第1回 「コミュニティ・ビジネス」って何?
第2回 コミュニティ・ビジネスの具体例(その1)
第3回 コミュニティ・ビジネスの具体例(その2)
第4回 コミュニティ・ビジネスを始めてみよう!
第5回 コミュニティ・ビジネスは市民が育てる第6回 コミュニティ・ビジネス プラン発表会
第7回 コミュニティ・ビジネスの組織形態について
第8回 市民で育てるコミュニティ・ビジネス いよいよスタート!
(知りたがり屋のカーくんが、物知りなハカセを訪ねました)
カーくん 最近「コミュニティ・ビジネス」という言葉をよく聞くけど、一体何なの?
ハカセ 「コミュニティ・ビジネス」という言葉は「住民主体の地域密着のビジネス」ということだよ。
カーくん 何だか難しそうだな。
ハカセ そんなことはないよ。地域の中には様々な問題や課題があるよね。例えば、高齢者がもっといきいきと生活できるようになると良いなっていう問題があるとするね。それを解決していこうというところから、コミュニティ・ビジネスは生まれるんだ。
カーくん へーえ、そうなんだ。でも、ビジネスって言うからには、生計を立てられるものじゃないと困るな。
ハカセ もちろん、ビジネスという以上は、利益を追求してお金を儲けることを考えるのは必要だね。でも、単純にお金を儲けるだけではなくて、ビジネスでありながら、地域の問題解決にもつながるようなことはできないか、そういった問題意識から生まれてくるのが「コミュニティ・ビジネス」なんだよ。
別の言い方をすると、自分の住んでいる地域の中で、適正規模・適正利益のビジネスを展開していく。その中で事業者自身がやりがいを持ちつつ、ビジネスとしても成功していく。さらに、それが地域の問題解決にもつながっていくというのが、コミュニティ・ビジネスの理想像だよ。
カーくん 何だか面白そうだね。コミュニティ・ビジネスに対する関心が湧いてきたよ。
(参考文献:細内信孝編著『地域を元気にするコミュニティ・ビジネス』、ぎょうせい、2001年)
ハカセ 前回、コミュニティ・ビジネスについて少し話をしたけど、覚えているかな。
カーくん 確か「住民主体の地域密着のビジネス」のことを言うんだったよね。
ハカセ その通り!今日は、その具体例について話をするね。コミュニティ・ビジネスには、どんなものがあると思う?
カーくん う〜ん、わからない!
ハカセ 確かに、コミュニティ・ビジネスって言われても、具体的にはどういうものなのか、よくわからないよね。そこで今日は、逗子市でも参考になると思われる、東京都足立区の「株式会社アモールトーワ」を紹介するよ。
カーくん そこはどんな会社なの?
ハカセ 「アモールトーワ」は、JR亀有駅のそばにある東和銀座商店街が中心になって設立した会社なんだ。この駅前商店街では、店舗の閉店が相次ぎ「このままではいつか商店街が無くなってしまう」と商店主たちが危機感を感じたんだね。そこで、40人の商店主が共同で出資して株式会社を立ち上げ、新たな地域サービスに取り組み、商店街の復活を図ることにしたんだ。
カーくん どんなサービスに取り組んだのかな?
ハカセ そこが今日のポイントだよ!
「今、地域の人たちはどんなサービスを求めているのだろうか」その声に耳を澄ませるところから、ビジネスを展開していったんだね。具体的には、高齢者への弁当宅配事業を、まず始めたんだ。地域の高齢者は、昼間は一人きりになることが多くて、弁当の宅配が求められていたんだよ。でも、この地域には、採算がとれないことを理由に、弁当宅配サービスを行う企業がなかったんだ。アモールトーワの人たちは、利益の問題よりも、地域の高齢者が困っていることを重視して、サービスの担い手になることにしたんだよ。その後も「こんなサービスがあったらいいな」という地域の声に応えて、新しいコミュニティ・ビジネスを展開していって、成功を収めていったんだ。
カーくん すごい!困っている地域の人の声に応えてビジネスをしていくって、すごく素敵だな。
ハカセ そうだね。アモールトーワでは、ほかにも「商店街の中に魚屋さんがない」という声に応えて、直営の魚屋さんを出店したり、地元の総合病院になかった売店とレストランを出店したりと、地域密着型のビジネスに次々と乗り出したんだよ。
こういうビジネスのあり方は、逗子市でも十分成り立ちうるんじゃないかな?コミュニティ・ビジネスを始める時は、地域の声に応えていくことが成功の秘訣だね。
カーくん ハカセの話を聞いて、何だか、僕もコミュニティ・ビジネスを始めたくなってきたな。
カーくん 前回はコミュニティ・ビジネスの具体例として「商店街の店主たちが地域に欠けているサービスを補い成功を収めた」という話をしてくれたね。ほかにはどんな事例があるの?
