市長記者会見 平成22年1月7日(木)
■日時:平成22年1月7日(木) 午前11時から午前11時47分まで
■場所:庁議室
■出席社:神奈川新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞、共同通信、NHK、テレビ神奈川、鎌倉ケーブルテレビ、時事通信、日本経済新聞
■出席者:平井市長、村上教育長、松下理事、山際理事、新明経営企画部長、梶谷総務部長、伊藤市民協働部長、森本市民協働部担当部長、柏村教育部長、芳垣秘書広報課長
■陪席者:菊池財政課長、石井秘書係長
【市長】
皆様明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。年頭の会見ということで、私の所感を述べさせていただきます。昨年を振り返りますと、日米での新政権の発足ということで大きな変革の年でありました。逗子市にとっても大きな節目の年であったと受け止めております。昨年の年末の仕事納めで、部課長会議で逗子市としての市政の10大ニュースというものも発表しておりますけれども、逗子市にとっても、ご承知のとおり、池子問題について大きな展開がございました。あるいは病院の誘致という問題についても、これは残念ながら聖テレジア会の撤退ということで、新しい地域医療の構築に向けた議論をスタートさせたという年でもありましたし、4月には機構改革ということで13年振りの組織の大幅な変更が行われたと、加えて、ごみ処理についても方針を決定したという意味で、逗子市にとっての、本当に歴史的な節目に当たる年であったのかな、と思っております。
そして、今年は、私にとっても任期4年目、最終年度となります。その意味も含めて、逗子市にとっても決着の年と位置付けております。当然、最大の課題は池子問題ということになります。3月の市議会議員選挙、それから12月には市長選挙が予定されているということで、この池子問題、四半世紀にわたる政治課題として、今年、これは私が1期目の最終年度において、決着をさせなければならないという覚悟で臨みたいと思っております。昨年の12月14日に長島防衛政務官が逗子にこられて、ご承知のとおり、新政権としても追加建設事業を推進していくという方針が示されたと、加えて、本設小学校については、年度内の事業着手と、伝えられたわけでございます。
私としては、従来どおり、あくまでも、返還と米軍住宅の追加建設問題は別問題であるという観点から、返還の実現を求めていくという考え方に変わりはございませんけれども、年が明けましたので、おそらく南関東防衛局の方から、小学校建設についての何らかの動きが近々にあるものと受け止めておりますが、逗子市としては、引き続き、返還の実現に向けまして、改めて、しっかりと国に要請をしていきたいと考えてございます。
昨年の7月に前政権から40ヘクタールの返還の提示をされたときに、6項目についての逗子市からの国に対する、考えを確認するための投げかけをすると申し上げて、その後約半年間、これがペンディングになってございます。したがって、昨年の暮れに政務官が方針を伝えに来られたという意味では、逗子市として、国にどういう形でボールを投げ返すかということを、近々に検討して、中身、タイミング含めて、いよいよ、逗子市がボールを投げ返さないといけないなと、思ってございます。
それから、決着という意味では、ごみの広域処理について、これも長年の懸案でありましたけれども、いよいよ今年、鎌倉市との平成18年に締結した覚書について、解消という方向で協議が進められると考えてございます。事実上、昨年の施政方針の中で、逗子市としては、大規模改修をして炉を延命化すると、最終処分場も延命化するという方針を出しておりますので、この18年の覚書というのは事実上は解消していると認識しているということは再三申し上げてきましたけれども、鎌倉市ともこの辺の認識については共有化していると受け止めております。したがいまして、今後、一旦、覚書の解除に向けての手続きが進められるということでございます。
これを受けまして、施設の改修等については、これは鎌倉市とも今協議中でございますので、将来の共同処理の可能性に向けては、協議というものは残っていくという中で、地域計画を逗子市の方で策定して、申請していくという形になろうかと。少なくとも、これまで進めてきた広域処理の枠組みというものは、覚書の解消によってリセットされると思っております。そういう意味でも、ごみの広域処理についての長年の懸案というものが、一つの決着を迎えると考えております。
