広報ずし 2024年1月号 NO.983 3面 海を守り、つなげていくために 市民、民間事業者、行政、それぞれの立場で、連携しながら進めている取り組みを紹介します。 参加 海とまちが近い逗子だからできる磯焼け対策「ウニ拾い」 1年を通してボランティア団体「735style」が、また春から夏にかけて逗子マリン連盟が行っている、磯焼け対策のウニ拾いイベント。毎回、市内外を問わず多くの人が参加しています。「ウニを適正な数に減らせば藻場が戻る」と、協力する県水産技術センターの職員も話します。豊かな環境を守るためにも、一度参加してみませんか。今年の予定は、時期が近くなったら各団体のSNSなどで確認を。 *許可のない採取や駆除は、漁業権の侵害になる可能性があります。 参加 ワッショイ!ずしかいがん 海で働く人々 海を豊かにする山、森、川、まちを考える講座です。 【日時】1月27日(土)15:00〜17:00 【場所】市役所会議室 【定員】先着40人 【申込】【問い合わせ先】1月5日以降、電話・申込フォームで、逗子市観光協会へ 学ぶ 海藻の養殖で藻場を再生 (株)リビエラリゾートは県と連携して、通常より生育期間が短い早熟カジメを育てています。また、高幸建設(株)は、藻場再生を持続可能なビジネスモデルとすることを目指し、地元漁協やマリーナ事業者の協力のもと、カジメの海中移植を目標に陸上養殖に取り組んでいます。 学ぶ 三浦半島の取り組み 逗子市など三浦半島の4市1町と日本テレビが連携し、ブルーカーボンの取り組みを検討しています。 日本テレビ関連番組「ウミコイ −今 海に出来ること−」 【日時】毎週(水)21:54〜22:00 学ぶ 始めよう!カーボンニュートラル ブルーカーボンへの取り組みのほか、カーボンニュートラルに関する情報を市ホームページに掲載しています。 専門家の視点から 地球環境戦略研究機関(IGES) 金 振さん 海と山はつながっている カーボンニュートラルに向けて  「森は海の恋人」という言葉を耳にしたことがありませんか。森林と豊かな日本近海の密接な関係を表現した言葉です。山々が立派にそびえ立っている理由は、森林が保護膜となり砂漠化を防いでいるからです。海も緑を失えば砂漠化現象が起きます。磯焼けがその始まりです。  雨が降るたびに、山から有機物が海に流れ、プランクトンや小魚のごちそうになります。そして魚たちは森にいるさまざまな鳥類や生き物のごちそうになります。また、貝類の殻は波に流され、砂浜の原料になって、潮流から国土を守る緩衝材としての役割を果たします。さらに、海底に沈み長い年月を経て石灰岩となり、やがて地盤の一部になる貝殻もあります。  森と海は互いに支え合いながら、生物多様性だけではなく、国土そのものを守っているわけです。「自然は一つ、そして命がある」こと。まずは自然との共生を理解し、未来を守るための一歩を踏み出しましょう。