広報ずし 2024年1月号 NO.983 2面 ブルーカーボン BLUE CARBON 自分たちの海は自分たちで守り、未来へつなげていく 二酸化炭素など温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としたカーボンニュートラル。もちろん排出量を減らす努力も大切ですが、二酸化炭素などを吸収する自然環境を守ることも必要です。 今月は、私たちに身近な海のカーボンニュートラルについて考えてみませんか。 【問い合わせ先】環境都市課 小坪沖(水中ドローンで9月に撮影) 藻場が茂っていた頃 写真提供:長島敏春さん 海にも“森”がある  地上では、植物が大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出していますが、同じように海の中でも光合成が行われています。ワカメやコンブ、カジメなどの海藻、アマモなどの海草は、二酸化炭素を吸収し、酸素を出しながら炭素を蓄えて成長しているのです。  これらの海藻などが取り込む炭素は、森林のグリーンカーボンに対し、海の青さにちなみ「ブルーカーボン」と呼ばれています。海の“森”として藻場を再生させることで、海藻などが吸収する二酸化炭素を増やし、温暖化対策へとつなげるブルーカーボンの取り組みが近年、注目されています。 豊かな海を取り戻す  藻場の海藻などがなくなる「磯焼け」は全国的に問題になっていて、原因は海水温の上昇、ウニや魚による食害などと考えられています。逗子も例外でなく、以前は多く見られたアカモクやヒジキなどが、今ではほとんど生えていません。  磯焼け対策として、市内ではウニ拾いが積極的に行われているほか、民間事業者や小坪漁業協同組合によるカジメの育成など藻場再生の取り組みが始まっています。カーボンニュートラルを達成するためには、グリーンカーボンに加え、海に面したまちとして、こうしたブルーカーボンの取り組みを広げていくことも大切です。 CO2 海水に二酸化炭素が溶け込む O2 光合成 C 枯死した海藻などが海底に積もり炭素を貯める 参考資料:国土交通省ホームページ“ブルーカーボンとは”