広報ずし 2025年6月号 NO.1000 6面 逗子が目指す新しい地域医療 現状の課題を整理し、今後、市が目指していく新しい地域医療の方針を策定します。 社会環境や医療技術、市民のニーズに合わせた 新しい地域医療への方針転換  社会環境や医療技術の変化により、在宅や診療所での高度な医療提供が可能になりました。病院や診療所の連携も進んでいます。  一方、市では総合的病院の誘致に長い期間取り組んできました。しかし現在、設置される可能性が高いとは言い難い状況にあります。また 総合的病院誘致を優先していたため、市として地域医療という視点での検討を行えていませんでした。  こうしたことから、地域医療に対する市民のニーズや課題に向き合い、目指す姿や解決していくべき課題を関係者や市民と共有するための方針案を作成しました。課題の中には解決の糸口が見えていないものや、行政だけでは解決できないものもあります。皆さんの意見をいただきながら、安心して暮らしていける逗子の地域医療に向けて取り組んでまいります。 【キャプション】桐ケ谷市長 総合的病院誘致について 市では、集中的に医療の介入が必要な急性期の治療に対応できる、総合的病院の誘致に取り組んできました。1984年から誘致計画を立ち上げては断念してきましたが、40年で変化した社会環境や病院の役割分担を踏まえると、実現は難しい状況になっています。 @社会構造の変化 出生数の低下が続き、人口は減少傾向にあります。就業者が減少する中、新たに総合的病院を開設し継続していくための医療職種の人材確保は困難 です。 全国出生数の推移 A希望する病床の設置が困難 総合的病院の開設にあたって機能に応じた病床の割り当てが必要です。本市が含まれる医療圏での高度急性期・急性期の合計病床数は、県が定める必要病床数を超えており、設置が見込めません。 横須賀・三浦二次医療圏における病床の状況(単位:床) 高度急性期 急性期 回復期 慢性期 令和5年の病床数 1,511 1,748 932 1,000 令和7年の必要病床数 780 2,210 1,913 1,227 差し引き病床数 731 ▲462 ▲981 ▲227 ※県ホームページ・令和6年度第1回三浦半島地区保健医療福祉推進会議資料より作成