環境省発表「旧日本軍毒ガス弾等の全国調査」についてのお知らせ(2003.12.1)
11月28日、環境省から「旧日本軍毒ガス弾等の全国調査」の結果が発表され、逗子市は『毒ガス弾等の存在に関する情報の確実性は高いが地域が特定されていない』とする 分類Bとされました。
その中で国は、本市にあった横須賀海軍軍需部の久木1号倉庫(当時、横須賀市逗子町)に毒ガス弾等(催涙筐等)が存在していたとの記録があること、また、その所在地は特定されていないこと などを発表しました。
本市といたしましては、これだけの情報では対応が非常に困難なため、国に対しこれ以上の正確な情報の提供と、詳細な調査を求めているところです。なお、環境省資料において催涙剤の毒性は、 「目や喉を刺激して激しい催涙効果を示す」が「死に至らしめることはほとんどない」ものとされています。
この調査の内容及び結果等についての概要は次のとおりです。
1 全国調査のきっかけ
旧日本軍が遺棄したと見られる毒ガス弾等による被害が、寒川町や茨城県神栖町などで発生したことを受け、環境省が今年6月から全国自治体に毒ガス弾等の実態調査の 協力を依頼。過去の毒ガス弾関連資料や旧軍関係者、住民からの証言や関係省庁から得た情報を収集してまとめた。
2 事例の概要
環境省によれば「横須賀海軍軍需部引渡目録」に、終戦時に軍需部の倉庫に毒ガス弾等が存在していたとの記録がある。
3 生産・保有情報
上記目録に「終戦時に横須賀海軍軍需部の久木1号倉庫(当時、横須賀市逗子町)は、『手投涙弾甲』大4,000発、『手投涙弾』小 6,000発、 『催涙筐』25個を保有していた。」との記録があった。
4 上記場所で生産・保有したと思われる毒ガス弾等の毒性(人体への影響)
上記場所で生産・保有した毒ガス弾等は催涙剤と思われ、国の資料によればその毒性は次のとおり記載されている。
「目や喉を刺激して激しい催涙効果を示す。死に至らしめることはほとんどなく、暴動の鎮圧用に配備されていた。」
5 久木1号倉庫(当時、横須賀市逗子町)の所在地
特定できていない。(県を通じて環境省へ調査依頼中)