令和2年度施政方針及び予算提案説明

ページ番号1005176  更新日 2023年2月28日

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このたび、2月5日に池子で発生しました崖崩れにより、市民の尊い命を失いました。お亡くなりになられた方のご冥福を心からお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げます。

それでは、令和2年逗子市議会第1回定例会の開会に当たり、市政運営に関する所信の一端を述べるとともに、令和2年度予算の概要をご説明申し上げます。

市長に就任して1年余りが経過いたしました。私にとって全く未知である行政の世界へ足を踏み入れ、初めは右も左も分からない中でしたが、そのような中でも私が貫いた一つの方針は、これまでの人生そのままである「現場第一主義」であります。

トヨタ自動車は、とにかく現場を重視しており、経営哲学として「現場・現物・現実・原理・原則」の5ゲン主義を掲げていますが、これはビジネスの世界のみならず、どの世界においても通じる不変のものではないでしょうか。

この1年間、判断に迷う時は、何より現場を確認し、決断をしてまいりました。

財政対策プログラムにより縮減対象となっていた小学校通学路の交通整理員、図書館の開館時間やブックポスト、高齢者センターの浴場等については、現場を確認し、利用者の声を聴いた上で、再開をすべきとの結論に至りました。

また、事業の再開に当たっても、様々な検討を行い、工夫を図ってまいりました。図書館の運営時間は、財政対策前より短縮した形としましたが、利用者の動向などから、できる限り影響のないよう検討いたしました。また、市役所前のブックポストについては寄贈を受けることで、財政的負担を最小限に抑えました。削減となっていた学習支援員についても、学校のニーズに合わせて派遣をする巡回学習支援員とし、極力予算を増やさない形で増員を図りました。

厳しい状況にあるからこそ、何をすべきか頭をひねって考えます。そしてそこに、今までになかった工夫が生まれます。今回の予算編成は、私にとって実質的に初めての予算編成となりましたが、扶助費や公共施設の老朽化対策など、否が応でも増加する経費に対応しなければならない非常に厳しいものでした。しかし、このような状況においても、工夫を凝らし、オンリーワンのまちづくりの取り組みを行っていきます。

さて、就任当初から、2年目には今後の方向性をお示しすると申し上げてまいりました。今年はその勝負の年となります。

「逗子市を女性が活躍できるまちにする」ことをテーマとし、「雇用の場の創出」と、学校、保育所、放課後児童クラブも含めた「教育環境の充実」を車の両輪と捉え、全力で取り組んでまいります。

それでは、令和2年度に実施する、「オンリーワンのまちづくりを進めていくための5つの方針」を実現するための重点施策について、ご説明いたします。

5つの方針

企業誘致と起業促進で財政的に自走できる自治体への財政構造の転換

第1の方針は、「企業誘致と起業促進で財政的に自走できる自治体への財政構造の転換」です。個人市民税以外にも歳入の柱を作るため、企業誘致・起業促進に向けた取り組みをさらに加速させていきます。

まず、企業誘致と起業促進の取り組みの一環として、昨年8月に、民間事業者等の意見交換やネットワークの構築の場として立ち上げたplatform ZUSHI BIZには、企業や大学などから82人の登録をいただいています。地域電力、健康・医療、ワーケーション等のワーキンググループの立ち上げのサポートを行い、より具体的な取り組みができるようにし、企業誘致及び起業促進へとつなげていきたいと考えております。併せて、企業版ふるさと納税制度を活用し、逗子市の施策に賛同していただける企業との新たな関係を構築していきます。

また、商工会、地域金融機関等と連携し開催している創業支援セミナーやスクールにつきましては、起業に関心を持つ多くの女性受講者に参加いただいています。更なる創業への足掛かりとなるよう、チャレンジショップや実践的セミナーの場の提供などを通じて支援してまいります。