ハカセ そうだね。「地域資源を活用する」という視点で、興味深いビジネスの具体例を紹介するよ。
カーくん どんなのがあるのか楽しみだな。
ハカセ まずは、徳島県上勝町の第3セクター『いろどり』を紹介しよう。『いろどり』は、料理に添える紅葉や柿の葉などの「つまもの」を扱う企業で、全国で使用されている「つまもの」の約8割を生産しているんだ。
生産していると言っても、庭や畑、山の木の葉を摘んでパックに詰めるだけなんだよ。この「つまもの」作りに従事している人は、100軒ほどの農家の人で、60歳代から70歳代が中心。木の葉を摘んで集めるのは、高齢者でも十分できる仕事なんだ。そして『いろどり』は、年商2億円を超える優良企業に成長していったんだ。
上勝町は高齢化率が高く、目立った産業がない町だったんだけど、地元にある自然を生かしてビジネスを展開し、町に活気を取り戻したんだよ。
カーくん 葉っぱがお金になるなんて、何だかすごいね。
ハカセ そうだね。ふだん何気なく見ているものが、資源として有効活用できるってことだよ。しかも、お金になるだけではなくて、高齢者の生きがいを作ったという点でも素晴らしいと思う。
次は、あるカフェの事例を紹介するよ。
カーくん へーえ、どんな話なの?
ハカセ それはね、住む人がいない古民家を借りて、コミュニティのスペースになるようなカフェを作ったんだ。古民家というのは、住む人がいないと、地域に眠ったままになってしまうよね。その古民家をうまく活用して、ビジネスを始めたんだ。
カーくん 「地域に眠っている資源を活用する」っていう視点がいいね。
ハカセ そうだね。しかも、このカフェが営業している地域では、高齢者が憩うことのできるスペースがあまり無いっていう課題があったんだ。そこで、古民家を活用しながら、地域の高齢者が気軽に立ち寄れるカフェを作って「コミュニティ・スペースの不足」という地域の課題も解決しようとしているんだよ。
カーくん すごい、これも地域の課題とビジネスとがうまくマッチしている。
ハカセ そうだね。地域の課題に応えること、そして地域に眠っている資源・人材を有効活用すること。これがコミュニティ・ビジネスを成功させる秘訣だね。
逗子でも、これらの事例をヒントに何かできるんじゃないかな。
カーくん 何かできそうだな。うん!考えてみるよ。
カーくん これまで3回にわたって、ハカセの話を聞いているうちに、僕もコミュニティ・ビジネスを始めたくなったけれど、どのようにして始めたらいいか教えてよ。
ハカセ OK! 今日は具体的に説明するよ。ところで、カーくんは、どんなコミュニティ・ビジネスをしてみたいの?
カーくん 実は、何かしたい気持ちはあるんだけれど、何をしたらいいかわからないんだ。
ハカセ そうか、それは困ったね。コミュニティ・ビジネスって何だったか、もう一度考えてみようか。
カーくん 地域の課題を、地域の人が、ビジネスの手法を通じて解決していくことだっけ?
ハカセ そのとおり。でも、頭ではわかっても、実際に何をするかは難しいものだよね。第2回と第3回で話したけれど、まずは「地域の課題」に耳を傾けて、ビジネスを行っていくということが、コミュニティ・ビジネス成功の秘訣だね。その際、自分が取り組めそうな「地域の課題」は何か、身の丈で考えていくことがとても大切だね。
カーくん なるほど。でも「地域の課題」って、どうすれば見つかるのかな。
ハカセ 確かに、仕事や家事・育児で忙しくて、地域のことがよくわからないってことはあると思う。「地域の課題」を知るためには、積極的に地域に溶け込んでいくことが必要じゃないかな。近所の活動やイベントに参加してみるとか、PTAなどに参加してみることから始めたらどうだろう。まち歩きなんかは、楽しみながら、地域課題の発見につながるよ。
カーくん よし、そこから始めてみるよ。
ハカセ ほかには、地域に眠る資源を探して、地域の良いところや、自分の好きなところを活かすという方法もあるね。前回、地域に眠る資源として、木の葉や古民家の事例を紹介したので、それを参考に逗子で何かできることはないかな。
もう一つの方法として「自分がしたいことから探す」という方法があるよ。やっぱり、何かビジネスをする以上は、まず「自分がしたい」と思えることが大切だね。「自分が本当にしたい」と思えることでなければ、長続きしないし、ビジネスとしていくことは難しいね。むしろ「自分の好きなこと、得意なこと」から出発して、それを活かして「地域の課題の解決」に貢献できることは何か、探してみるのもいいんじゃないかな。
カーくん わかった。ハカセのアドバイスを参考にして、見つけてみるよ。
(参考文献:『コミュニティビジネス創業マニュアル』、関東経済産業局、2004年)
カーくん 前回のハカセのアドバイスを聞いて、コミュニティ・ビジネスのプランを少し考えてみたんだ。
ハカセ おっ、すごい。がんばったな。
カーくん それで、とりあえず事業としてやってみたいんだけど、実はちょっと困ってることがあるんだよ。
ハカセ それはどんなことかな?
