市長所信表明(2011年1月)

 平成23年逗子市議会第1回臨時会の開会に当たり、所信を明らかにする機会をいただきましたことに対し、正副議長をはじめ、議員の皆様に厚く御礼申し上げます。

私は、昨年12月12日執行の逗子市長選挙において、市民の皆様よりご支持をいただき、引き続き今後4年間市政を担当させて頂くことになりました。

少子高齢化や人口減少、経済の長期低迷、政治の混迷など、日本社会は転換期のまっただ中にあり、また、地方自治体にとっては、依然として厳しい財政状況の下での市政運営となりますが、2期目に当たっても、「市民との対話と協働」、「まちづくりは人づくり」、「長期的な視点に立つ」の三つを基本姿勢としながら、逗子市のさらなる飛躍を目指して、市民福祉向上のため全力を挙げて市長職としての責任を全うする決意でございます。議員の皆様におかれては、引き続き、御指導御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

今回の市長選挙は、逗子市にとって、米軍家族住宅追加建設問題の政治決着をもたらした正に歴史的な選挙でした。これまで四半世紀にわたって、市民、議会、そして歴代の市長が、それぞれの信条に基づいて、真剣にこのまちのことを想い、幾度もの選挙を通じて、逗子の進むべき方向を選択してきた私たちの市民自治の歴史において、今回、初めて、国との現実的交渉によって池子問題を解決し、池子の森に約40haの公園を実現するという方針を多くの市民が支持したのであります。

私自身、24年前からこの問題に関わりを持ち、変遷を見続けてきた一人として、その歴史的意義を重く受け止めるとともに、池子の苦渋の歴史を乗り越えて、必ずや池子の森に、市民が自由に憩うことのできる公園を実現させることが、2期目の最大の使命であることを肝に銘じ、全力を傾注してまいる覚悟であります。

昨年末には、リチャード・B・レン在日米海軍司令官、松本大輔防衛大臣政務官にお会いし、共同使用及び返還の早期実現を要請するとともに、年明けより事務レベルの協議を開始しました。まずは、速やかに共同使用申請を行い、公園計画の策定に着手いたします。

池子の森の公園を実現するためには、言うまでもなく、市民・議会・行政が一体となって取り組むことが重要です。実現に向け、なお一層、議員の皆様のお力添えを賜りますよう重ねてお願い申し上げます。


最重要課題である池子問題に続いて、市政運営に大きな影響を及ぼす重要課題としてさらに三つの課題を位置付けます。

一つ目は「新たな市民自治システムの構築と長期ビジョンの策定」、二つ目は「行財政改革の一層の推進」、三つ目は「ゼロ・ウェイスト社会への挑戦」であります。

1 新たな市民自治システムの構築と長期ビジョンの策定

まず、「新たな市民自治システムの構築と長期ビジョンの策定」であります。

私は1期4年間、市民との協働によるまちづくりを理念として、様々な取組を積み重ねてまいりました。総合計画とまちづくり基本計画の市民参画による推進をはじめ、市民協働課の設置やボランティアセンターの拡充、社会参加・市民活動ポイントシステムZenの導入、学校支援地域本部や全小学校区への避難所運営委員会の設置、安心生活創造事業、ゼロ・ウェイストなど、市民との協働によるまちづくりは枚挙に暇がありません。

私が市民との協働で進めてきたあらゆる施策は、「地域で支え合い、共に生きるまち」すなわち「地域コミュニティの再生」を目指しています。

いみじくもひとり暮らし高齢者の孤独死などに見られる無縁社会の問題が深刻化しつつある現代社会において、私たちの命を守り、安心して、心豊かに暮らすことのできる社会をつくるのは、地域コミュニティにおける支え合いに外ならないと考えるからです。「地域コミュニティの再生」が、私にとってのまちづくりの最大のテーマであり、そして、その萌芽は逗子市内の至る所に生まれています。

小坪の亀ヶ岡公園では、子どもたちと若いお父さんお母さんと地域の高齢者がつながって夏祭りが復活しました。

お年寄りが「電球を替えてほしい」というちょっとした困りごとがあっても、今では、安心生活創造事業として始まった「お互いさま逗子」の見守りサポーターが助けてくれます。

市役所脇のリサイクル広場では、市民が持ち寄った不用品を別の人が次々と持ち帰っています。さらに、Zenのポイントが貯まります。

こうして様々な形でコミュニティの輪が広がっていけば、例えば、子どもたちが通学途中で、ごみ出しに困っているお年寄りの家に寄って、空き缶を学校のリサイクルボックスまで持っていってあげる、そんな子どもとお年寄りの交流を福祉コーディネーターがつなげてくれるでしょう。

そのお年寄りが、次は学校支援地域本部のコーディネーターによって、学校で子どもたちに戦争体験を語ってくれるでしょう。

人と人がつながり、支え合う関係ができることによって、地域のコミュニティが再生されるのです。

私たちのまち逗子は、高度経済成長とともに首都圏のベッドタウンとして発展し、その後、社会の成熟化とともに急速に高齢化が進み、なおかつ市民が自治を実践してきた住民意識の高いまちです。逗子だからこそ、21世紀の日本の目指すべき社会像のモデルをつくりあげることができると確信しています。

