平成31年度施政方針及び予算提案説明

ページ番号1005177  更新日 2023年2月28日

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平成31年逗子市議会第1回定例会の開会にあたり、市政運営に関する所信の一端を述べるとともに、平成31年度予算の概要をご説明申し上げます。

1月22日の所信表明では、私がこれからの4年間に描く「オンリーワンのまちづくり」を進めていくための5つの方針を述べさせていただきました。
平成31年度はこの5つの方針に基づき、3つの重点プロジェクトを推進し、「オンリーワンのまちづくり」の礎を築きます。

3つのプロジェクト

逗子の財政再建プロジェクト

3つの重点プロジェクトの一つ目は、「逗子の財政再建プロジェクト」です。
最重要課題である財政問題への対応は待ったなしの状況であり、「入り」と「出」のバランスを重視し、財政の安定を図ってまいります。当初予算案については後ほどご説明いたしますが、市の収入の根幹である市税については、個人市民税では平成30年度の課税実績及び名目賃金の動向などから、対前年度増を見込むものの、全体としての伸び率は0.8%に留まります。個人市民税以外にも歳入の柱を作るべく、企業誘致・起業支援を進めてまいります。

外部有識者による企業誘致・起業支援の取組は、既に準備会という形でスタートしていますが、早期に次の段階へ移行し、誘致企業リストアップと誘致職種の総合的検討、具体的な企業(ホールディングカンパニー等)への誘致アプローチについて、効果的な手法を検討していきます。また、市内に2,000戸を超えるとも言われる空き家を活用したコワーキングスペースの提案など、起業支援策や既存企業増収支援策を検討してまいります。

企業誘致・起業支援は、法人市民税の増だけでなく、固定資産税の増にもつながり、地域経済への波及効果も期待できます。また、定住人口や交流人口の増加など、直接まちの元気につながるものであります。企業誘致・起業促進をこうした観点から位置付けて戦略的な取組として進めてまいります。

また、短期的な収入の増加策として、ふるさと納税の取組を強化してまいります。現在の市への寄附額は年間で約7,000万円となっておりますが、このうち約半分が返礼品などのコストとなります。一方で、市民が市外へ寄附をすることによる市民税の控除額は約1億2,000万円で、寄附額との差し引きでは、約9,000万円の市税収入が市外へ流出していることになります。逗子らしさを発信できる魅力的な返礼品を増やし、この流出額を埋められるよう、商工会との連携をさらに強めてまいります。

歳出に関しては、人件費の見直しに取り組みます。現状、職員の平均給与は、全国あるいは県内での比較においても高水準となっており、この適正化には勇気をもって当たります。

また、2020年度からの非常勤事務嘱託員の会計年度任用職員への制度移行については、財政的にも大きな影響が想定されることから、併せて検討を進めていかなければなりません。将来的な逗子市の体力に見合った職員数、バランスを精査していくとともに、事務の合理化や組織再編も含めた全体の経費削減の検証を組織的に進めてまいります。

安心して暮らせる逗子プロジェクト

二つ目が「安心して暮らせる逗子プロジェクト」です。

高齢者の方や障がいのある方が安心して暮らしていけるよう、まずは、運転免許証の自主返納などで、暮らしに必要な移動手段に不便を感じている方々のために、ミニバスなどの公共交通サービスの導入の実証実験に向けた取組を開始します。実現に向けては難しい制約等もあろうかと思いますが、外出の不便さを取り除くことで、気軽に外出ができるようになれば、神奈川県の推進する未病の改善にもなり、医療費の抑制にもつながるものと考えます。

また、所信表明で申し上げている「福祉安心窓口」に関しては、まずは、担当を設けるということではなく、来庁された方が気持ちよくお帰りいただけるよう、関係所管が連携し、すべての職員が強い意識を持って対応にあたることで、市民の皆様に頼られる行政を目指します。