カーくん まずは、お金の問題。プランが出来上がったのはいいけれど、資金が足りないんだ。
それと人手の問題だよ。事業をひとりで始めるのは難しくて、一緒にやる仲間がほしいんだ。
ハカセ どんな事業でも、お金と人手の問題は、共通した課題だね。でもコミュニティ・ビジネスの場合は、もっと根本的な問題があるんだよ。それは、コミュニティ・ビジネスという考え方自体がまだまだ馴染みがないから、まずは信用を得ることが大変だっていうことだよ。既に始めた人たちの間でも、よく言われているんだ。
カーくん まだまだ、コミュニティ・ビジネスは知られていないってことだね。
ハカセ そうだね。実際の起業支援には、金融機関が行う場合も含めて、信頼性や将来性が大きなポイントになるんだ。つまり、儲かるかどうかっていうことだね。
この点、コミュニティ・ビジネスは、事業の意義や社会性に大きな比重が置かれているから、効率的に儲かるかどうかだけで判断されると、難しいね。
カーくん それに、僕みたいに知識やノウハウを特に持っていない人も多いだろうし。
ハカセ だから、コミュニティ・ビジネスの起業支援は、従来の方法だけでは不十分ってことが多いんだね。
カーくん そうすると、どうしたら良いのかな。
ハカセ 市民同士でコミュニティ・ビジネスを育て、支援する仕組みがあると最高なんだ。そういった組織のことを、中間支援機関って言うんだけど、市内には今、そういったものがないんだよ(※注1)。だから市役所で起業講座を開いたり、情報提供したりしているけれど、本当に必要な知識やノウハウは市民の中に埋もれているものなんだ。こういった人たちとコミュニティ・ビジネスの考えを共有して助け合えるのが理想さ。将来的には、コンサルティングや会計、法律の知識などを持った人たちも集まって、そうした組織ができるとすばらしいな。起業仲間もそこで見つけられるようになるだろうし。
カーくん でも今は、中間支援機関はないんでしょ。誰か、仲間づくりに手を貸してくれないかなあ…
ハカセ そうだね、ビジネスプランをいろいろな人に知ってもらうことが大事だね。実は逗子市で「コミュニティ・ビジネスプラン発表会」が開かれるんだ。当日は、市民や金融機関の人の前で、ビジネスプランを発表してPRできるんだ。
カーくん ホント?まさに市民が支え、育てるコミュニティ・ビジネスだね。
ハカセ そのとおり。
カーくん うん、ぜひ参加してみるよ。(※注1)2005年(平成17年)12月に、中間支援機関が誕生しました。
(今日は、コミュニティ・ビジネスに関心を持っているズッくんが訪ねてきました)
ズッくん まだ、自分のビジネスプランを持っていないけれど、何かコミュニティ・ビジネスに関わりたいんだ。大丈夫かな。
カーくん もちろん! 君みたいな人を待っていたんだ。
ハカセ 前回言ったとおり、コミュニティ・ビジネスを始めるのに、みんないろいろなことで困っているんだ。だから、ズッくんのような人は大歓迎だね。
カーくん ぜひ、僕と一緒にやろうよ!