これらの取組を土台として、2期目の4年間で、地域の自治権を拡大した逗子らしい市民自治システムを体系化・制度化するとともに、平成27年度から始まる新たな長期ビジョンを市民参画で策定します。

地域自治の基本的な構想としては、既に取り組んでいる学校支援地域本部や避難所運営委員会、自治会・町内会、子ども会などが横に連携し、小学校区を単位とした地域組織を設立し、その組織に権限と財源を付与するなど、地域の自治権を拡大して地域の多面的な課題に自発的に取り組む、真の市民自治を目指すものです。

これは、まちづくり基本計画に盛り込まれた「ふれあい活動圏」に基づく地域づくりを具体化するものに外なりません。

そして、全市的には、文化プラザを中心に、逗子アリーナ、福祉会館、保健センターなどの施設と学校、地域活動センターなどのネットワーク化を進め、文化・スポーツ・教育・福祉・環境・防災・防犯などの取組を、全市域と各地域、ハードとソフトの複眼的視点で連携させます。

また、補助金制度の抜本的見直しにより新たな補助制度を構築し、Zenも活用しながら、地域運営組織や市民活動団体に配分して、これらの活動を財政的に支援します。

これらの新たな市民自治システムと長期ビジョンの策定は、これまで取り組んできた市民協働のまちづくりの集大成となるものであり、全庁を挙げて取り組んでまいります。

2 行財政改革の一層の推進

二つ目は、「行財政改革の一層の推進」であります。

景気の低迷や少子高齢化の進行に伴い市税収入が減少する中、団塊世代の大量退職による人件費の増大、扶助費の増加などにより、人件費比率や経常収支比率の高止まりが続いており、さらなる行財政改革の推進は喫緊の課題であります。

一昨年から10箇年の長期財政見通しを毎年試算して、健全な財政運営に努めておりますが、景気の低迷は長期化し、市税収入見通しは厳しい状況が続いております。

したがって、計画的な職員削減によって着実に人件費を減らすとともに、事務事業の見直し、民間委託の推進、受益者負担の適正化、補助金制度改革、公共施設の再配置などに積極的に取り組むことが不可欠であります。

事務事業の見直しは、4年前に全事業を対象に実施しましたが、改めて厳しく精査いたします。

民間委託の推進は、環境クリーンセンター、学校給食、保育園や窓口業務などについて可能性を検討し、優先順位を付けて実施してまいります。

受益者負担の適正化は、施設使用料や一般廃棄物処理手数料、国民健康保険料、保育料など聖域を設けずに検討を進めます。

補助金制度改革は、先ほど申し上げた新たな市民自治システムの構築とともに、既存の補助金制度を地域自治の進展に資する制度に抜本的に見直します。

公共施設の再配置については、療育・教育の総合センターの設置と福祉会館の機能再編、池子市営住宅に次ぐ整備と統廃合、JR東逗子駅前整備計画、学校施設の長期再整備などを平成27年度からの長期ビジョンに位置付けてまいります。

3 ゼロ・ウェイスト社会への挑戦

三つ目は、「ゼロ・ウェイスト社会への挑戦」であります。

昨年3月に策定した一般廃棄物処理基本計画に基づいて、焼却施設の大規模改修と最終処分場の延命化に着手しますが、これらは財政に極めて大きなインパクトを与えます。

したがって、できるだけごみを減量化して焼却施設と最終処分場への負荷を低減し、さらなる延命化を図らなければなりません。

そのためにも、生ごみをはじめとする燃やすごみの徹底した資源化・減量化を進め、ゼロ・ウェイスト社会へ向けた施策を前倒しで実施する意気込みを持って臨みます。ゼロ・ウェイストの取組は、財政運営においても、地域づくりにおいても、極めて大きな意味を持つ重要課題であります。

平成23年度から始まる実施計画にまとめ上げたそれぞれの重点プロジェクトは、私が目指す「地域で支え合い、共に生きるまち」の具体策であり、私は、次の五つの柱を立てて政策を推進してまいります。

  1. 心豊かに暮らせる健康長寿のまち
  2. 子育てしたいまち
  3. みどりを守り、自然と共生するまち
  4. 安心・安全・快適なまち
  5. 市民自治のまち

以上について順を追って、基本的な考え方を説明させていただきます。

まずはじめに、「1 心豊かに暮らせる健康長寿のまち」について

人々が、生きがいをもって人生を実り豊かに、幸せに暮らすことができる健康長寿のまちこそ地域福祉の最大の目標です。

高齢化率が既に27%を超えた逗子において、地域で高齢者を支える地域福祉の重要性はますます高まっており、これまでモデル地区で進めてきた安心生活創造事業を発展させて、全市域に見守り体制を広げます。

そして、特別養護老人ホームの待機者対策として100床の増床を目指すとともに、逗葉医師会や葉山町などと連携した地域医療の充実を図り、安心して介護・医療が受けられる体制づくりを進めます。また、総合的病院の誘致についてもあきらめることなく可能性を追求してまいります。