さらに、高齢者の皆様が自分らしく過ごすため、また、医療費抑制の観点からも、介護保険事業における短期集中の予防プログラムを実施する通所型サービスCを拡大し、寝たきり予防や、生活習慣病予防のための健康運動教室の開催など、未病の改善とともに、健康寿命を延ばす取組を進めます。

少子高齢化が進んでいく中で、高齢者がいかに元気で自分らしく過ごせるかは福祉に限ったテーマではありません。組織の垣根を越え、市全体として何ができるかをしっかり検討してまいります。

また、安心して暮らせる逗子プロジェクトの核とも言える自然災害への備えについては、激甚災害発生時に自宅での生活が難しい方々の生活の場となる避難所や、要支援者のための福祉避難所を充実させることが必要です。また、震度5弱以上の地震は、そのほぼ80%が、夜間あるいは土日祝日の市役所の勤務時間外に発生しています。市内在住の職員が3割程度という中で、災害対応で最も重要と言われる初動体制を確立するため、マニュアルの整備と訓練に取り組みます。併せて、財政対策で休止としていた防災工事への補助金や、住宅の耐震診断・補強工事等への補助を復活するほか、新たにブロック塀撤去費用に対する補助を開始し、市民の安全を確保してまいります。

魅力あふれる逗子プロジェクト

三つ目は「魅力あふれる逗子プロジェクト」として、若い世代が子育てしたくなるまちづくりに取り組んでまいります。まずは、小児医療費助成事業の通院にかかる医療費について、従来の小学校6年生までを対象とする助成から、中学校卒業までに拡大いたします。また、保育所の待機児童対策につきましては、逗子幼稚園の認定こども園への移行や第2あにえるち保育園の新設などで対応するとともに、保護者の利便性の向上により、まちの魅力を高めるための駅前保育ステーションの整備について、鉄道事業者との協議等、実現の可能性について検討を進めていきます。また、シェアオフィス事業者の誘致やコワーキングスペースなど、働き方改革に歩調を合わせ、都心へ通勤しなくても子育てしながら地元で働ける環境づくりを進めていきます。

さらに市の魅力を高める取組として、JR東逗子駅前用地の有効活用については、用地の南側に隣接する民有地を一体的に利活用することが、当該用地の価値を最大限発揮することにつながることから、先ずはこれを前提とした取組を進めてまいります。その上で、駅周辺の活性化、そして公共施設の再配置に加え、移動に不自由な高齢者等が生活関連施設の整った駅周辺に住替えすることも視野に入れて、検討を進めます。こうしたことから、平成30年度末までを策定の目途としていた基本構想は、改めて検討する必要があるため、平成31年度中の策定を目指すことといたします。

小坪エリアの活性化については、地場産業である漁業の振興を念頭に、小坪漁港周辺一帯を魅力的な海浜地区として発展させていくという考えのもと、まずは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、国有海浜地の整理活用を進めていくことに加え、(仮称)小坪海浜地域活性化計画の策定に向け、関係者や近隣住民等の意見を伺いながら、検討を進めてまいります。

また、「住んで良かった」「いつかは住んでみたい」「訪れて楽しかった」と思われる魅力あるまちには、「元気」や「にぎわい」は不可欠です。逗子海岸花火大会や逗子アートフェスティバルなどのイベントは、市民と行政、観光協会や商工会が連携して企画実施するなど、まち全体が元気でにぎやかになるような取組を進めてまいります。

以上の実現には、組織を横断した取組が不可欠です。プロジェクトチームの結成などにより、従来の行政の枠にとらわれない形で英知を出し合い、それぞれの施策を進めていきます。

重要課題

最後に、特に慎重に検討をしていくべき重要課題として、総合的病院の誘致につきましては、地元医師会や医療関係識者など、多方面からのご意見をいただきながら、当初の公募条件を満たした、市民が望む病院の実現に努めていきます。