それから、今年、来年度のひとつの大きな節目としては、実施計画を、私が市長就任後策定をし、今、毎年これに取り組んで来ているわけですけれども、この実施計画が22年度で最終年度となります。したがって、その後の後期実施計画の策定を来年度進めていくということになりますので、来年度は、この後期実施計画において、総合計画の基本構想の最終計画になりますので、平成26年度までの計画を策定して、それをもって総合計画基本構想が終了という形になりますので、ここも大きな節目に当たっての、後期実施計画策定の年度になります。したがいまして、この計画の中で、どういう課題に取り組むのかということを、市民とキャッチボールしながら、それぞれのテーマごとにしっかりと市民の想いを結実させていきたいということでございます。
そうした過程の中では、まちづくりトークなどを使いまして、様々なテーマごとに市民との意見交換というものを経て、いま、まちづくり市民委員会という実施計画の進行管理、策定を担っていただいている委員会の中で議論を深めて、実施計画を策定していくことになります。そういう大きな課題が今年1年間を通じて取り組んでいくことになるということでございます。
現在、平成22年度の予算編成の最終段階を迎えているということになりますけれども、逗子市としても他の自治体同様、たいへん厳しい予算編成となっております。景気の落ち込みがやはり大きく影響して、市税においても、逗子の場合には他の自治体で見られるような法人市民税についての大幅な落ち込みは、もともと市税に占めるシェアが小さいものですから、それほど大きな影響はありませんけれども、ここへ来て、やはり個人所得の落ち込みということによって個人市民税がかなり前年度に対しても3億円以上減額が見込まれると、あるいは、国や県からの交付金についても、1億円以上の減額が見込まれるという中でたいへん厳しい歳入の見込みになってございます。
こうした厳しい状況で、結局のところ、財源不足を臨時財政対策債、これを大幅に増額して借り入れをする、あるいは財政調整基金についても、平成21年度は3億4千万円取り崩ししましたけれども、22年度においてもこれ以上の取り崩しが必要になってくると、たいへん厳しい22年度の歳入見込みということになります。
そういう中で、行政課題、様々なニーズに対応していくという中では、平成22年度三つの戦略課題を掲げたいと考えております。「市民との協働」と「子育てしたいまち」そして三つ目に「ごみ問題」ということに考えてございます。
「市民との協働」についてはこれまでも一貫して、戦略課題として重点的に取り組んできました。21年度にボランティア市民活動ポイントシステムの実験を行いまして、これが良好な評価を得たということで、22年度には本格稼動をして、それぞれの分野で、行政、そして市民との協働で、さまざまな活動を広げていくという段階に進みます。私としても、このシステムにたいへん期待をしておりまして、準備期間が必要ですので、22年度の後半から本格稼動に入ってきますけれども、規模を拡大して、全庁的あるいは全市民的に取り組んでいきたいと考えております。
それから二つ目としては、「子育てしたいまち」ということで、これも就任以来重点課題として戦略的に取り組んでまいりました。22年度については、放課後児童クラブ、学童保育の拡充をまずは重点的に行っていくということでございます。今、逗子市の中では5校小学校がある中で、4校は学童保育がありますけれども、1校久木小学校区にないということで、これをようやく来年度新設に向けて、国庫補助も活用して展開していけるという段階まできました。あるいは、既存の学童保育でも老朽化しているということも含めて、池子小学校区も含めて、移転、整備ということも計画をしております。
あるいは、子育て支援、あるいは男女共同参画ということも含めて、市が主催する全ての審議会等の会議、あるいは、講座、講演会等、まちづくりトークも含めまして、こうした会議に託児のサービスを実施するということを計画しております。これは、社会福祉協議会で協力いただく市民の体制というものが構築されてきているというもので、これは、より子育て世代の社会参加、あるいは、子育てしたいまち、ということで非常に大きな取り組みかな、と考えてございます。そうしたいくつかの施策を今検討している中で、来年度予算を策定しているという段階にございます。
それから、三つ目の戦略的な課題としての「ごみ処理」については、22年の3月中に一般廃棄物処理基本計画の改定が整います。これを踏まえまして、焼却施設の延命化、あるいは、処分場の延命化が具体の計画に進んでいくわけですけれども、基本的には市民との協働によって、ごみのないまち、できるだけごみが出ないまち、資源循環型社会を目指すことですので、これを植木剪定枝の資源化あるいは大型生ごみ処理機設置の助成制度、資源物の拠点回収の実施をすることによって、より重層的にごみの資源化、減量化というものを市民と力を合わせて進めていくという意味で、先ほど申し上げた広域処理についての決着ということを踏まえて、いよいよ市民と力を合わせた資源循環型社会への取り組みということが、本格的に逗子市においてスタートするという年になろうかと思っております。