ふるさと納税につきましては、逗子市から市外へ寄附をされる方の市民税控除額が昨年の課税ベースで1億4,000万円に上っており、市外からの寄附額を大きく上回っている状況を改善すべく、取り組んでまいりました。返礼品及び返礼品事業者の新規開拓強化に加え、昨年12月には新規返礼品として、県内では初となる電子感謝券の取り扱いを開始し、今年度末には前年度比で大幅な増収となる見込みです。電子感謝券をきっかけに逗子市に来訪された方が、逗子市のファンとなり、また来訪される。そうした流れを作り出し、ふるさと納税の増収だけではなく、交流人口の増加、併せて市内経済の活性化を図り、逗子ならではのふるさと納税を発展させていきます。

一方、人口の高齢化・減少が続く中で、個人市民税収入の維持も重要な課題です。そのためには、子育て世代を中心とした生産年齢人口層の転入増加、転出抑制を図っていかなければなりません。企業誘致や起業促進を進め、逗子市の魅力を上げ、選ばれるまちにしていくことが効果的であると考えております。

とりわけ、逗子市の女性は、20歳代で約85%が仕事をしていますが、30歳代後半では約63%程度に下がり、その後も70%程度にとどまっています。これは、結婚、妊娠、育児、介護その他の家庭生活に関する事由により、やむを得ず仕事を続けることができない人がいるものと考えられます。まずは、働くことを希望する女性が、その希望に応じた働き方を実現し、個性と能力を十分に発揮できるようにすることが大切です。そこで、託児機能をもった事業所の開設などの「雇用の場の創出」を実現させ、逗子市を「女性が活躍できるまち」にしていきます。

また、「働き方改革」などによりテレワークが推進され、毎日通勤しなくてよい就業環境がつくられていくことは、逗子市にとって追い風になるとみられます。海や山などの豊かな自然を生かした子育てといった魅力を発信し、来訪型から移住を促進し、若い世代の人口増へとつなげていきます。

子育てしやすいまちづくり

第2の方針は「子育てしやすいまちづくり」です。

子育てしやすいまちづくりを考える上で、また、子育て世代が安心して働ける環境をつくる上で、各保育園の力量が最大限発揮され、円滑に運営されることが必要不可欠です。しかし、その核となる保育士については、全国的に不足しており、本市においても、公立・民間保育園ともに大変深刻な状況です。そのため、就任以来掲げていた「駅前保育ステーション構想」につきましては、優先順位を入れ替え、まずは既存の園の運営を優先事項とし、小規模保育施設の整備費補助や、保育士確保に伴う緊急的な措置を講じていきます。

また、放課後児童クラブの待機児童対策については、補助型放課後児童クラブの運営費を助成するほか、低所得の利用者に対する保育料の助成を行っていきます。

子育てサポーター講座は、子育て中の保護者の不安をやわらげ、また、サポートする人づくりを進めていくよう引き続き開催し、支援を必要とする子どもの特性やかかわり方についての理解を深め、講座受講者がサポーターとして活躍できる場を検討しながら、学校をはじめ地域の子育てを担う人材の育成を進め、支援を必要とする子どもの保護者が、安心して子育てできるよう、取り組んでまいります。

学校教育に関しては、学習指導要領の改訂に伴い、教職員の指導力向上に資する研究や研修の推進、国際教育指導助手の増員、ICT機器を活用した学習環境の充実など、ハード面・ソフト面の両方において、学校の教育環境の充実に取り組んでまいります。

高齢者や障がいのある人が安心して暮らせるまちづくり

第3の方針は「高齢者や障がいのある人が安心して暮らせるまちづくり」です。

本市では、高齢者に占める75歳以上の後期高齢者の割合が県内一であり、元気な高齢者を増やす取り組みが重要な課題になっています。

課題の解決のひとつとなる重症化予防については、心筋梗塞や脳卒中の基礎疾患である高血圧の対策について目標を設定した上で、血糖値の上昇を緩やかにする効果がある「ベジファースト」の普及などについて、市内飲食店等の協力も得ながら展開するなど、重点的に取り組んでまいります。また、神奈川県が普及を進めているアプリ「マイME-BYOカルテ」の健康ポイントシステムを活用した健康づくりを進めてまいります。

