『cas!ca』大場勇弥さんの子どもへの向き合い方とエンタメ思考 (前編)(2024年4月10日)

ページ番号1010356  更新日 2024年4月10日

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こんにちは。えがおレポーターのマイクラおかんです。わが家には不登校の息子がいます。平日学校には通っていないのですが、週2日フリースクールに通っており、安心できる環境で楽しくいきいき過ごさせてもらっております。子育てが楽になる考え方をお届けできればと思い、今回は代表の大場勇弥さんにお話を伺いました。

今回ご紹介する大場勇弥さんは、逗子小にほど近い場所にあるフリースクール 『cas!ca(カシカ)』の代表。“子どもの好奇心を可視化(cas!ca)する”をテーマに、やりたい事や好きな事を、自ら思う存分できる場を提供しています。

平日は子どもの居場所としてのフリースクール、また、土曜日には駄菓子屋としてOPEN。地域に向けて、人が集える場所としても開放しています。

大場勇弥さん
『cas!ca』代表 大場勇弥さん

「子どもに対して大人がやるべきは視点をずらすこと。エンタメにしたり、違う向きに向けたり。目の前の現象ややりたい事に対して、何をどう掛け合わせたら面白くなれるかな、ってことばっかり考えています」と笑う大場さん。

そんな、大場勇弥さんのあり方が教えてくれることを探ります。

大人もこどもも好奇心が動きだす拠点

アトリエで絵を描いてもいいし、プログラミングやゲーム、手芸やメイク、配信、音楽を作ってもOK。

こどもたちも大人たちも自分のやりたいことを軸に思い思いに過ごします。『cas!ca』という名前に込められた好奇心を可視化して過ごす時間がこの場所で繰り広げられています。

cas!caの様子

cas!caの様子2

平日の『cas!ca』は、いわゆる不登校と言われる子どもたちが通うフリースクールと呼ばれる、学校でも家庭でもない第三の居場所です。数名の地域ボランティアなど多世代が集い、セルフリノベーションされた築90年の古民家の居心地良い空間で、のんびりした時間を過ごしています。

とてもおしゃれな空間でわくわくしてなにかをやってみたくなる空気感も同時に持ち合わせていると感じます。

cas!caの様子3

「簡単に言えばエンタメです。子どもっぽくなくて、もっとおしゃれにして、おしゃれな空間に自分いるよね!ワクワクするよね!という作り方をしている。それもひとつのエンタメ的アプローチです。

『cas!ca』は常に誰かしらワクワクしていて、周りにこれやろうと思うんだけどとなると、「いいね」「やりましょう」となって、否定的なワードがあまりでないですね。目の前のやりたいに対してどうしたらそれっておもしろくなれるかなってことばっかり考えています。それが大事かもしれないですね」

こどもの笑顔の秘密

cas!caの様子3

cas!caの様子6

先述の“エンタメ的アプローチ”という手法。ここに『cas!ca』の居心地の良さ、子どもの笑顔の秘密があるのかもしれません。

一体、大場さんが大切にされている“エンタメ的アプローチ”はどのように仕掛けているのでしょうか。


RAPで自分の気持ちを表現したり、料理を作って撮った動画はそれぞれ不登校生動画選手権に入賞しました。


「『ゲーム化すること、コント化すること、連想ゲーム』、この3つがすごい大事で、誰でも簡単にできるオモシロをつくれる要素であると思っています。


子どもってすごいじゃないですか。歩道から落ちたらマグマ、横断歩道の白いところだけ歩くとかおもしろいじゃないですか。それがゲーム化だと思っている。誰が歌ってみたように見えるかみたいなコントをする。口パクだけど「めっちゃ歌ってるじゃん!」みたいな。

それがお笑いじゃないですか。

おとなしい子が、歌うという表現は自分からできないかもしれけど、歌っている風になると「お笑い」になって、最終的には歌っているみたい事が実際あったりして。

なんかそこがエンタメだと思っていて、おもしろい・楽しい、これが一番のバリアフリーなんじゃないか、って思っています。


1つの現象や問題に対して真っ向に向き合うことって大変だと思うんです。
不登校とか発達障害とかいうワードに対して真っ向に向き合うと、落ち込んだり、ネガティブになったりする。

目的やゴールに、直接ストレートに向かうのではなくて、一見、全然関係のない、ふざけているように思われるアプローチと違う視点で結果的に目的にたどりつく。
ウンチを題材に効果音だけで曲を作るとか、将棋の駒をどれだけ高く積み上げられるかとか。一旦ルールを全無視して、そのパーツでおふざけを挟むことで結果的に目的やゴールにたどりつく。


一個の現象について全然違うアプローチをかけて別の視点にしたり、気持ちを違う方に向けることを真剣にふざけて考えてやっています。

でも大人がふざけない。恥ずかしいとか馬鹿にされる、失敗するって思うからみんな何もしなくなるんですよ。でもそれが一番子どもによくないって思っていて。
価値観をぶち壊しにいって、まわりの大人がどんどんふざけるようになったら、めちゃくちゃ世の中が変わります。全力でふざける大人を増やすことだと思うんですよ。
これやってもいいんだっていう大人がいること、真剣にふざけるノリがすごく大事だと思っています。

(後編につづく)

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