市長所信表明(2007年1月)

 平成19年逗子市議会第1回臨時会の開会に当たり、所信を明らかにする機会をいただきましたことに対し、正副議長をはじめ、議員の皆様に厚く御礼申し上げます。
 私は、昨年12月10日執行の逗子市長選挙において、市民の皆様よりご支持をいただき、第8代市長として、今後4年間市政を担当させていただくことになりました。

 大変厳しい財政状況の下での市政運営が予測されますが、市長職の責任の重さを自覚し、市民の皆様の福祉向上のため、微力ながら自らの持てる全ての力を傾注してその任に当たる覚悟でございます。何卒、議員の皆様にはご指導、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

さて、私たちのまち逗子は、かつて57年前、横須賀市からの分離独立を住民投票によって選択しました。また、池子米軍家族住宅建設問題を巡り、幾度もの選挙を通じて、自らの意思を示してきた歴史があります。それは、まさに市民の市民による市民のための政治を実践してきた歴史であり、私は、これまで逗子市を築いてこられた、歴代市長を始めとした先人のご努力に対し、深い敬意を表します。

そして、2007年。私たちは、加速化する少子高齢化により総人口が減少するという、これまでに経験したことのない時代を迎えています。また、夕張市の財政破綻という現実は、身の丈にあった財政規模の中で、市民の意思を的確に反映し、自らの責任において自立的な行政運営を行うことの重要性を私たちに突きつけました。

本市においても、人口の高齢化に伴い税収の増額が見込めない中、今後4年間で総額約25億円の退職金が見込まれるなど、財政は、極めて厳しい状況にあります。

この苦境を乗り越え、将来に希望の持てる社会を実現するためには、行政の徹底した簡素化・効率化と、市民の皆様との協働による自治体経営の新しい仕組みをつくり上げなければなりません。それが私に課せられた使命であります。

そのために私は、次に述べることを基本姿勢として市政運営に当たる所存でございます。

  • 1つ、市民との対話と協働
  • 2つ、まちづくりは人づくり
  • 3つ、長期的な視点に立つ

以上の3点であります。

1 市民との対話と協働

まず第1に、私は、常に市民の皆様との対話と協働を基本として市政を運営してまいります。

厳しい財政状況の中、事業の優先順位を決めるためには、様々な市民の声を聞きながら判断しなければなりません。限られた財源の中での政策選択は、一つの事業を選ぶということが、他のニーズに応えられないことを意味する側面もあり、その時、なぜ選ばないのかをしっかり伝えなければ常に市民に不満と不信が残ります。だからこそ、市民の皆様との対話を大切にして、信頼に基づくまちづくりを進めてまいります。そのために、土曜日にも市政相談を実施する、テーマ別に市民との懇談会を開催するなど、様々な手段を講じてまいります。

また、職員の削減が避けて通れない中、これからは、市民の皆様と協働でまちづくりを進めることが大変重要となります。

地域活動センターでは、既に地元自治会等による市民運営が実施されていますが、特に、本年新たに市民交流センターが設置される文化プラザは、逗子における象徴的な市民協働の存在となるよう力を注いでまいります。

2 まちづくりは人づくり

第2に、私は、「まちづくりは人づくり」との考えに基づき、人材育成に最大限努力いたします。

まちづくりにおいて、人こそが最大の資源です。少数精鋭による質の高い行政組織を実現するため、職員の配置は、短期間での異動を極力避け、しっかりと職務に取り組む体制づくりによって、人材を育成してまいります。

さらに、職員半減化構想に基づいて約300人に達している非常勤職員がいかに能力を発揮できるかが、行政サービスの質を左右する重要な要素となっていることから、非常勤職員の能力を高めるための抜本的な制度改革を早急に検討してまいります。あわせて、簡素かつ効率的な行政機構の見直しを検討してまいります。