また、もうひとつの重要課題である池子米軍家族住宅問題につきましては、生活支援施設等の整備計画について、予断を許さない状況ではありますが、池子の森の緑を守っていくという原点を基本に、この整備計画が環境にどのような影響を与えるのかを慎重に見極め、交渉を続けていきます。また、池子の森自然公園の今後の市民利用の在り方についても、検討していきます。

以上、平成31年度の施政方針について所信の一端を述べさせていただきました。
市政運営の基本は「現場第一主義」です。

「じっくりと現場の声を聞き、現場を見ること」。「現場にこそ答えはある」。
厳しい財政状況ではございますが、オンリーワンのまちづくりに向け、市長・市職員が一丸となって市政運営に当たってまいります。

4つの重要課題

新たな市民自治システムの確立

続いて、4つの重要課題について申し上げます。

一つ目の「新たな市民自治システムの確立」については、まず、総合計画実施計画が中間年にあたることから、見直しの必要性について、財政対策プログラムによる影響を考慮しながら検証してまいります。また、総合計画の体系に位置付けた個別計画の内、住環境形成計画を策定してまいります。

地域自治システムについては、4か所の住民自治協議会において進められている地域づくり計画の策定を支援するとともに、財政対策プログラムによって地域づくり交付金が縮小となる中、他の財源の確保を始めとした地域の自立的運営に対しても積極的に支援してまいります。さらに、逗子小学校区の準備会立ち上げに向けて、地域の皆さまに住民自治協議会の意義をご理解いただけるよう粘り強く取り組んでまいります。

そして、平成28年度から検討してきた(仮称)自治基本条例については、1年9か月にわたるワークショップと検討会の議論を踏まえて、平成30年度の早い時期に検討案としてまとめ、逗子の未来協議会有志の皆さまの協力を得て、幅広い市民への周知と意見交換を積み重ね、これからの逗子の自治のあり方についての理解を広めながら、条例案として精度を高めてまいります。また、関連する条例として位置付けている(仮称)総合計画条例、(仮称)市民協働推進条例、(仮称)地域自治に関する条例、まちづくり条例等について、それぞれの審議会や懇話会で検討を進めます。

人口減少と少子高齢化によって財政状況がますます厳しくなる中、自治の行く末が未来の逗子を左右するといっても過言ではありません。平成30年度は、より多くの市民と自治のあり方について共有する年にしたいと思います。

地域包括ケアシステムの構築

二つ目の「地域包括ケアシステムの構築」については、まず、昨年10月に逗葉地域医療センターに設置した在宅医療・介護連携相談室を拠点に、医師会・歯科医師会・薬剤師会・介護事業者・病院等との連携体制を構築してまいります。開設以来、新規の相談者数は逗子市だけでも50人を超え、近隣の病院と連携するなど取り組みが着々と進んでいます。人生100歳時代を迎え、独りでも住み慣れた地域で最期まで自分らしい暮らしを続けたいという市民ニーズが高まっている中、最大の課題は現在7院しかない在宅医療を担う訪問診療医の確保です。従って、平成30年度も在宅医療・介護連携相談室を中心に、医師と介護職などの多職種連携の実践や研修会などの取り組みを強化してまいります。

また、地域包括ケアシステムにおいて欠かせない住民の参画については、新たに住民主体による支援の訪問型サービスを開始して地域の体制づくりを進めます。そして、西部地域包括支援センターの小坪小学校区コミュニティセンター移転に続き、中部地域包括支援センターを平成31年4月から逗子会館1階へ移転する改修を行い、市民にとってより利用しやすい環境を整備して、地域との連携による地域包括ケアシステムを構築してまいります。

さらに、高齢者の未病状態を防ぐために新たにフレイルチェック及びサポーターの養成を行うなど介護予防の取り組みを強化し、未病センターの活用やラジオ体操の普及などとともに、地域ぐるみで健康長寿のまちづくりを一層推進してまいります。

