入検討業務委託に係る経費などとして、3億7,073万2,000円を計上いたしました。
5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち
続いて、「5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち」についてご説明いたします。
総務管理費のうち、非核平和推進事業は、戦後80年の節目を迎えるにあたって、催しを企画するなど、ずし平和デーを拡充して開催する経費などとして、38万円を計上いたしました。
社会福祉費のうち、犯罪被害者等支援事業は、犯罪被害者等支援金及び日常生活支援に要する費用の助成に係る経費などとして、145万2,000円を計上いたしました。
池子の森全面返還をめざして
「池子の森全面返還をめざして」については、逗子市池子接収地返還促進市民協議会助成事業11万2,000円を計上いたしました。
効果的・効率的な自治体経営の推進
「効果的・効率的な自治体経営の推進」について、
総務管理費のうち、庁舎維持管理事業は、電話録音機能追加工事に係る経費などとして、1億4,774万円を計上いたしました。
デジタル技術の活用
最後に、「デジタル技術の活用」について、
総務管理費のうち、デジタル推進事業は、デジタル相談会の開催及び庁舎FreeWi-Fi構築に係る経費などとして、1,070万9,000円を計上いたしました。
徴税費のうち、市税徴収経費は、預貯金等調査オンラインサービスに係る経費などとして、1,627万8,000円を計上いたしました。
戸籍住民基本台帳費のうち、個人番号カード交付事務費は、「書かない窓口」に係る申請書作成システム経費などとして、723万9,000円を計上いたしました。
国民健康保険事業特別会計のうち、保険料賦課徴収事務費は、預貯金等調査オンラインサービスに係る経費などとして、783万4,000円を計上いたしました。
以上、重点施策について説明させていただきました。
一般会計予算
引き続き、一般会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ246億9,400万円とするものです。
第2条は、継続費について、継続費の経費の総額及び年割額を定めたものです。
第3条は、債務負担行為について、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第4条は、地方債について、起債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、限度額は17億6,780万円とするものです。
第5条は、一時借入金について、借入れの最高額を14億円と定めたものです。
第6条は、歳出予算のうち、人件費に限り同一款内における各項間の予算流用を行うことができるように定めたものです。
次に、国民健康保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ64億1,260万円とするものです。
第2条は、一時借入金について、借入れの最高額を1,000万円と定めたものです。
次に、後期高齢者医療事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ15億8,230万円とするものです。
次に、介護保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ67億3,720万円とするものです。
次に、下水道事業会計予算についてご説明いたします。
第1条は、予算の総則を定めたものです。
第2条は、業務の予定量について定めたもので、処理区域内人口を5万7,788人とし、主要な建設改良事業は、管路建設費及び処理場建設改良費とするものです。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の下水道事業収益といたしまして18億7,312万2,000円、支出予定額は第1款の下水道事業費用といたしまして19億8,921万3,000円とするものです。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の資本的収入といたしまして13億2,141万4,000円、支出予定額は第1款の資本的支出といたしまして15億7,775万3,000円とするものです。
第5条は、継続費の総額及び年割額を定めたものです。
第6条は、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第7条は、企業債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、その限度額は7億400万円とするものです。
第8条は、一時借入金の限度額を4億円と定めたものです。
第9条は、予定支出の各項の経費の金額の流用について、営業費用及び営業外費用の間の流用を行うことができるよう定めたものです。
第10条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めたものです。
第11条は、他会計からの補助金について定めたものです。
以上が、令和7年度の逗子市の予算の概要でございます。
議員の皆様におかれては、何卒、ご賛同賜りますようお願い申し上げまして、施政方針及び予算提案説明を終わらせていただきます。
長時間にわたりご清聴いただき、ありがとうございました。
過去の施政方針及び予算提案説明
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