ハカセ ちょっと待った!コミュニティ・ビジネスへの関わり方について、一度整理してみようか。コミュニティ・ビジネスへの関わり方には、大きく4種類があるんだ。(1)サポーター、(2)パートナー、(3)パトロン、(4)消費者、利用者。
(1)のサポーターというのは、起業した人の相談に乗ったり、何かちょっとしたことを手伝ったりする、いわば、応援団のような人のことだよ。
ズッくん どんな人がサポーターになれるのかな。
ハカセ 誰でもサポーターになれるよ。何かを始めようとするときに、一人だと大変な時もあるよね。そんな時に応援団が必要なんだ。その際、ビジネスプランに共感できることが大切だね。もし自分に技術的な蓄えや専門知識があるようなら、それもぜひ役立ててほしいね。
カーくん サポーターがいると心強いな。
ハカセ 次は(2)パートナー(経営参加者)。パートナーは、サポーターから一歩進んで、一緒に経営していく人のことだよ。
ズッくん パートナーは、たくさんいればいるほどいいの?
ハカセ 難しい質問だね。一般的には、志を同じくする人が2〜3人いるのが良いと言われているんだ。パートナーがたくさんいると、意見が分かれてしまったり、ビジネスのめざす方向が違ってきたりして、うまくいかなくなる可能性もあるんだ。
続いて(3)パトロン(出資、寄付をしてくれる人)という関わり方もあるんだ。コミュニティ・ビジネスのプランを持っている人が起業するに当たって直面する問題には、資金が足りないことや、起業するための場所がないってことが多いんだよ。そこで、自分は経営に直接参加するわけじゃないけれど、資金面での援助をしたり、場所の提供をしたりするという関わり方もあるんだ。
ズッくん でも、僕みたいに、そんなにお金や財産を持っていないという人が多いと思うけど。
ハカセ 確かに、出資してくれる人、融資してくれる人と言うと、真っ先に銀行やたくさんの資金を持っている人を思い浮かべるかもしれないね。
でも、コミュニティ・ビジネスの場合は、もっと簡易な市民債のようなものでも、起業家を援助していくことができるんだよ。
ズッくん 市民債って、何?
ハカセ 市民債とは、開業するに当たっての資金を、市民から募るというものなんだ。例えば、パン屋さんを開店するという事例で考えてみよう。
市民から一口5万円で4年償還というパン債を募り、利息は年4回パンで支払いますという形態をとることができる。これが市民債の一例だよ。パン債は、資金の調達と同時に自分のパンのファンを作ることができるという、一石二鳥の素晴らしいアイディアだね。
ズッくん なるほど、そんなに大金を投じなくても、パトロンとして支援していくことができるんだね。
カーくん そうすると、元手が足りなくても工夫次第で事業が始められるかも知れないね。
ハカセ そうだよ。最後に、 (4)消費者、利用者について説明しよう。これまで説明したサポーター、パートナー、パトロンは、確かに重要な存在なんだけれど、そこまで積極的に関わるのは難しいという人も多いと思う。
そこで、地域の活性化のために、逗子市内のコミュニティ・ビジネスを積極的に利用して、提供商品やサービスを活用したり消費したりしていくことも重要なんだ。
ズッくん なるほど、毎日の生活の中で、コミュニティ・ビジネスを支援していくことができるってことだね。
ハカセ そのとおり! コミュニティ・ビジネスは「まちに役立つ仕事」であり「まちを元気にする仕事」だから、それを支援していくことも、まちにとって、本当に意義あることなんだ。
ズッくん 僕も、今の4つのうち自分のできることから始めて、コミュニティ・ビジネスに関わっていくことにするよ。
ハカセ その手始めとして、2月27日(日)に市役所で開催される「コミュニティ・ビジネスプラン発表会」に参加してみては、どうかな?いろいろな人のビジネスプランを聞くことができるよ。
ズッくん うん、参加してみるよ!
カーくん 「コミュニティ・ビジネス」というのは「住民主体の地域密着のビジネス」のことだよね。
ハカセ そのとおり。
カーくん そこで、ハカセに質問があるんだけど、コミュニティ・ビジネスを始めるときは、会社形態でなくてはいけないの?
ハカセ 会社に限られるというわけではないよ。今日は、コミュニティ・ビジネスの組織形態について説明するね。
これには、大きく(1)個人事業、(2)NPO法人、(3)株式会社・有限会社の3つがあるんだ。
カーくん へえ、個人事業でもいいんだね、知らなかった。NPO法人も聞いたことはあるけど、よくわからいな。
ハカセ それでは順番に説明していくよ。
(1)個人事業は、法的な設立手続きをする必要がなく、始めやすく運営もしやすいものだよ。「起業の際に法で定められた資本金額が必要」といった条件もないんだ。
でも、社会的信用が低く、出資や会員を募るのが法人に比べると困難であること、契約の際は個人保証・個人契約となること、責任範囲は個人の無制限責任になることなどのデメリットもあるよ。
カーくん なるほど、起業の際には便利だけど、責任が重いので、事業を長期にわたって展開していく場合は大変なんだね。
ハカセ だから、最初は個人事業の形態で起業して、実績があがってきた後に法人化をめざすというのも良い方法かもしれないね。
カーくん それでは、 (2)NPO法人は?