子育て・教育環境のさらなる充実

三つ目の「子育て・教育環境のさらなる充実」については、まず、喫緊の課題である保育所待機児童対策として4月から逗子幼稚園が小規模保育事業を開始します。加えて昨年、企業主導型保育施設YBS逗子が定員45名でオープンしましたが、今年4月時点の待機児童解消は依然難しい状況であり、引き続き民間保育所の新設を含めた対策を検討してまいります。また、放課後児童クラブの待機児童対策として、逗子小学校は市民交流センター第1会議室を改修し、久木小学校は相談室を利用することで、4月からの受入児童数の拡大を図ります。

次に、教育環境の充実については、教育委員会に子育て部門を一元化したことを受け、乳幼児期から学齢期のスムーズな接続を目指したカリキュラムの検討を開始したところです。平成30年度は幼・保・小の一貫した教育プログラムの構築に取り組んでまいります。

また、昨年から研究を開始した「主体的・対話的で深い学び」いわゆるアクティブラーニングに対応した授業及び指導法の研究を一層推進し、新しい学びによる「生きる力」を育む教育を目指してまいります。そして、少人数指導教員については、退職した元教員等を時間講師として配置することによって、県費非常勤教員と合わせて昨年比で約9割の授業コマ数を確保し、教育指導教員とともにきめ細かな指導体制を確保します。

さらに、平成28年度からスタートした子育てサポーター講座は、受講者が子育てに対する深い学びを通して、人間として成長する社会教育の取り組みとして大きな成果を上げています。平成30年度は中級講座に続く上級講座を開設し、特別支援教育のサポートなどの活躍の場づくりも検討しながら、学校をはじめ地域の教育活動を担う人材の育成を進めてまいります。

最後に、体験学習施設スマイルで昨年8月より実施している放課後学習支援・居場所づくり事業は、子どもの参加者が34人、スタッフは22人で、子ども0円食堂と連携した取り組みも定着し、地域に支えられて子どもが育つ場として順調に運営されています。平成30年度も引き続き、地域全体で子どもを育てる環境を充実してまいります。

予算提案説明

続いて、平成31年度予算案についてご説明いたします。

平成31年度は、財政対策プログラムの2か年目となり、基本的にこの方針を継続する形での予算編成といたしました。待機児童対策や幼児教育・保育の無償化などにより、扶助費については前年度に比べ大幅な増加となりましたが、財政対策プログラムによる人件費や事業費の削減等の取組を継続することにより、定年退職者の増による財政調整基金の繰入は見込むものの、平成30年度に引き続き、繰越金も含めた臨時財源に過度に依存しない予算案となり、財政の安定に向け、着実に前進しているものと考えております。また、そのような中でも、小児医療費助成の中学校卒業までへの拡大やブロック塀撤去に対する補助の開始などの喫緊の課題への対応や、財政対策プログラムの縮小事業の一部復活のほか、公共施設等の適正管理及び長寿命化対策など、厳しい中でも取り組むべきところへ予算を配分しています。

今回予算化をしていないまちの活性化のためのイベントへの補助金を始めとする財政対策プログラムで廃止、削減した事務事業については、平成30年度決算の状況も見ながら、手法等も含め実施可能性を検討していきます。

それではまず、一般会計の概要について、歳入からご説明いたします。
市税につきましては、前年度に比較して7,608万7,000円、率にして0.8パーセントの増となる92億7,933万2,000円を計上しました。
このうち個人市民税は、平成30年度の課税実績及び名目賃金の動向などから、前年度比1.2パーセント増の48億2,900万円を、法人市民税は、前年度比12.4パーセント増の2億4,650万円を計上しました。
固定資産税は、前年度比0.4パーセント減の33億3,643万1,000円を計上しました。
地方消費税交付金は、10月からの税率変更については、31年度中の増収はわずかと見込まれることから、前年度同額の8億5,700万円を見込みました。
地方特例交付金は、幼児教育・保育の無償化に係る初年度の国負担分が収入されることなどにより、前年度に比較して7,004万円、率にして200.1パーセントの増の1億504万円を、地方交付税は、前年度比2.7パーセント増の11億9,800万円を計上しました。
分担金及び負担金は、10月からの幼児教育・保育の無償化の実施により保育所入所保護者負担金が減となることなどにより、前年度に比較して3,003万7,000円、率にして6.2パーセント減の4億5,578万7,000円を計上しました。
国庫支出金及び県支出金につきましては、10月からの幼児教育・保育の無償化に係る財源が増となったことなどにより、国庫支出金は前年度比4.1パーセント増の24億2,225万5,000円を、県支出金は前年度比19.5パーセント増の12億3,353万4,000円を計上しました。
繰入金は、平成31年度末の定年退職者の退職手当の支給に対応するため、財政調整基金からの繰入金3億円を含む3億5,768万2,000円を、繰越金は前年度同額の3億円を計上しました。
市債は、通常収支に係る財源の不足に対処する臨時財政対策債8億円ほか、合計では前年度比42.7パーセント減の8億8,890万円を計上しました。