さらに、現在策定中の文化振興基本計画とスポーツ振興計画を契機に、文化・スポーツのより一層の推進を図るとともに、生涯学習活動をまちなかアカデミーとして発展させ、いつでも誰もが、豊かな芸術文化に接し、スポーツに親しみ、学ぶことのできる、心豊かな健康長寿のまちをつくります。

次に「2 子育てしたいまち」について

子どもは社会の宝です。少子高齢化が進む中、将来を託す子どもたちの教育と子育ての環境整備は引き続き重要な課題であり、子どもも親も共に育つ豊かな環境で、すべての子どもが目を輝かせて生き生きと育つよう、地域や社会全体で子育て・子育ちを支えていくまちを目指します。

教育環境については、今後とも、教育施設の充実を計画的に進め、学校支援ボランティアの拡充により学校支援地域本部を活性化して開かれた学校を一層推進するとともに、特別支援教育のさらなる充実とユニバーサル教育への発展を図ります。また、中学校での完全給食を実施して、学校現場における食育を推進します。

子育て支援に関しては、ふれあいスクールと学童保育の全学区設置に続き、児童館機能を有する施設の第一運動公園での整備、市の中心部での療育・教育の総合センター整備、親子遊びの場整備などを進めるほか、子育て支援センターの巡回相談回数を増やすなど相談事業を拡充するとともに、これらをネットワーク化して、安心して子育てができるまちをつくります。

次に「3 みどりを守り、自然と共生するまち」について

私たちは、逗子市のかけがえのない財産である豊かな自然環境をいつまでも守るため、まちづくり基本計画の理念に基づき自然と共生した持続可能な社会をつくらねばなりません。

地球温暖化の問題など、地球環境の危機が叫ばれている中、重要課題にも挙げたゼロ・ウェイスト社会をつくるため、家庭での生ごみの徹底した資源化・減量化を進めるとともに、拠点回収方式を各地域に拡大して資源化を一層促進し、それに伴う収集体制の見直しを進めて、できるだけ燃やさない、埋めないごみ処理を目指します。

また、街並みや景観を保全するため、最低敷地面積基準等の導入や景観デザインコードの検討、地球温暖化対策の新たな支援制度の実施、歩行者と自転車を優先するまちに向けた計画の策定など、環境にも人にもやさしい良好で持続可能なまちづくりを進めます。

次に、「4 安心・安全・快適なまち」について

防災・防犯は、地域づくりの要です。地域コミュニティの再生を果たすために、その核としてさらなる充実を目指します。

災害はいつ起こるか分かりません。これまでも津波、洪水ハザードマップを作成してきましたが、さらに土砂災害ハザードマップを作成します。

加えて、地域防災計画の見直しと災害時要援護者避難支援計画の策定などによる災害に強いまち、老朽化した消防団詰所の建替えによる安全なまちをつくるとともに、地域住民の自主的な防犯活動の支援などによる犯罪のないまちを目指します。

また、JR逗子駅・東逗子駅のバリアフリー化などこれまで積極的にバリアフリーのまちづくりを進めてきましたが、引き続き、ミニバス路線の拡充や踏切の改良、なぎさ通りの電線類地中化の調査研究などを行い、バリアフリーのまちを目指します。

次に「5 市民自治のまち」について

新たな市民自治システムの構築については、既に述べたとおりであります。

その他、地域の課題について市民団体と市が協働して、その解決を目指す協働事業提案制度の導入や、市民の活動拠点となる地域活動センターのうち、小坪大谷戸会館の建替えと久木地区における整備をするとともに、公民館や地域活動センターなどについて、まちづくり基本計画に位置付けられている「ふれあい活動センター」として機能を再編します。

また、情報発信戦略を作成し、市民との情報共有を進めるための情報発信機能を高めるとともに、市民活動の情報発信手法の拡充などによって、さらなる市民自治の進展を図ります。

最後に、中心市街地の長期的な構想と商工業振興、逗子海岸の保全について申し上げます。

新宿地区を中心とした歴史的景観保全地区の景観計画が策定され、また、JR逗子駅と東逗子駅周辺地区についても景観計画の策定を進めており、魅力ある景観を目指したまちづくりが着々と実現しています。

そうした中、駅前商業ビルは建替えが進みつつあり、今後、行政としても商工振興策の充実を図るとともに、長期的視点に立った中心市街地の活性化を進めてまいります。

さらに、逗子の顔である逗子海岸については、海水浴場開設期間の集客は増加したものの、騒音と風紀の乱れという問題が著しく、ファミリービーチとしてのイメージをいかに回復するかが大きな課題であり、地域ブランディングの観点からも逗子市としてしっかりと取り組んでまいります。

以上、2期目の市政運営に当たって、私の重点目標を申し上げました。

困難な課題が山積する4年間ではありますが、常に理想を掲げ、「くじけず、あせらず、あきらめず」に、目標達成に向かって課題を一つ一つ乗り越えてまいります。皆様の御協力を心よりお願い申し上げ、2期目の所信表明とさせていただきます。ありがとうございました。

2011年1月18日 逗子市長 平井 竜一


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