『cas!ca』大場勇弥さんの子どもへの向き合い方とエンタメ思考 (後編)(2024年4月23日)

ページ番号1010436  更新日 2024年4月23日

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こんにちは。えがおレポーターのマイクラおかんです。わが家には不登校の息子がいます。平日学校には通っていないのですが、週2日フリースクールに通っており、安心できる環境で楽しくいきいき過ごさせてもらっております。子育てが楽になる考え方をお届けできればと思い、今回は代表の大場勇弥さんにお話を伺いました。

今回ご紹介する大場勇弥さんは、逗子小にほど近い場所にあるフリースクール 『cas!ca(カシカ)』の代表。“子どもの好奇心を可視化(cas!ca)する”をテーマに、やりたい事や好きな事を、自ら思う存分できる場を提供しています。

平日は子どもの居場所としてのフリースクール、また、土曜日には駄菓子屋としてOPEN。地域に向けて、人が集える場所としても開放しています。

原点は自分自身の不登校

大場さんは、横浜で生まれ育った。病気がちだったので自然豊かな逗子葉山の土地で子育てしたいという親の希望があり、小学2年生の時に引っ越してきて転校することになりました。それが自身のあり方を変える原点だったと振り返る大場さん。


家の裏の原っぱの秘密基地やお笑い動画撮影する遊びから、ゲーム化することが培われた。

大場さん

“僕が小2で転校することになり、不登校を経験した。フリースクールとか平日に行けるところがなくて、お母さんも僕もどうしたらいいかわからなくなっちゃって、そこからほぼ母子登校。行かない日もあったし。毎日泣いていた。

大学生になったときに。たまたま県の起業プログラムを友人から紹介され、転校をきっかけに親も自分もどうしていいか、逗子葉山にはこういう場所がなかったから、作っちゃえばいいやって思ったのが原点です。子どもの居場所がないなと思って、まずはお試しで7畳の部屋を借りて始めました。3ヶ月のつもりだったけど、気が付くと1年半やっていた。その間貧困、DV、発達、シングルマザー、不登校などの問題に触れることが増えていって、課題観とやっていることの必要性を感じていて。就職活動の時期だったけれど、これを続けていくために就職をしようとしたんですけど、やりたい事が子どもの場づくりだと思って結局就職しませんでした。


コロナになり、だれも来れなくなって7畳の部屋も手放すことになったタイミングで、
1年半で家がつぶれるけれど家賃がゼロの物件を紹介してもらい、居場所を続けられることになった。結局家はつぶれなくなったけれど、契約が終わったタイミングで現在のcas!caの物件を紹介してもらい「もっとしっかりフリースクールとしてやってみよう」となって、古民家をセルフリノベーションしてcas!caをはじめました。ご縁と運がつながって、現在に至っています。


自分自身の居場所をつくっているということもある。ここに居ていいんだというのが今までなかったのかな。なにかしてあげているという関係では全くなくて、誰か居ても居なくてもどちらでもいい。


当事者だから必要な場所だとわかっているけれど、お金にならないし大変なのでこういう場所が増えていかない。けれど、金額があがると来れない家庭も出てくる。たくさん問題はあるけれど、もっと別のアプローチで地域ともつながって街づくりができないかと思っている。

駄菓子屋をはじめようと思ったきっかけをお伺いできますか?

駄菓子屋

お母さんに文句も言われず、しれっとここに来て楽しいことして帰るという余白。余白を作りたくなって「駄菓子屋」を作りました。


“どうやったら一歩踏み出せるかというのは敷居の低さだけだと思うですよね。
大場さんは「エンタメ思考で、敷居の低さを創り出し、やりやすさを出すことができる」と言います。


相談室とか適応指導教室にお話しに行くよって言われても、「うん?」ってなるけど、駄菓子屋ってなると、ハードルが下がる。「行く」というハードルを、エンタメ思考で敷居やハードルをさげるにはどうやったらいいのかなって考えたとき、駄菓子屋に「行く」となるとその延長線上で話し合いも行われていたら、結果は同じという仕掛けです。

楽しいことが一番のバリアフリー

焚火する様子

“「cas!caを実験室だと思ってほしいです」


私はこの言葉を聞いて、

大場さんの周りにわくわくしている人が多いのは、実験を楽しむ様子に影響を受けて一緒にワクワクやドキドキを感じているのだな、と思いを巡らせていました。

M-1に出場したり、音楽、動画編集などやってきたことが興味からはじめることが多く、全部実験だと思っている。これ過去に実験してかけ合わせられるぞ!と思える。じゃ、このアプローチもあるんじゃない?とかけ合わせたり、仕掛けてみたりすることが好き。

cas!caも色んな人にとって実験室だと思ってほしいです。
ぼくは研究するときに必ずエンタメという要素を加えたくなってしまうという研究員。笑
どうしたら注目されますかね、どうしたらおもしろがれますかね、ということばっか考えている研究員ですね。

cas!caの様子

フリースクールcas!ca
〒249-0006 神奈川県逗子市逗子4丁目7−54


(撮影:馬場さくら cas!ca)

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