介護予防の取り組みとしては、事業の開始前と終了時に効果測定を取り入れ、見える化することで、介護が必要とならない体づくりを目指すほか、福祉バスについては、新たに逗子アリーナを乗降場所に加えるなど、高齢者が運動する機会の確保に努めます。

こうした取り組みにより、医療費や介護費に占める保険給付額を削減し、市民と市のそれぞれがwinwinとなることを目指します。

全国的に介護人材の不足による事業所の休止、廃止が増加しています。本市においても安定的な介護サービスの提供を続けていくため、人材確保に伴う緊急的な措置を講じていきます。

また、昨今、高齢者ドライバーによる交通事故の報道等を受け、運転免許を自主返納される方が増加しておりますが、こうした方の中には、暮らしに必要な移動手段に不便を感じている方もいらっしゃいます。介護施設等のご協力により、高齢者のための車両が運行されている地域もあり、地域の実情に応じた対策を検討していく必要があると考えておりますが、昨年8月に、沼間小学校区地域連合会から嘆願書が提出されたことを受け、既存の公共交通を補完する新たな公共交通の導入についての実証実験を、アーデンヒルにおいて行います。市内での買い物、文化・スポーツ、地域活動等、高齢者や障がいのある人の社会参加等に係る移動の手段として、公費に頼らずに継続的に運行するための仕組みの構築を目指していきます。

また、4月から、複雑多様化する福祉に関する相談に対応するため、社会福祉課に、福祉の総合相談機能を有する「地域共生係」を新設し、地域や専門職、関係機関等との連携による包括的な支援を行うなど、より安心して暮らせるよう相談機能を強化してまいります。

大規模な自然災害への備えと危機管理

第4の方針は「大規模な自然災害への備えと危機管理」です。

昨年の大型台風による被害を踏まえ、地震以外の対策も重要との認識を新たにしました。いずれ発生する地震、今年も来襲するであろう台風に対し、十分に備える必要があります。

そのためにも、津波浸水想定区域における津波避難ビルの更なる確保を図り、加えて、福祉避難所の増設を目指すなど、市民の災害に対する不安を少しでも軽減できるよう、引き続き対象施設との協議を進めてまいります。

また、池子小学校へのマンホールトイレの整備や、避難所等への液体ミルクの備蓄など、避難をされる方が、避難所生活に少しでも不足を感じることのないよう対策を進めます。

災害時にも重要なインフラとなる下水道については、策定済の総合地震対策計画の管路施設編を策定し、地震災害への備えを進めるほか、防災行政無線のデジタル化工事を行い市民への情報伝達の充実を図るなど、市民が安心・安全に生活できるよう、災害対策・防災対策に対して着実に取り組んでまいります。

魅力あふれるまちづくり

第5の方針は「魅力あふれるまちづくり」です。

魅力あふれるまち、人々が住みたくなるまちであるためには、このまちに住んでいる人が幸福で、生活に満足していなければなりません。近年は、物質的な豊かさよりも、心の豊かさが求められる傾向にあり、人々の幸福度は社会的な繋がりがあるほど高いとされています。少子高齢化が進む中で、これまで以上に、地域での多様な繋がりの場を作っていくことが求められていると考えます。

そのための有力な取り組みの一つが、住民自治協議会の活動です。防犯や防災といった従来から地域の自治活動として行われてきた活動に加え、福祉や子育て支援、生涯学習、交通問題といった分野にも活動が広がりつつあります。様々な活動によって、地域の皆さんの繋がりが広がり、地域の困りごとをその地域に応じたやり方で解決していくことが、まさに私が求めている豊かな地域のあり方であると考えます。

