子どもの居場所プロジェクト(2020年1月8日)
こんにちは。えがおレポーターのおひさまです。
今日は昨年11月に発足したばかりの「子どもの居場所プロジェクト」についてご紹介します。
「子どもの居場所プロジェクト」は、子どもたちが喜びに包まれながら成長していける地域づくりをめざし、逗子・葉山エリアを拠点に、おもに以下の3つの活動を行う市民活動団体、とのこと。
- 「子どもの居場所まっぷ」製作委員会
- 「子どもの居場所まっぷ」と連動したWebサイト・Facebookでの情報提供
- 子育て世代対象の茶話会や勉強会等の企画運営
このプロジェクトは、
2017年 初版「子どものための平日昼間の居場所まっぷ」
2019年 第2版「多様な学び場&居場所まっぷ」
を発行した製作委員会の活動が元になっています。
現在、配布中の第2版「多様な学び場&居場所まっぷ」には、
- 子どもが安心して過ごせる平日昼間の居場所
- 保護者の会など、親同士の交流の場
- 学齢期のお子さんについての相談窓口
などが紹介されています。
逗子市内の公立小中学校で配布されたほか、逗子市役所やコミュニティセンターなどの公共施設、また葉山町の一部の施設でも手に入れることができます。
プロジェクト代表の吉原千草さんにお会いして、プロジェクト発足の経緯、活動に対しての思いなどを伺いました。
”まっぷ”作成のきっかけを教えていただけますか?
私は約10年前に逗子に引っ越してきて「CoCoLoの会」という学習支援や課外活動、平日昼間の居場所づくりの活動を始めました。
元々塾の講師をしていたのですが、子どもたちの心が元気でないと、いくら勉強しても学力は伸びないと感じ、まず子どもたちの心を元気にできる学習サポートがしたいと思い、活動を続けています。
ある時、地域にお住まいの方から、「孫が学校に行けていない。逗子で子どもが昼間過ごせる場所があるのかどうか、誰に相談したら良いかわからない。インターネットで検索しても出てこない。」とのご相談を受けました。
そこで、市内のフリースクール「NPO法人ここだね」さんに相談し、平日の昼間に子どもが安心して過ごせる場所が一覧となっている地図を作ろう!という話になりました。それが「居場所まっぷ」の初版です。
まっぷへ掲載させてもらえる活動団体を探し、逗子市市民活動支援補助金やクラウドファンディングなどの応援を受けて、約1年半くらいかかって発行することができました。
昨年7月に第2版を発行されましたね。第2版を発行されようと思ったのはなぜですか?
初版を発行してから2年経っていたこと。その2年の間に、CoCoLoの会の活動を通して、子どもや保護者のサポートに関する活動を主宰されている方々との横のつながりが増えていたので、第2版ではより多くの居場所を掲載できることが見込めたことなどが理由です。
また、第2版発行のタイミングについてですが、昨今メディア等で「夏休みが終わり学校が始まる時期は、子どもの自殺行為が増える」といった報道を目にする機会が増えましたよね。
たった今つらい環境に置かれているお子さんに、このまっぷを介して「学校に行けなくても多様な居場所がこの地域にはある」ということを具体的な情報として届けたい、と。
そこで「夏休み前に子どもたちが手に取れるように、まっぷの第2版を発行しよう」という思いに至りました。
繰越金だけでは足りなかった製作費の一部について、地域のみなさまからのご寄付で賄うことができ、関わってくださった沢山の方々とのご縁やご支援に対し言葉では言い尽くせないほど感謝の気持ちでいっぱいです。
活動を通じてどんなことを感じられましたか?
まっぷには逗子市の教育研究相談センターにある「適応指導教室なぎさ」(「教室に入れない」「学校に行けなくなった」時に、自分のことを、ゆっくり考えることができる安心・安全の場。)も掲載されているのですが、市外にお住まいの方がまっぷをご欄になった際に「市の施設と民間の施設が同じ資料で紹介されているのは本当にめずらしい。」と驚いていらっしゃいました。
行政を通じて、市内公立小中学校の「すべての児童生徒」へのまっぷ配布が叶いましたが、このように行政や学校からこの活動へのご理解をいただき、協力しあいながら子どもたちや保護者の応援ができているということを、とても嬉しく思っています。
逗子市は市民活動がやりやすいという声もよく耳にします。何かやりたいと思った時に、助けてくれる人がいる。逗子には、あったかい人と人とのつながりがあると感じています。
逗子で子育てをする保護者の方へメッセージをお願いします。
保護者の皆さんは日々すごく頑張っていらっしゃると思います。
「子どもの心が元気であるためには、まず保護者の心が元気であることが何よりも大事なこと」とはよく言われますが、それって言うは易しで誰もが簡単にできることではないですよね。常に笑顔でなんていられないとおっしゃる保護者の方にとって、その背景にある「お困りごと」とはなんだろう、と考えます。
私は、地域大家族を目指して、地域の人、世代が違う人が交流できる場を作って、地域みんなで協力して子育てできる環境を作りたいと思っています。
このまっぷに関しても、地域のおばあちゃまが「自分には直接は関係ないんだけど」なんて仰りながらも、身近にいる「子育てを頑張っているお母さんたち」に配ってくださっている。まるで自分の家族であるかのように親身に捉えてくださってるんですよね。
このまっぷを手にした保護者の方々と子どもたちが、多様な、ご自身にとって「居心地の良い場」へと繋がり、心を元気にしていく。そういう機会が増えて欲しいと心から願っています。

不登校の小中学生が全国で増え続けていることなどを受けて、文部科学省は、従来の学校復帰を前提とした支援のあり方を見直し、フリースクールなど学外の施設に通う不登校生を「出席」扱いにしやすくする通知を、昨年10月25日付で全国の教育委員会に出しました(*1)
(*1)「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
社会の変化の中、新しい形で、学校・地域・家庭が連携して、子どもの育ちの環境や条件を整える支援が必要になってきています。
「子どもの居場所プロジェクト」が逗子で暮らす、支援を必要としている人に届いて、一人でも多くの親子が元気になるといいなぁと思いました。
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