広報ずし 2025年6月号 NO.1000 2面 暮らしに寄り添う 地域医療の 今とこれから 地域の医療を上手に利用しながら暮らしている人がいます。今月は、地域にどのような医療があるのか紹介します。【問い合わせ先】国保健康課 自宅でひとり暮らしを続けたい 本人の願いを支える医療サポート 原田 涼さん  お茶の教室を開くなど忙しい日々を過ごしていた原田さん。その体に異変が起こったのは、3年ほど前。突然視界が真っ白になり動けなくなる症状が現れ始めました。その回数が徐々に増えていくことに不安を覚え、地域の診療所を受診。主治医から紹介された病院で、心不全と診断されました。入院治療により症状は落ち着いたものの、退院後も継続して医師の診察を受ける必要がありました。しかし原田さんは膝の痛みなどがあるため、自力での通院は困難。それでも「自宅で過ごしたい」と自由で自立した生活を望み、現在もひとり暮らしを続けています。  そんな原田さんの生活を支えるのが、定期的に自宅を訪れる地域の医療従事者です。週に数回、曜日を変えて訪問し診療やリハビリを行うことで、体調の変化を素早く発見できる体制を整えています。「皆さんが来たときには、短い時間でもおしゃべりをしています。たわいない話がほとんどですが、とても気分が晴れます」。  約50年前に逗子へ移り住み、家の客間で茶道の教室を開いていた原田さん。「ここで家族やお茶の仲間と何十年も楽しんできたから、この家で最期を迎えたい。病院に行けなくても、こうして定期的に診てもらえるので安心して過ごせています。医療従事者の方々の丁寧な対応に感謝ばかりです」と話します。多岐にわたる医療体制が原田さんの日々の暮らしを支えています。 【キャプション】観葉植物や花への水やりが日課。「主治医や薬剤師の方もお花が大好き。きれいに花が咲いたらお見せしています」