既に活動が進められている、4つの住民自治協議会を支援していくとともに、逗子小学校区においても住民自治協議会の意義をご理解いただき、設置の気運が高まるよう、まずは地域の団体間で繋がりが生まれるよう取り組んでまいります。

また、よそのまちに誇れるような多彩なイベントが開催され、様々な賑わいや人と人との繋がりが次々と生まれるところにも、このまちの魅力があると考えます。

財政対策プログラム以降、市からの財政支援がない中で、様々な工夫と努力によって、イベント開催を継続された各種団体の皆様に心から敬意を表するとともに、こうした市民の団体の活動を支えてくださる、さらに多くの市民の皆様にも感謝し、活動する人とそれを支える人との気持ちの繋がりこそが、市の魅力を形成していると強く感じています。

今年の「逗子アートフェスティバル2020」は、トリエンナーレ年として規模を拡大して開催されます。逗子アートフェスティバル実行委員会と一丸となって、「市民がデザインする魅力あるまちづくり」を推進し、市民の皆様が主役として活躍いただけるよう後押しを続けてまいります。

そして、いよいよ開催が迫ってきました、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、市内で事前キャンプを行うスペインセーリングチームとの交流に加え、セーリング競技の普及啓発を目的としたコミュニティライブサイト、パラリンピックの事前キャンペーンを開催するなど、市民と一体となって、オリンピック・パラリンピックの盛り上げを図ってまいります。

今後も、このまちが住宅都市としての魅力を維持していくためには、空き家対策は喫緊の課題です。昨年4月に開設した空き家バンクにつきましては、現時点で登録物件数が8件、希望者件数が48件となっております。空き家は依然として増加傾向となっておりますが、特に利活用については、空き家バンクの更なる活性化を図り、住民自治協議会や自治会等の地域住民とも連携しながら、解消に向け、引き続き挑戦してまいります。

そして、長期的な展望を持って、このまちの将来的な魅力を高めていくため、民間の活力も活用して、市民に望まれるホテル等のまちの魅力を高める施設の誘致にも取り組んでまいります。

JR東逗子駅前用地の活用につきましては、用地の南側に隣接する民有地を一体的に利活用することが、当該用地の価値を最大限発揮することに繋がることから、先ずはこれを前提とした検討を進めており、地権者との協議に一定の時間を要することが見込まれますが、将来的に東逗子地域の中心的施設として有効な整備となるようしっかりと進めてまいります。

また、小坪海浜地域では、国有海浜地の整理に一定の目途が立ったところですが、オリンピック・パラリンピック終了後、当面の間は、小坪海浜地域に来訪する方等の時間貸し駐車場として活用をしていくこととしております。小坪海浜地域活性化計画につきましては、地場産業である漁業の振興を念頭に、小坪漁港周辺一帯を魅力的な海浜地区として発展させていくため、地区内で活動する関係者や近隣住民からの意見を踏まえ、実効性のある計画の策定及び実現可能な方策について、検討を進めてまいります。

重要課題

最後に、特に慎重に検討をしていくべき重要課題として、総合的病院の誘致につきましては、地元医師会や有識者など多方面からのご意見をいただききながら、また、神奈川県における横須賀・三浦地域の基準病床数見直しの検討状況を踏まえ、市民が望む病院の実現に努めます。

また、もうひとつの重要課題である池子米軍家族住宅問題につきましては、池子米軍家族住宅地区内に整備が計画されている生活支援施設等について、適時適切な情報の提供を求めてまいります。