3 長期的な視点に立つ

第3に、私は、常に長期的な視点に立ってまちづくりを進めてまいります。

財政状況が厳しい中、事業実施に当たっては、将来どのような効果をもたらし、財政にどのような影響を及ぼすのか、ランニングコストや改修費用など長期的な視点からしっかりと精査することを心がけてまいります。

さらに、市の予算は、単年度主義のため、これまで中長期の財政見通しがなかなか見えないという指摘がされてきました。退職金問題など極めて厳しい財政状況を分析し、できるだけ早い時期に、少なくとも任期4年間について、財政見通しと事業選択を明らかにし、次世代に対して責任ある市政運営を行ってまいりたいと考えております。

また、長期的な視点に立ったまちづくりという意味においては、逗子は、初代の山田市長が下水道事業にいち早く取り組まれ、平成15年度に100パーセント敷設を達成した歴史を持っています。まさに先人の先見の明に敬意を払うとともに、私は、これから50年かけて、逗子をバリアフリーのまちにすることが次なる大きな目標であると考えております。

さて、私は、常に「逗子らしさ」とは何かを問いながら、まちづくりを考えてまいりました。逗子らしさとは、豊かな自然が身近にあり、穏やかな気候の下、人々が質の高い生活を送る「人と自然が共生するまち」であると思います。

そして、私は、この豊かな自然に恵まれた逗子というまちで、人々が支えあい、ひとりひとりが大切にされ、共に生きる幸せを実感できるまちを目指し、皆様のご理解とご支援をいただきながら、次の5項目を重点目標として政策を展開してまいります。

  1. 地域で支えあう心豊かなまち
  2. 子育てしたいまち・逗子
  3. 安心して暮らすことのできる安全なまち
  4. 緑を守り、自然と共生するまち
  5. 新しい市民自治システムの構築

以上について、順を追って説明させていただきます。
まず初めに「1 地域で支えあう心豊かなまち」について

年をとっても、障害があっても、安心して暮らせるまちをつくることは、誰もが住みやすいまちをつくることにつながります。そのためのインフラとして、電線類の地中化やミニバスの拡大、街角ベンチの設置など、バリアフリーのまちづくりを積極的に進めていくとともに、地域の活動拠点として地域活動センターの利用を促進し、活力ある地域づくりを進めてまいります。

そして、特に、障害のある子どもとそのご家族が安心して暮らすことができるよう、療育の充実と地域での自立を図る一貫した支援体制の整備を進めます。

また、高齢者がいつまでも元気で暮らすことができるまちにするため、高齢者の健康増進施策の拡大や生きがいデイサービスを各地域で展開し、地域が支える福祉活動を充実させて、予防医療や介護予防による健康長寿のまちを目指すとともに、子どもたちの健全育成から高齢者の健康増進まで視野に入れたスポーツの振興にも力を入れてまいります。

また、商工会と協力して、商店街の活性化など商工業の振興に努めてまいります。

次に「2 子育てしたいまち・逗子」について

豊かな自然環境の中で、充実した教育が受けられる、子育て環境の整った、子育てしたいまち・逗子を目指してまいります。

少子高齢化が急速に進む逗子にあって、教育と子育ての環境整備は、極めて重要な政策課題であり、若い世代が住みやすいまちをつくることは、将来の安定したまちづくりのために不可欠であります。

そのために、次世代育成支援行動計画を着実に実行し、学童保育の充実や児童館機能を有する施設の整備、ふれあいスクールの整備など、子育て支援の充実を総合的に進めてまいります。

また、将来を担う子どもたちにとって重要な教育については、学校施設の整備を着実に進めながら、学校支援ボランティアの拡充など地域の教育力を生かした、開かれた学校づくりを一層推進するとともに、より充実した学校教育が受けられるよう、少人数指導や、特別支援教育の充実などに教育委員会と協力して取り組んでまいります。

