広報ずし 2025年12月号 NO.1006 2-3面 障がいを知る、理解する 誰もが私らしく 暮らせるまち 12月3日〜9日は障がい者週間です。障がいのある人が地域で暮らし続けるには、周囲の人の理解が欠かせません。誰もがその人らしく生きられるまち、そして社会へ向けて、まずは知ることから始めてみませんか。 【問い合わせ先】障がい福祉課 見えづらくてもできることはある 障がいと共に生きてゆく  逗子や鎌倉でサーフィンを楽しむ西久保涼子さん。10年前に、進行性の目の病気である網膜色素変性症と診断を受けました。現在は視野がトイレットペーパーの芯ほどしかなく、足元の段差などに気付くことができません。  サーフィンをするときは、夫の篤志さんに声のサポートをもらい、遠くの波や障害物を確認しています。二人で視覚障がい者が対象の大会にも参加し、6月の全日本パラサーフィン選手権では見事優勝。11月にはアメリカで開催された世界パラサーフィン選手権へ出場しました。  診断当初は「なぜ私なんだろう」と自分の障がいを受け入れられなかったという西久保さん。もともと趣味だったサーフィンからも一度離れました。しかし障がいのある人や理解ある人との出会いで、前向きになれたそうです。「いずれ見えなくなるかもしれないから、見えるうちにきれいなものを見ておきたい。障がいを理由に挑戦しないのはもったいない。できることは全てやりたいです」。まっすぐ前を見ながら、西久保さんは顔を輝かせて話してくれました。 一人で苦しんだ数年間 困っている人に声をかける勇気を 西久保涼子さん(久木)  診断を受けて数年間、私には価値がないと落ち込んだり、涙が出るほどの怒りを感じたりと、苦しい日々を過ごしました。仕事以外では家に引きこもっていましたが、ある日「このままではいけない。障がいと付き合って、外に出て行こう」と再開したボランティア活動でパラサーフィンに出会い、道が開けました。  工夫やサポートがあればできることは多い。サーフィンもそうですし、大好きなアーティストのライブも友人の誘導のおかげでまた楽しめました。今でも落ち込むときはありますが、家族の助けや相談できる相手がいることが支えになっています。  世の中には、支援が不十分なために外出できていない人もいます。街中で困っている人を見掛けたら声を掛けることが、当たり前にできる優しい社会になればいいなと思っています。 一緒にチャレンジを楽しむ毎日 助け合える世界になれば 西久保篤志さん  妻の応援やサポートを通じて、僕自身も新たなチャレンジができると、一緒に楽しんでいます。パラサーフィンの大会では、義足の人が車椅子を押すなど、障がい者同士で助け合う姿を見掛けます。どんなこともお互い様と改めて実感しました。助けを求めている人がいたら、知らんぷりせず行動するといった、意識や気遣いが広がってほしいです。 【キャプション】 (上)愛犬と散歩。車止めのポールなど障害物があるときは、一緒に歩く家族が声を掛ける (下)市内の有料老人ホームに勤務。注意や工夫をしながら、現在も働き続けている 障がいの種類や症状はさまざま 障がいの種類に応じて、身体障害者手帳・療育手帳 (知的障がい児・者)・精神障害者保健福祉手帳の3種類の手帳の交付を受けられます。市内で手帳を持つ人は、計2,654人、約20人に1人の割合※です。他にも、難病や発達障がいなど、生活のしづらさを抱えている人がいます。 ※2025年10月1日現在 身体障がい 肢体不自由や内部機能障がい、視覚・聴覚障がいなど、身体機能の障がいです。 知的障がい 生まれつきや発達期に現れた知的機能の遅れのため、日常生活に支障が生じます。 精神障がい 脳機能の変化が原因で、うつ病や統合失調症、気分障害など、精神や身体に症状がみられます。 共に暮らすまち・社会を目指して 周囲の人の気遣いや配慮で、障がいのある人の困りごとは解消できることがあります。障害者差別解消法では、事業者に対し、障がいのある人への「合理的配慮の提供」を義務付けています。補助犬の同伴の受け入れや、障害物を移動し車椅子を通りやすくすることなども、合理的配慮にあたります。