以上、令和2年度の施政方針について、所信の一端を述べさせていただきました。
就任2年目となる令和2年度も、現場の声を第一に、課題の解決にまい進してまいります。

予算提案説明

続いて、令和2年度予算案についてご説明いたします。

まず、一般会計の概要について、歳入からご説明いたします。
市税につきましては、まず全体では、前年度に比較して812万1,000円減の92億7,121万1,000円を計上しました。
このうち市民税は、前年度に比較して4,150万円減の50億3,400万円を計上しました。
固定資産税は、前年度に比較して2,087万9,000円増の33億5,731万円を計上しました。
法人事業税交付金は、消費税率の引き上げに合わせ、新たな偏在是正措置として創設されたもので、1,300万円を計上しました。
地方特例交付金は、前年度計上した幼児教育・保育の無償化に係る臨時交付金がなくなることから、前年度に比較して6,004万円減の4,500万円を計上しました。
地方交付税は、令和元年度の交付実績及び国の地方財政対策などにより、前年度に比較して1億900万円増の13億700万円を計上しました。
分担金及び負担金は、幼児教育・保育の無償化により保育所入所保護者負担金が減となることなどにより、前年度に比較して4,119万円減の4億1,459万7,000円を計上しました。
国庫支出金は、幼児教育・保育の無償化に係る財源、防災行政無線整備事業に対する施設整備補助金などの増加により、前年度に比較して4億7,220万2,000円増の28億9,445万7,000円を計上しました。
県支出金は、幼児教育・保育の無償化に係る財源の増加などにより、前年度に比較して1億5,502万9,000円増の13億8,856万3,000円を計上しました。
寄附金は、ふるさと納税について、前年度に比較して5,500万円増の1億円を見込み、総額では、前年度に比較して5,934万9,000円増の1億485万1,000円を計上しました。
繰入金は、年度間の財源調整のための財政調整基金繰入金3億円など、前年度に比較して2,884万1,000円増の3億8,652万3,000円を計上しました。
市債は、臨時財政対策債7億5,000万円など、前年度に比較して1億3,110万円増となる10億2,000万円を計上しました。

次に、歳出における性質別経費の内訳についてご説明いたします。
人件費は、人事院勧告に基づく給与改定の凍結解除及び地域手当、扶養手当及び住居手当に係る職員給与の適正化、会計年度任用職員制度の導入による増加、前年度からの退職手当の減少などにより、前年度に比較して1億6,226万5,000円減の46億5,387万1,000円を計上しました。
職員給与の適正化の主な内容は、地域手当について国基準で示されている15%の支給割合を12%とすること、扶養手当について配偶者と子にかかる手当のバランスの見直しを行うこと及び住居手当について自ら居住するための住宅を所有する場合(いわゆる持家)の手当を廃止することとなっており、経過措置期間が終了した場合の給与の年間削減効果額は、約1億3,500万円となります。
扶助費は、幼児教育・保育無償化給付事業などの児童福祉費の増加などにより、前年度に比較して3億2,041万5,000円増の48億7,047万5,000円を計上しました。
物件費は、高濃度PCB廃棄物処分経費やマイナンバーカード関連事務委託経費の増加などにより、前年度に比較して2億2,433万円増の33億4,885万6,000円を計上しました。
投資的経費は、防災行政無線のデジタル化工事の実施などにより、前年度に比較して3億5,701万8,000円増の5億8,289万9,000円を計上しました。
以上の結果、一般会計予算総額は、前年度に比較して9億7,900万円、率にして5.4パーセント増の192億5,900万円となっています。

次に、特別会計では、国民健康保険事業が前年度に比較して9.5パーセント減の58億7,690万円、後期高齢者医療事業が前年度に比較して9.0パーセント増の13億1,450万円、介護保険事業が前年度に比較して9.4パーセント増の73億4,980万円となり、公営企業会計では、下水道事業が前年度に比較して5.8%増の30億2,597万4,000円となります。

以上の結果、一般会計と特別会計及び公営企業会計を合わせた予算総額は368億2,617万4,000円となり、前年度に比較して12億7,065万9,000円、率にして3.6パーセントの増となりました。

次に、令和2度の市政運営に当たっては、総合計画基本構想に掲げた将来像「自然に生かされ、自然を生かすまち」、「コミュニティに支えられ、コミュニティを支えるまち」に向けて、「わたしたちはこんなまちにしていく」を実現するための5本の柱を推進するとともに、市民の悲願である池子の森全面返還を目指し、池子米軍家族住宅地区内約40ヘクタールの土地の返還に向けて取り組んでまいります。