次に、歳出における性質別経費の内訳についてご説明いたします。
人件費、扶助費、公債費の義務的経費は、112億9,329万6,000円と前年度に比較して7.0パーセントの増となっています。
このうち人件費は、財政対策プログラムに基づく削減を継続いたしますが、定年退職者の増加による退職手当の増加などにより、前年度に比較して2億7,357万4,000円、率にして6.0パーセント増の48億1,613万6,000円、扶助費は、子育てに関する給付費等、児童福祉費を中心に、前年度に比較して4億2,399万3,000円、率にして10.3パーセント増の45億5,006万円となっております。また、公債費は、19億2,710万円と、前年度比2.4パーセントの増となっています。
なお、平成31年度の当初予算に基づく実質公債費比率の推計値は5.5パーセントと対前年度0.8ポイント減、また、公債費比率の推計値は7.3パーセントと対前年度1.3ポイントの減になるものと試算しています。
補助費等及び繰出金については、下水道事業会計の公営企業への移行により、下水道事業会計への繰出金を補助費等へ区分したことにより大きく変動しています。
投資的経費は、平成29年度からの2ヶ年継続事業である市営住宅整備事業及び平成24年度から実施してきた土地開発公社からの供用済用地の買取りが、共に平成30年度をもって終了することなどにより減となっています。
以上の結果、一般会計予算総額は、前年度に比較して5,300万円、率にして0.3パーセント増の182億8,000万円となっています。

次に、特別会計のうち、国民健康保険事業については、前年度に比較して2.7パーセント減の64億9,270万円、後期高齢者医療事業については、前年度に比較して2.3パーセント減の12億620万円、介護保険事業については、前年度に比較して4.2パーセント増の67億1,560万円となります。下水道事業については、平成31年度から公営企業会計へ区分をしており、28億6,101万5,000円となり、前年度との比較では14億9,411万5,000円、率にして109.3パーセントの増となりますが、これは、発生主義の考え方に基づき、減価償却費の計上など、実際の現金の動きを伴わない経費の予算計上が生じることなどに伴い、予算規模が拡大しているものです。

以上の結果、一般会計と特別会計及び公営企業会計を合わせた予算総額は355億5,551万5,000円となり、前年度に比較して16億1,161万5,000円、率にして4.7パーセントの増となりました。

次に、平成31年度の市政運営にあたっては、総合計画基本構想に掲げた将来像「自然に生かされ、自然を生かすまち」、「コミュニティに支えられ、コミュニティを支えるまち」に向けて、「わたしたちはこんなまちにしていく」を実現するための5本の柱を推進するとともに、市民の悲願である池子の森全面返還を目指し、池子米軍家族住宅地区内約40ヘクタールの土地の返還に向けて取り組んでまいります。

1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち

まず、「1 共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち」についてご説明申し上げます。

社会福祉費のうち、地域福祉推進事業は、地域福祉活動の担い手育成や避難行動要支援者の避難支援体制づくりへの支援を行う経費として167万4,000円を計上しました。

障害者自立支援給付等支給事業は、障害者総合支援法に基づく居宅や施設等における障害福祉サービスの利用に係る給付費として7億7,349万5,000円を計上しました。
就労等支援事業は、障がい特性に応じた就労支援体制づくりを図るための経費として292万2,000円を計上しました。