ハカセ 非営利法人(non profit organization)のことだよ。地域の課題などを解決する主体として、よく耳にするね。
非営利という言葉の意味をボランティア、無償と誤解したとらえ方をされることが多いけれど、NPO法人は次の要素を除けば、営利企業と大きな差はないんだ。
・活動分野が福祉、社会教育、まちづくりなどの17分野に限定されている
・収入から支出を差し引いた残金を配当として分配しない
・不特定多数の利益のために活動し、特定の個人、団体の利益のために活動しない
・政治、宗教などに関わる活動は行わない
カーくん それでは、NPO法人のメリット、デメリットって、どんなこと?
ハカセ メリットは、
・「起業の際に法で定められた資本金額が必要」といった条件がないこと
・活動内容により減免申請などの優遇措置が受けられること
・会員募集、補助金・助成金の申請、寄付などの資金調達がやりやすい
といったことがあるね。
一方、デメリットとしては、設立手続きがやや煩雑であるといったことがあるんだ。
カーくん なるほど。そうすると、NPO法人はいろいろと便利だし、コミュニティ・ビジネスにも向いているんだね。
ハカセ そのとおり。そして、NPO法人の中には、事業者本人は気付いていないけれど、実は結果としてコミュニティ・ビジネスになっていることもあるんだ。でも、事業基盤が弱いケースが多いから、その強化が必要になってくるんだよ。
最後に、(3)株式会社・有限会社について。メリットとしては、社会的信用力が高い、金融機関などからの資金調達が容易になるといったことがあるよ。でも、利益を優先するイメージからコミュニティの中で活動する際は若干マイナスのイメージがつく場合もあるんだ。
カーくん それぞれ、メリットとデメリットがあるんだね。自分が起業する際に、どれが最もふさわしいのか見極めなくっちゃ。
(参考文献:『コミュニティ・ビジネス創業マニュアル』関東経済産業局、2004年)
第8回 市民で育てるコミュニティ・ビジネス いよいよスタート!
カーくん 2005年2月27日(日)に逗子市役所で開催された「コミュニティ・ビジネスプラン発表会」にハカセと一緒に行って来たよ。来場者が70人ほどいて、盛況だったね。
ハカセ そうだね。4つの金融機関からも協力が得られていたよ。ありがたいことだね。
ズッくん ぼくは参加できなかったんだ。プラン発表会は、コミュニティ・ビジネスを市民で支え、育てるために、起業(希望)者と市民との「出会いの場」として開催されるって聞いていたけれど、様子はどうだったの?
ハカセ 当日は9つのプランが発表されたんだ。全員のプラン発表が終わった後、参加した市民の人とプラン発表者とが自由にやり取りできる時間があって、みんな時間いっぱい話し込んでいたよ。情報交換をしたり、ネットワークを広げたりしたみたいだね。
カーくん そして、支援や協力の意思がある人は、発表者に名刺を渡したんだ。
ハカセ 私も3人の発表者に名刺を渡したよ。そうしたら、次の日、早速、連絡があった。力を貸してほしいってね。
カーくん 発表者によっては、10枚以上の名刺が集まっていたみたいだよ。
ズッくん それは、素敵なことだね。人と人との思いが目に見える形で伝わったってことだね。
ハカセ そうだね。発表会で得られた支援者やネットワークは、きっと起業に役立つと思うよ。大事に、そして、有意義に活用してもらいたいものだね。
カーくん 市民同士でコミュニティ・ビジネスを育て、支援する仕組みのスタートだね。
ズッくん 僕もこれからコミュニティ・ビジネスを支援していくよ!やはり「市民で育てるコミュニティ・ビジネス」が大切だね。
ところで、次回こそは参加したいんだけど。
ハカセ 今年度も開催するって聞いているよ(※注2)。
(※注2)2006年(平成18年)2月26日に開催されました。
プラン発表会で“逗子のコミュニティ・ビジネス”として認定されたプランの一覧は こちら をご覧ください