大きくはそういったことを取り組みながら、12月の市長選挙ということを経て、まさに、この逗子の長年の課題の決着ということが図られる、本当に逗子にとっては大きな節目の年になると考えておりますので、私の1期目の仕上げの年として、全力をあげていきたいと考えてございます。私の方からは以上の所感とさせていただきます。
【記者】
市長選、今年は予定されていますけれども、それに臨む心境といいますか、お気持ちとか、それについてちょっとお伺いしたいんですが。
【市長】
今はまだ任期の途中でございますので、この1年を全力をあげていくということで、先ほど申し上げたとおり、池子の問題についても、何とかこの1年で、返還ということを含めて道筋をつけたいということでございますので、この1年の努力ということに今は全力を傾注したいと思っております。評価はそのときにされると思います。
【記者】
いつまでにその方針を決めたいというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
【市長】
方針というか、基本的には返還を実現するという、まず大きな目標と、逗子市としては返還と建設問題は別問題であると主張してきましたので、その一方で国の方は当面は小学校建設を進めていくという方針で具体の事業が着手に向けて準備が進められているということでございますので、その辺を逗子市として、どう国と交渉していくかということになろうかと思いますので、この先どういうタイミングでどういう形の展開になるかということは予断を許しませんが、私としては、少なくとも返還ということをしっかりと新政権に取り組んで、実現に向けて、一歩でも二歩でも進めていただきたいということに、全力をあげたいと思っております。
【記者】
ということは、返還への道筋をつけられるかどうか、その時点で2期目への対応といいますか、評価を問いたいということなんでしょうか。
【市長】
そういうことにもなろうかと思います。
【記者】
市長が最後におっしゃった12月の市長選を経て、長年の決着という言い方だと、当然2期目をやられるというふうに受け取れるし、それから市長が初当選したときにですね、市長が3期はやりたいとおっしゃったんですが、それは、逗子の、昔は道路がぐちゃぐちゃだった、それをちゃんと下水道が整備されて、それには時間が必要だったと、そういう理由もつけて3期はされるとおっしゃった。それは、変わったんでしょうか、方針が。
【市長】
いえ。3期すると言ったわけではありません。長期的な視点で、視野でまちづくりを進めなければならないということが一つでありまして、特にこの池子問題というのは非常に逗子の歴代の首長が様々な苦渋の中で、時に辞職をし、選挙を経て様々な決断、選択をしてきたということですから、これは本当に、いつ何があるかわかりません。そういう意味で、私も覚悟をもって臨んでますから、それがどういう形になるのかということは、今の段階では軽々には申し上げられませんし、長期的な視点でまちづくりが必要という考え方は、今でも変わっておりません。3期やるという意味ではありません。あまり長い長期政権は好ましくないだろうから、やっても3期が望ましいのではないかと、そういう意味で申し上げてます。
【記者】
小児医療の助成について、議会で議決されたにもかかわらず、市長は拒否なさったわけですが、今出てきた託児サービスの実施だとか、学童保育の充実だとか、子育て支援の講座の後援だとかをやるというのは、つまり所得制限の撤廃をしないというときの理由に他の施策を検討しているからとおっしゃていましたけれども、撤廃をしない代わりにこういう施策をやりますよという意図と考えてよろしいんでしょうか。
【市長】
小児医療については昨年の第4回定例会で様々な議論があり、再議にも付して、条例については廃案になったという経緯だと思いますけれども、少なくとも過半数の議員が充実を求めているという声は受け止めなければならないと思っておりますが、そういう意味では、今予算査定最後の最後の詰めをしている中で、果たしてどこまで対応できるかということは検討しておりますけれども、いかんせん、先ほども冒頭申し上げたとおり、たいへん厳しい財政状況という中で、それが果たしてどこまですべきかということは、今の段階では最後の詰めの中で判断をしている段階にはございません。先ほど申し上げた子育て施策については、これは従来から必要性ということがいわれて、次世代育成の行動支援計画にも盛り込まれるなど、これはしっかりと取り組まなければいけないという意味で、優先課題として進めていくということは決定しておりますけれども、小児医療については、財政のバランスとどう向き合って、最終的な意思決定をするかということで今は熟慮をしている段階ということでございます。