1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち

まず、「1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち」についてご説明申し上げます。

社会福祉費のうち、地域共生社会推進事業は、福祉の総合相談機能を有する包括的な相談支援体制を構築するための経費として4万5,000円を計上しました。

介護人材確保事業は、人材の確保に苦慮する介護事業所に対する緊急的な補助として300万円を計上しました。

福祉バス運行事業は、市内と高齢者センターを結ぶバスの運行について、新たに逗子アリーナに乗降場所を設けるための経費56万5,000円を含む、1,898万円を計上しました。

介護保険事業特別会計のうち、地域包括支援センター運営事業は、相談体制強化のため各地域包括支援センターの開所時間を延長するほか、西部地域包括支援センターを移設する経費を含め、7,168万円を計上しました。

一般会計に戻りまして、児童福祉費のうち、放課後児童クラブ事業は、全小学校区の放課後児童クラブの運営経費のほか、逗子小学校区において事業を実施する事業者への運営費用の補助、低所得者等に対する保育料補助経費として1億2,885万2,000円を計上しました。

民間保育所等運営支援事業は、民間保育所の運営支援経費のほか、人材の確保に苦慮する保育所に対する緊急的な補助金300万円を含む、5,239万3,000円を計上しました。

保育所等緊急整備事業は、市内幼稚園が実施する小規模保育施設整備に対し補助を行う経費として5,752万5,000円を計上しました。

2 共に学び、共に育つ共育(きょういく)のまち

次に、「2 共に学び、共に育つ「共育(きょういく)」のまち」についてご説明申し上げます。

教育総務費のうち、国際教育推進事業は、学習指導要領改訂に伴い、外国語活動・外国語の授業時数が増加したため、指導助手を増員する経費も含め2,174万7,000円を計上しました。

社会教育費のうち、文化活動振興事業は、逗子市文化祭の共催に係る経費のほか、トリエンナーレ開催となる逗子アートフェスティバルの実行委員会への負担金などとして346万3,000円を計上しました。
保健体育費のうち、東京2020オリンピック・パラリンピック推進事業は、スペインセーリングチームが市内でキャンプを行うに当たり、市民との交流等を通じ、セーリング競技の普及啓発及び気運醸成を図るための経費として692万3,000円を計上しました。

3 自然と人間を共に大切にするまち

続いて、「3 自然と人間を共に大切にするまち」についてご説明申し上げます。

清掃費のうち、広報事業は、ごみと資源物の分別促進のためのアプリを導入する経費などとして67万3,000円を計上しました。

環境保全費のうち、温室効果ガス削減事業は、逗子市地球温暖化対策実行計画の推進、再生可能エネルギー活用事業の実現可能性調査委託料などとして1,036万3,000円を計上しました。

景観のまちづくり推進事業は、景観審議会の開催や景観条例等に基づく表彰の実施のための経費などとして138万1,000円を計上しました。

街区公園維持管理事業は、公園照明灯のLED灯への切り替えに要する経費などとして1,375万6,000円を計上しました。

4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち

続いて、「4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち」についてご説明申し上げます。

総務管理費のうち、庁舎整備事業は、市庁舎劣化調査の結果に基づく改修工事などとして5,248万3,000円を計上しました。

環境保全費のうち、海水浴場運営事業は、安全で快適な海水浴場とするための警備費のほか、逗子海岸営業協同組合が行う海洋プラスチック対策への負担金などとして2,097万7,000円を計上しました。