次に、「3 安心して暮らすことのできる安全なまち」について

子どもを狙った犯罪の報に接する度に、地域の安全に対する不安は、増幅しつつあります。子どもたちの安全を守るために、まずは、地域が子どもたちを見守る活動を拡大して、地域の防犯力を高め、安心して暮らせるまちをつくることが必要です。そのための地域による防犯パトロールの拡大支援や地域ごとの安心安全マップ作成など、地域と連携した取組を強化します。

また、いつ起こるか分からない災害に備えるため、自主防災組織の拡大支援に取り組むとともに、全小学校区に設置を予定している避難所運営会をはじめ、防災関係機関との連携を強化しながら、より実践的な防災対策を進めてまいります。

次に、「4 緑を守り、自然と共生するまち」について

逗子の最大の財産は、青い海と緑豊かな自然環境であることは、市民共有の価値観と言えます。その理念を謳った「まちづくり基本計画」について、議会のご審議を踏まえながら、早期制定を目指してまいります。そして、常に開発の危機にさらされている緑を守るため、まちづくり条例等の厳格な運用や斜面地マンション規制の法委任条例化の検討など、有効な手段を講じて緑を守るとともに、地区計画や地区まちづくり協定などの制度の活用を促進し、計画的なまちづくりを推進してまいります。さらに、市街地における緑化を奨励し、魅力的な景観のまちづくりを進めてまいります。

また、ごみ問題については、最終処分場の残余年数が3年と言われている中、ごみゼロの資源循環型社会を目指して、ごみの徹底した資源化・減量化を推進するとともに、一般廃棄物処理基本計画の再検討を進めます。さらに、鎌倉市とのごみ広域処理については、現時点では、慎重に対応しながら、逗子にとってのメリット、デメリットを十分比較検討し精査してまいります。

次に、「5 新しい市民自治システムの構築」について

本市の市民参加は、先進的な情報公開制度や市民参加条例・住民投票条例の制定などにより、様々な取組がされてきました。私は、これらを充実させるとともに、さらに、計画の是非に対する市民意見の反映まで取り込んだ制度に発展させたいと考えております。

また、総合計画基本計画の策定過程と事業の予算化の過程においても市民参加による十分な議論が行われるように、常に制度を見直してまいります。

さらに、これまでの市民参加の審議会や協議会が縦割りとなっている弊害を是正し、組織横断の市民参加を実現するため、(仮称)まちづくり市民委員会を立ち上げ、市民が総合的に政策立案と進行管理に関わる仕組みをつくってまいります。

また、行政の簡素化へ向けて、行政サービスをどこまで民間やNPO、市民に委ねることができるのか、市民と行政が共同研究し、自治体運営の新しい仕組みづくりに取り組んでまいります。

※「池子米軍家族住宅問題」と「総合的病院の誘致」について

最後に、「池子米軍家族住宅問題」と「総合的病院の誘致」について申し上げます。

池子米軍家族住宅の追加建設問題については、これまで市民、議会、行政が一体となって反対を訴え、2月15日には、東京高等裁判所での控訴審判決が出されることになっております。逗子市の主張が認められ、実質審理に入ることを期待しておりますが、今後の対応については、判決を見極めた上で慎重に判断してまいります。

一方で、池子住宅地区及び海軍補助施設の返還に向けて、医療保健センターへの進入路や西側運動施設、提示された公民館用地や総合病院用地の具体的な返還交渉を進めるため、関係機関に積極的に働きかけてまいります。

そして、総合的病院の誘致については、公募から選考に至るこれまでの経過を認めつつ、病院の誘致実現に向け、現在、内定している聖ヨゼフ病院の移転計画が逗子の地域医療に貢献する病院なのかどうか、また、市からの財政支援なしに安定した経営を行えるのか、専門家による検証を行います。そして、医師会や地元自治会との話し合いを重ね、安心して医療の受けられる地域医療の構築に向けて取り組んでまいります。

2007年1月24日 逗子市長 平井 竜一

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