【記者】
池子の件なんですけれども、先ほど市長は6項目についてはペンディングになっている状況だと。年末に政務官がいらして、基本的には民主党政権になっても国側の提示については変更がほぼないと、といういうことですと6項目についても基本的には大きな変更はないと受け取っていいんでしょうか。
【市長】
まだ、この間政務官とお話したときに、込み入って、例えば返還についてどう捉えるのかとか、本設小学校については年度内の事業着手ということを述べられたので、ここについては予算の執行というところが迫ってきているわけですけれども、追加建設問題についても、どう政権が具体化していくのか、というのが具体に見えてございません。昨年の暮れに、これまた報道されましたけれども、戸数の検証といったことも発言があったやに新聞報道で見ました。私はその中身について、今、詳細な把握をしておりませんけれども、そういうことも含めて、防衛省側と交渉なりをしないと、逗子市として6項目を投げかけるといった、これについてどう扱って、提示をしていくかということは、まだ決められない状況かなと思っています。
【記者】
その件に関してですけれども、6項目は防衛省とのやりとりもあると思いますけれども、時間的に言うと、本設小学校建設の方が年度内というおしりがちゃんとあるので、それが具体的に来た場合に、もう建設するというのが来た場合に、市としてどういった対応をとられますか。
【市長】
そういう意味では、こちらから国に対して投げ返すボールをどういう形で返すかというタイミングはですね、そう遠くないと思います。やはり近々に、少なくとも年度内に本設小学校の予算執行ということを控えているという意味では、その前の段階で、何らかの投げかけをしなければならないと考えておりますので、それを今、近々というのがどのタイミングかというのは、少なくともこの年度内ということですから、その中で対応しなければいけないと思っています。
【記者】
そういうことではなくて、国の方は年度内ということを言っているわけだから、それはもう時期関係なしに、おしりがそこで来ることが決まってるわけだから、市が投げようが投げまいが、6項目については、向こうからいつ工事始めますと言ってきた場合には、市はどのように対応されるんですか。
【市長】
少なくとも逗子市としては、強硬な着工というものはしないでいただきたいと、申し上げる立場でございます。
【記者】
着工するタイミングでは、市としては、強硬着工はしないでいただきたい、と。その先どうですか。
【市長】
その先は、交渉がどういうふうに進展するかによると思います。
【記者】
3月の市議選で、この池子の問題が争点になるというふうにはお考えになってますか。
【市長】
ひとつだけを取り上げた争点になるとまでは思いませんけれども、これは重要な、市政の課題として、取り上げられるだろうとは思います。
【記者】
それで、争点になった場合に、ある結論が出たとしたら、それは尊重するというお考えでしょうか。
【市長】
今の時点では、市の方針というのが従来どおりということですから、それを踏まえた選挙結果というのは、今の段階では、大きく動かないかなとは思います。ただ、本設小学校の対応をするか、年度内あるいはその着工について、国が逗子市の要請をどう受け止めて、配慮するかといった状況次第では、もちろん、この分については、当然ひとつの民意というんでしょうかね、そういったものが影響される可能性は否定はできません。
【記者】
国側は、自民党政権下から、3つの建設、いわゆるトンネルと本設と追加建設、それを認めてくれるならば40ヘクタール返しましょうというスタンスであると。それが現政権になっても、基本的にはその方針に変わりはないというお話なんですけれども、今回、年度内に本設小学校が着工、着手されますよね。そうすると、3つの中のひとつが始まってしまうと。それは、パッケージとしての話をされているにもかかわらず、ひとつが着手されるとなると、交渉ってすごくやりにくい部分もあると思うんですけど、その辺市長としてどのように交渉を進めていく…やっぱり、パッケージとして進めるのか、それとも本設小に着手するのであれば交渉し、とか、そういうような交渉を進めるのか、市長としてはどのように考えるのか…。
【市長】
もともと、逗子は返還と追加建設問題は別問題だというフレームで国と対峙をしてきた、一方国の方は3つの建設事業と返還はセットだと、こういうのが前政権の提示ですよね。新政権が建設事業については従来どおり進める方針だという中で、では返還について、これをセットととらえるのかどうかということはまだ明確ではないと思っています。したがって、この辺は今後の交渉の中で、どう捉えて、返還問題を国がどう扱うか、ということに関わってくると思うので、そういう意味での交渉スキームというのは従来の前政権と同じなのか、違うのかというのは確認をしていく必要があると考えています。