道路橋りょう費のうち、道路維持管理事業は、JR逗子駅前広場バスシェルター塗装工事などに要する経費として、2,707万6,000円を計上しました。

橋りょう長寿命化事業は、逗子インターチェンジ第一歩道橋修繕に係る詳細設計業務委託費などとして924万7,000円を計上しました。

道路改良事業は、令和2年度から2カ年継続事業として実施する小坪トンネルの修繕工事費として6,183万6,000円を計上しました。

都市計画費のうち、公共交通拡充支援事業は、乗合タクシーなどの公共交通サービス導入に向けた実証実験を行う経費として182万9,000円を計上しました。

下水道事業会計のうち、管渠地震対策事業は、管路施設総合地震対策計画策定業務委託料及び池子小学校へのマンホールトイレシステム整備に係る工事費3,843万9,000円を、下水道施設再整備事業は1,780万4,000円をそれぞれ計上しました。

一般会計に戻りまして、消防費のうち、消防指令システム整備事業は、NET119緊急通報システムの導入に係る経費などとして434万3,000円を計上しました。

災害対策事業は、避難所等の備蓄品整備、池子小学校へのマンホールトイレシステム整備に係る備品購入費などとして1,598万9,000円を計上しました。

防災行政無線施設整備事業は、令和2年度から3カ年継続事業として実施する防災行政無線のデジタル化工事などとして1億5,277万5,000円を計上しました。

5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち

次に、「5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち」についてご説明申し上げます。
総務管理費のうち、分離独立70周年記念事業は、逗子町が横須賀市から分離独立して70周年を迎えるに合わせ、郷土逗子の歴史を伝える記念事業を実施する経費として34万9,000円を計上しました。

池子の森全面返還をめざして

「池子の森全面返還をめざして」については、逗子市池子接収地返還促進市民協議会助成事業11万6,000円を計上しました。

効果的・効率的な自治体経営の推進

最後に、「効果的・効率的な自治体経営の推進」について、企業誘致等推進事業に26万5,000円を計上し、企業版ふるさと納税制度の活用、platform ZUSHI BIZの活動等を通じた企業の市内進出の環境づくりなどにより、法人市民税などの収入増を目指します。

以上、重点施策について説明させていただきました。

一般会計予算

引き続き、一般会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ192億5,900万円とするものです。
第2条は、継続費の経費の総額及び年割額を規定したものです。
第3条は、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第4条は、地方債について、起債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、その限度額は10億2,000万円としています。
第5条は、一時借入金の最高額を14億円と定めたものです。
第6条は、歳出予算のうち、人件費に限り同一款内における各項間の予算流用を行うことができるように定めたものです。

次に、国民健康保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ58億7,690万円とするものです。
第2条は、一時借入金の最高額を1,000万円と定めたものです。

次に、後期高齢者医療事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ13億1,450万円とするものです。

次に、介護保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ73億4,980万円とするものです。

次に、下水道事業会計予算についてご説明いたします。
第1条は、予算の総則を定めたものです。
第2条は、業務の予定量について定めたもので、処理区域内人口を5万9,381人とし、主要な建設改良事業は、管路建設費及び処理場建設改良費とするものです。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の下水道事業収益として21億4,011万8,000円、支出予定額は第1款の下水道事業費用として21億4,028万2,000円とするものです。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の資本的収入として6億9,366万1,000円、支出予定額は第1款の資本的支出として8億8,569万2,000円とするものです。
第5条は、継続費の経費の総額及び年割額を規定したものです。
第6条は、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第7条は、企業債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、その限度額は2億1,230万円とするものです。
第8条は、一時借入金の限度額を4億円と定めたものです。
第9条は、予定支出の各項の経費の金額の流用について、営業費用及び営業外費用の間の流用を行うことができるよう定めたものです。
第10条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めたものです。
第11条は、他会計からの補助金について定めたものです。

以上が、令和2年度の逗子市の予算の概要でございます。

議員の皆さまにおかれては、何卒、ご賛同賜りますようお願い申し上げまして、施政方針及び予算提案説明を終わらせていただきます。

長時間にわたりご清聴いただき、ありがとうございました。

2020年2月20日 逗子市長 桐ケ谷 覚

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