民間障がい者福祉施設整備等促進事業は、障がい者が地域において自立した生活を送ることができるよう、民間障がい者福祉施設への運営費補助やグループホームの家賃助成を行うための経費として3,049万3,000円を計上しました。

高齢者センター運営事業は、7月からの浴場の再開に要する光熱水費等を含む経費として814万8,000円を計上しました。

特別会計につきまして、国民健康保険事業特別会計は、保険給付費は、前年度に比較して2.5パーセント減の44億8,379万4,000円を、後期高齢者医療事業特別会計の後期高齢者医療広域連合への納付金は、前年度に比較して2.0パーセント減の11億6,829万7,000円を計上しました。

介護保険事業特別会計は、保険給付費について、前年度に比較して6.0パーセント増の61億8,237万6,000円を計上したほか、地域支援事業費のうち、介護予防・生活支援サービス事業は、短期集中の予防プログラムを実施することで高齢者の自立した生活の確立を図ることを目的とする通所型サービスCを拡大して実施するほか、訪問型サービスや通所型サービスを実施するための経費として2億1,321万4,000円を計上しました。

一般介護予防事業は、一般高齢者に対する介護予防教室の開催、地域で介護予防に資する活動を行う団体への支援や日常生活圏域ニーズ調査の実施のほか、高齢者の未病状態を防ぐためのフレイルチェックの実施等経費などとして2,168万2,000円を計上しました。

地域包括ケアシステム推進事業は、要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう医療・介護・生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進を図るための経費として330万8,000円を計上しました。

在宅医療・介護連携推進事業は、逗葉地域医療センター内に葉山町と共同で開設している「逗葉地域在宅医療・介護連携相談室」で実施する在宅療養者の支援、三師会等との連携、地域包括支援センターや介護事業所からの相談支援等を、公益財団法人逗葉地域医療センターに委託するための経費として1,948万1,000円を計上しました。

一般会計に戻りまして、児童福祉費のうち、施設型給付事業は、逗子幼稚園の認定こども園への移行を含む給付費として9億6,673万4,000円を、地域型給付事業は、新設の第2あにえるち保育園を含む小規模保育事業及び家庭的保育事業に係る給付費として1億5,322万5,000円を計上しました。

放課後児童クラブ事業は、全小学校区の放課後児童クラブの運営経費などとして1億1,024万5,000円を計上しました。

民間保育所等運営支援事業は、民間保育所の運営支援経費のほか、新たに民間保育所のICT化推進に対する助成及び保育園における事故防止のための設備整備に対する助成費用として5,404万9,000円を計上しました。

幼児教育・保育無償化給付等事業は、10月からの幼児教育・保育の無償化により、私学助成幼稚園、認可外保育施設、預かり保育等への給付費として1億4,331万7,000円を計上しました。

小児医療費助成事業は、従来の0歳児から小学校6年生までの通院と入院、中学生の入院に対する助成に加え、10月から通院の助成を中学卒業までに拡大する経費として1億2,839万9,000円を計上しました。

児童福祉法給付等支給事業は、児童福祉法に基づく障害児通所支援及び障害児相談支援の利用に係る給付費として9,800万3,000円を計上しました。

こども発達支援センター運営事業は、障がいのある子どもや発達に心配があり支援を必要とする子ども及びその保護者などを対象とした療育相談や個別支援、未就学児から高校生までを対象とする障害児通所支援等に要する経費などとして1億592万9,000円を計上しました。

体験学習施設講座等事業は、児童青少年を対象とした講座等を実施する経費として72万2,000円を計上しました。

放課後学習支援・居場所づくり事業は、中学生を主な対象として、体験学習施設において心安らげる居場所を提供し、学習等の支援を行う経費として100万円を計上しました。

保健衛生費のうち、総合的病院誘致事業は、本市にふさわしい総合的病院の誘致実現に向け、有識者及び関係者等で組織する検討会において協議を行うほか、市民への情報提供・周知及び意見収集を図るための経費として48万9,000円を計上しました。