【記者】
返還と追加建設は別であるというのは従来からの主張ですので、理解できるんですけれども、ただ政府が別だとしても、米軍の側はですね、立場は変わっていないわけで、返還地40ヘクタールについても不必要であるから返すという立場ではなくて、追加建設を認めてもらえるのだから、必要だけれども譲歩するという意向なわけですから、別といってもですね、建前は別であっても、実質的にセットであること、現実を変えるっていうことは極めて困難なように思うんですけれども、例えば、米軍に直接ですね、例えばオバマ大統領に認識を変えてもらうとか、米側と接触をするという可能性もあるんでしょうか。市がですね、政府の側は別といったとしても、政府の建前であって、実質的にそのリンクを切るのは難しいように・・・。
【市長】
交渉権はある意味、国との間にあって、米側はその窓口ではない、それが一つの原則です。ただし、ご指摘のとおり、米側の意向というのはそこにあるわけですから、その辺を国を通じ、どう探るかと、あるいは、司令官とお会いするタイミングもありますけれども、そういった話が果たしてどこまで個別にできるかというのは、これはちょっと、相手のある話ですのでわかりませんが、一義的には防衛省が窓口という中で交渉せざるを得ないと思っています。
【記者】
国との交渉で、決めるという・・・。
【市長】
そうですね。新政権はそういう意味では、長島政務官を含めて、逗子市の現在置かれている状況、過去の歴史を経て、今の状況というものは理解はしていただいているとは思っております。
【記者】
市長の言う池子問題の決着というのは・・・、市長の理想とする決着というのはどういうものになるんですか。
【市長】
返還を勝ち取るということ。
【記者】
それは、もちろん交渉として・・・、建設のある程度・・・、その建設と返還は別であるという市長の主張に沿った形で交渉が進んでということですか。
【市長】
はい。
【記者】
返還というのは具体的に、例えば一部返還とかですね、具体的な中身はどういったものですか。
【市長】
今は少なくとも、40ヘクタールが示されて、これは新政権も引き継いでいるということは明らかになってますから、ここを勝ち取っていくということになるし、逗子市としては、もちろん全面返還を最終的には目指しているわけでありますので、これは、どんなに時間がかかっても達成する目標には変わりありません。ただ、当面は、今年の決着というのは40ヘクタールをどこまで実現のために進められるかということになります。
【記者】
返還を勝ち取ってですね、反対している3つの部分は、そのまま反対を続けると、具体的に言うとそういうことになりますか。
【市長】
できれば、それが理想ですけれども。
【記者】
6項目は・・・、そうすると返還はもともとあったわけですけれども、建設は認めないという部分が6項目に入ってくるということになるんですか。
【市長】
あそこの6項目は、7月の時点の提示に対する6項目ですから、建設についてどう逗子市として捉えるかということは、ここは含まれておりますから、そこを国がどう考えるかを投げ返すという項目ですから、ここの扱いをどうするかっていうのは、今後慎重に考えなければいけないと思います。
【記者】
端的に言って、7月時点の6項目というのは、建設を認めた上で、市の要求というのを出しているわけですから、今市長がおっしゃった、3つのことについて反対だということであれば、7月時点で考えていたこととはそういう意味では土台が違ってくると思うんですけど、そういう意味では市長、どうですか。
【市長】
これは、新政権が、先ほど申し上げた、返還についてどう取り組むかということに関わってくるので、この辺をやはり見極めた上で対応を考えざるを得ないと思います。
【記者】
そうすると、ものすごく中身が変わってくるということもありうると。
【市長】
有り得ます。
【記者】
先ほど、1期目の集大成として、ごみ処理問題と池子にも決着をつけたいとおっしゃったのは、その決着というのは、今おっしゃった40ヘクタールの部分について、という認識でいいんでしょうか。
【市長】
そうですね。
【記者】
それは、年内ということでしたけれども、もっと言うと年度内ということですか。
【市長】
いや、年度内というのは、どっちの・・・、22年度のこと・・・。
【記者】
いや、21年度。
【市長】
いや、それは3月までにということは、タイムスケジュール的には無理だと思います。12月の市長選挙ありますけれども、その段階までにどこまで返還のことが、交渉が進んでるかというのは全くわかりませんけども、少なくとも、その1年の中でできる限りの努力をして、返還についての道筋をつけたい、という意味での決着です。
【記者】
