広報ずし 2024年4月号 NO.986 24面 連載市民インタビュー 人生のへそは逗子にあり 身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。 長柄桜山古墳をまもる会 会長 野 八十一 さん(桜山)  国指定史跡長柄桜山古墳群を守り、その価値について理解を深める活動をしている長柄桜山古墳をまもる会(以下、まもる会)。8年前から会長を務めているのが野さんだ。 驚きと興奮から始めた古墳の活動  50年前、子どもの誕生をきっかけに海と山に囲まれた逗子へ引っ越してきた野さん。しばらくは、逗子は寝に帰るだけのいわゆる「逗子都民」だったが、転機となったのは定年も近くなった1999年。新聞を読んでいると「謎の古墳現わる」の文字が目に飛び込んできた。「自宅のすぐ近くに、まさか古墳があるなんてと驚いた」と振り返る。  古墳発見者の故東家洋之助さんが、古墳を見守るパトロール活動をすぐに始め、それを母体にまもる会が立ち上がると、野さんも発足メンバーに。東家さんと一緒に歩きながら、一から古墳や古代史の知識を身に付けた。 ガイドで伝える、いにしえのロマン  主な活動は、古墳を見守るパトロールやガイドだ。逗子市、葉山町内の小中学校の児童・生徒に対して古墳を案内するほか、依頼があれば一般向けにガイドをすることも。「全国に多くの古墳がありますが、市民グループが主体的に活動している古墳は珍しいと、よく言われます」  案内の最後にはいつも、「将来、ぜひガイドになってください」と呼び掛ける。「一昨年、この言葉を覚えてくれていた大学生がまもる会に入会してくれました。こんなにうれしいことはありません」と声を弾ませる。 地域の歴史資産を次世代へ  古墳への理解を深めるには学びも大切と、大学教授を招き市民向けに講演会をしたり、もう少し気楽にと古代史サロンを開催したりもしている。第1号墳の整備が終わる今春は、改めて古墳の魅力を伝えようと「古墳大見学会」を予定する。  「県内最大の規模を誇る長柄桜山古墳群。まずは、この貴重な古墳が身近な場所にあるということを、ぜひ多くの人に知ってほしいです。地域の歴史と文化が将来にわたって継承されていくことを願っています」 *イベント案内を「みんなの広場」に掲載 市長だより vol. 61 現場第一主義  逗子市は今年、市制施行70周年を迎えますが、これには先人たちのドラマがあります。昭和18年、逗子町は住民の意思を問われないまま横須賀市に強制合併され、「横須賀市逗子町」になりました。戦後、分離独立の住民運動が起きたものの、時期尚早と頓挫。昭和23年、地方自治法の改正により、戦時中に合併させられた市町村は住民の意思で独立できることになると、独立が許された期限まであと9か月のところで、町の若者たちが立ち上がりました。結果、県議会にて僅差で可決され、昭和25年に横須賀市から独立し、昭和29年に市制に移行します。  市制施行は県内19市の中でも9番目と早く、当時の人口は約37,800人でした。その後、昭和40年代に住宅地が開発され、昭和50年頃には今の逗子のまちなみが形成されて、住宅のまちとして発展します。現在の人口は、当時の約1.5倍、約56,000人となっています。  逗子市は住宅のまちとして、今後も「選ばれるまち」を目指していきます。逗子で子育てしたい、住み続けたいと思っていただけるよう、皆さまと一緒に誇れるまちをつくっていきたいと思います。一年間、さまざまな企画で市制70周年を祝いながら、「ずし愛」を盛り上げていきましょう。 逗子市長 桐ヶ谷 覚 市役所への問い合わせは (土)(日)(祝)を除く8:30〜17:00 〒249-8686 逗子市逗子5丁目2番16号 【電話】046-873-1111 【ファクス】046-873-4520 広報ずし 2024年4月号  No. 986 発行/逗子市経営企画部企画課  毎月1回1日発行。 Web版・音声版・点字版もあります。 ▼3月1日現在の人口 55,864人(男26,065人、女29,799人)、25,075世帯