広報ずし 2025年12月号 NO.1006 24面 連載市民インタビュー 人生のへそは逗子にあり 身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。 ALSと残りの人生を生き切る (一財)すこやかさゆたかさの未来研究所 代表理事 畠中一郎さん(桜山)  筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)の患者で、現在は車椅子で生活を送る畠中さん。ALSの患者とその家族を支援する一般財団法人を設立し、代表を務めている。 長年ミッションを探し続けて  ALSは、体を動かすことが徐々にできなくなる病気。治療法のない難病で、人工呼吸器を使用しないと5年ほどで死に至ると言われている。  畠中さんは、ALSと診断された翌年の2022年に財団を設立した。その精力的な活動には、35年前、駐在先のアフリカで巻き込まれた暴動の影響が大きい。多くの人が目の前で亡くなり、生き残った罪悪感に苦しんだ。「自分はいつか意味あることをさせられる。ミッションを背負ったんだと思い込ませるしかなかった」。  診断を受けた病室で「これがミッションか」と思った畠中さん。財団設立後は、全国各地の患者に会ってニーズを探ることから活動を始めた。 病気を乗り越え、有意義に生きる  ALSの患者には、余命宣告を受けて深い絶望の中にいる人も多い。財団では「寄り添う」「支える」「乗り越える」の3つの目標を掲げ活動している。畠中さんは中でも「乗り越える」ことが大事だと話す。「余命が分かることで、人生のゴールがはっきりする。残りの人生をなんとか有意義に生き切るべきだ」。  今年の7月から救急車を改装した「ゆめばす」の事業を開始。電動車椅子のまま乗車できる車を、原則無料で貸し出している。「難病患者にとって、娯楽のための移動は事実上困難。それでも諦めず、できることがあると実感するために、ゆめばすを使ってもらえるはず」と期待を語る。 逗子から前向きなメッセージを  静かで通勤が便利な湘南エリアに暮らしたいと、2001年から逗子での生活を始めた。「海と山、駅前の商店街が大好き」と笑顔で話す。  「退職したり、病気で障がいが生じたりすると、“第一線を引いた”と考えてしまうもの。しかしこれは今までの人生を見直すきっかけにもなる。前向きなメッセージの発信基地に逗子がなってほしい」。 ---------------------------------------------- 市長だより vol.81 現場第一主義  今月の特集は「障がい理解」です。障がいの程度はさまざまですが、多くの方々が困難や苦労を抱えながら、明るく強く生活されていることに敬意を表します。  冒頭に登場した西久保さんは、今年7月、全日本パラサーフィン選手権優勝のご報告にお越しいただきました。以前に西久保さんとは、目の病気があると知らずお話ししたことがあり、外見から分からない障がいがあると改めて気付かされました。一時は落ち込んだものの、それを跳ね除けて活躍されている姿に拍手を送りたいです。  「人生のへそは逗子にあり」に登場する畠中さんは、私の長年の知人でもあります。診断により宣告を受けた時に「これがミッションか」とは、なかなか思えるものではありません。健常者から障がい者の立場に変わったからこそ感じる社会の仕組みの違いに声を挙げ、行動する姿勢に多くの方々が学びを受けています。  右手で左胸あたりを2回叩いて「あなたのことを気にかけていますよ」と示すハンドサインがあります。畠中さんらが考えたハンドサインで、逗子から広めていきたいと考えています。共に理解し合える社会、誰にとっても暮らしやすいまちを目指していきたいと思います。 逗子市長 桐ケ谷 覚 ----------------------------------------------- 市役所への問い合わせは (土)(日)(祝)を除く8:30〜17:00 〒249-8686 逗子市逗子5丁目2番16号 【電話】046-873-1111 【ファクス】046-873-4520 広報ずし 2025年12月号  No.1006 発行/逗子市経営企画部企画課  毎月1回1日発行 Web版・音声版・点字版・テキスト版もあります。 →11月1日現在の人口 54,868人(男25,590人、女29,278人)、25,010世帯