広報ずし 2024年6月号 NO.988 24面 連載市民インタビュー 人生のへそは逗子にあり 身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。 防災は前向きプラス思考で 池子小学校地区避難所運営委員会 会長 池子区会 副区長・防災理事 金松 貴子 さん(池子)  震災時、市立小・中学校に開設される指定避難所。平時より開設や運営に備えての訓練、減災の啓発活動を行うのが各小学校地区にある避難所運営委員会だ。金松さんは、池子小学校地区の会長を務める。 現在につながる、さまざまな経験  兵庫県芦屋市出身。高知大学・大学院で地質学を学び、1964年の新潟地震を起こした海底活断層の調査・研究を行った。1995年の阪神・淡路大震災では、実家が倒壊するという経験も。その後、法面工事を専門とする建設会社に勤務し、設計を担当。現場を回る忙しい日々だったが、結婚を機に退職し逗子に移住。第一運動公園弓道場で高校から続けてきた弓道を続け、現在も稽古に励んでいる。  その弓道仲間からの要望で、12年前に池子区会の防災理事に。その後、避難所運営委員会の事務局長も2年間務め、避難所開設のためのマニュアル作成などに奔走した。一旦は離れたものの、会長の担い手が決まらず困った同会が金松さんに相談。「何でも楽しむ前向きな性格。お願いされると、できることがあればと受け入れてしまう」と笑いながら今年も引き受け、会長3年目を迎える。 多くの人と共有したい避難所運営  年1回の避難所運営訓練。今年度は情報伝達訓練に力を入れたいと言う。「地域の中での安否確認の方法、関係各所との無線連絡など、正しい情報を素早く伝達できるよう住民自治協議会とも連携して行いたい」  また、避難所運営委員会のメンバーは、通常1年任期。毎年人を立てる大変さはあるが、よりたくさんの人に自分の地区の避難所運営について知ってもらえるのが利点と捉える。「皆で知恵を出し合いたい」と、持ち前のプラス思考で話す。 「天災は忘れた頃にやってくる」  高知にゆかりがある、物理学者で文学者の寺田寅彦が残した有名な言葉だ。「地震には周期性があります。過去に起きた震災を忘れず、明日揺れてもおかしくないという気構えを。体も心も元気なうちに備え、いざというときの不安を一つでもなくしていきましょう」と呼び掛ける。 市長だより vol. 63 現場第一主義  今月の特集は防災についてです。私も4月12・13日に、能登半島地震の被災地に行きました。能登町・輪島市・珠洲市を視察しましたが、お会いできた能登町長・珠洲市長に、発災から避難所開設、そして続く避難支援の課題等についてお聞きすることができました。  珠洲市長の話から、地域の防災活動がいかに大切かを教わりました。津波も心配される珠洲市のとある地区では以前から避難訓練等が活発に行われており、今回の震災では1人の死者も出さなかったとのこと。発災直後、地域住民はすぐに避難所に集合し安否確認。すると住職がいないのが分かり、お寺に行って無事に救出したそうです。地域の連帯と安否確認がすぐさま実施できることの重要性を実感しました。  昨年11月、久木小学校区住民自治協議会の防災訓練では、黄色いタオルを玄関先に掲げる安否確認、スマートフォンを活用した安否や必要物資の情報連絡の訓練を行いました。こうした共助の訓練も大変に重要なことだと再認識しました。これからの防災訓練に生かしていきたいと思います。 逗子市長 桐ヶ谷 覚 市役所への問い合わせは (土)(日)(祝)を除く8:30〜17:00 〒249-8686 逗子市逗子5丁目2番16号 【電話】046-873-1111 【ファクス】046-873-4520 広報ずし 2024年6月号  No. 988 発行/逗子市経営企画部企画課  毎月1回1日発行。 Web版・音声版・点字版もあります。 ▼5月1日現在の人口 55,693人(男25,990人、女29,703人)、25,091世帯