ボールを投げ返すというのは、そうしますと最終的なことではなくて、ボールを投げ返したことによって、そこからラリーが始まるという認識ですか。
【市長】
そうですね。
【記者】
市長が新政権がどういう形でやっていくのか今のところはまだわからないという言い方をしてましたけれども、昨年末に長島政務官がみえて、本設小は今年度内にやるというふうにおっしゃったことは理解されていると思うんですけれども、それでもまだ新政権がどういう形でやっていくかわからないとおっしゃるんですか。
【市長】
それは、返還について、どう取り組んでいくのか、ということについて、まだ確認する必要があるという意味で申し上げているんです。建設事業については進めていくという方針が出されましたから、これは明確になっていると思っています。あとは逗子市がかねてから要請している返還についてはどうとりあげるのか、取り組むのか、ということについては、14日の会談では、ある意味、それぞれが、政務官側は建設事業は従来どおり進めるという見解を示したし、こちら側は返還をお願いしたいということを、お互いに言い合ったということで、政務官の方から返還については、どうしますということは特に言及はありませんでしたから、それについては、さらに、これから話を進めていかないといけないと。要するに先ほどから出ている一括セット論でやはりいくのか、少なくとも小学校は先に進んでいくという意味では、今の時点ではセットでなくなってきているという状況ももう既に生まれようとしているわけですから。その中で返還っていうのはどういう位置付けで、どういうふうに取り組んでいく考えなのか、ということを確認する必要があって、それによって逗子市としてどういうボールを正式に投げ返すかっていうことを考えないといけないと、そういう意味です。
【記者】
しかし、本設小が今年度内に何らかの着工があって、その報道はどうかわかりませんけども、増設700戸が多少減ったとしても、減らないにしても横浜市側で行われると、だけど、返還のことについては、向こうから一切何も言ってこないという可能性があることもあるんではないかと思ってるんですけれども、市長の方にはそういう考えはございませんか。
【市長】
そうなってしまうのは逗子にとって最悪の事態ですから、これは何としてでも避けなければならないと思いますので、そういう意味で交渉のタイムリミットはそんな悠長にあるものではないと思います。そういう意味で、まさにこの一年が非常に、正念場、交渉においての正念場、そこでどこまで交渉ができるかによって、当然、評価というものが下されるであろうと思います。
【記者】
悠長なこと言ってられないということなんですけれども、先ほど市長が、話の中で、近々に防衛省側から何か話があると思うとお話がありましたけれども、市長の方から返還についての考え方っていうのを防衛省に問うような、そういった行動は、今のところ考えているのか、考えてないのか・・・。
【市長】
それは、こちらからどこかのタイミングで出向いて、向こうは来て建設について、こういう計画だからと言って、説明に来て、理解を求めに来られるでしょうから、こちら側は、 そういう意味では、返還について出向いて、どう対応をするんだと求めに行く、そういうことは必要になってくると思っています。ただ、でも、今年は2月の頭に議会が始まりますから、通常よりも半月ほど前倒しになりますので、今、予算編成で手一杯というところもあって、ただ、そういったもの、先ほどから出ているように、年度内の予算の執行というのが迫ってますから、これはやはり、議会があるといえども、こちらもタイミングを見ながら、対処していかなきゃいけないというふうにもいえるので、この1月、2月、3月の中で動かなければいけないとは思っています。
【記者】
具体的に、何時防衛省行くとか、そういう話は全くないですか。
【市長】
ないです。
【記者】
7月のときの6項目というのは、あのときある程度6つ、本当に6つになるかどうかまでやりましたけれども、今回こういう事態で、2月中なり3月中に市長が防衛省側と交渉して、それから出すものというのは、何項目になるかもわからないし、ですよね、6項目の言葉のね、何か、てにをはを変えるっていうようなもんじゃないわけでしょ。端的に言うと、土台が違っているわけだから。例えば、返せということについて市が主張して、それだけ1項目で行くとかね、だから、6項目という言葉が、それをちょっと一部変えるというふうな理解では、今の市長の説明だと、そういうふうにはとれないんですけど、そういう理解でよろしいですか。
【市長】
そうですね。今の状況を踏まえて、もう一度整理をして、今の時点で、何を国に対応を求めるかということで、改めて、こちらから提示する中身を精査するということになります。
【記者】
返還について、という。
【市長】
そうですね。