骨髄移植ドナー支援事業は、骨髄又は末梢血管細胞を提供するドナー及びドナーが勤務する事業所に対し、骨髄ドナー支援事業助成金を交付する経費として21万1,000円を新たに計上しました。

健康増進計画推進事業は、健康増進計画の進行管理やラジオ体操サポーター養成等に要する経費、未病サミットへの参加負担金などとして31万7,000円を計上しました

妊産婦健診事業は、産後健診回数を1回増やすとともに、医療機関でのショートステイ、デイサービス等の産後ケアを行う経費を含め、2,581万4,000円を計上しました。

2 共に学び、共に育つ共育(きょういく)のまち

次に、「2 共に学び、共に育つ「共育(きょういく)」のまち」についてご説明申し上げます。

総務管理費のうち、市民交流センター維持管理事業は、指定管理料のほか、2020年度からの指定管理者選考経費などとして3,491万4,000円を計上したほか、文化プラザホール維持管理事業は、指定管理料などとして2億1,542万1,000円を、文化プラザホール整備事業は、ホール・図書館棟の長期改修計画作成業務委託その他施設の整備に係る経費として1,170万6,000円を計上しました。

環境保全費のうち、公園内有料運動施設運営事業は、都市公園有料運動施設の指定管理料などとして4,630万3,000円を計上しました。また、子どもの夏期プール利用券につきましては、市内小・中学生に対して10回券の配付を予定しております。

教育総務費のうち、学校教育調査・研究事業は、教員の指導力向上、学校教育諸活動の充実を図るための経費として170万円を計上しました。

特別支援教育充実事業は、特別支援補助教員及び学習支援員を増員し、実施するための経費として4,416万6,000円を、少人数指導教員・教育指導教員派遣事業は、教育指導教員及び少人数指導時間講師の派遣などの経費として680万1,000円を計上しました。

学校支援地域本部事業は、小坪小学校の登下校時の交通整理員の配置に要する経費及び各市立小中学校の学校支援地域本部の運営費用として214万1,000円を計上しました。

調査・研究事業は、教員向けの専門的研修や研究員会等の開催、学校のICT環境の整備などに要する経費として411万8,000円を計上しました。

小学校費のうち学校施設整備事業は、沼間小学校の教室床張替工事などを実施するための経費として739万7,000円を、教育用コンピュータ維持管理事業は、小学校の児童用コンピュータのタブレット端末への更新等に係る経費として3,292万3,000円を計上しました。

中学校費のうち、中学校給食運営事業は、ボックスランチ方式での給食提供に要する経費として8,025万2,000円を計上しました。なお、これまでの経緯も踏まえ、私自身が各学校での給食の試食を行うなど、中学校給食のあり方については、引き続き検証・検討を行っていきたいと考えております。

社会教育費のうち、各種講座事業は、社会教育推進プランに基づき社会教育講座を実施するための経費として29万7,000円を、文化活動振興事業は、文化振興基本計画調査・評価委員会の運営経費などとして11万9,000円を計上しました。

名越切通整備事業は、「国指定史跡名越切通」の整備工事費など2,616万7,000円を、古墳整備事業は、「国指定史跡長柄桜山古墳群」の整備工事費など2,305万8,000円を計上しました。

蔵書整備事業は、図書館の図書購入費などとして、2,013万円を計上しました。また、平成31年度の図書館の運営につきましては、利用者の要望や曜日ごとの利用状況を踏まえ、引き続き火曜日は休館日とし、土曜日と日曜日を午後5時まで、月曜日と金曜日を午後6時まで、利用の多い水曜日と木曜日を午後7時まで開館して、予算の増額を最小限としながらも、試行的に運営していくこととします。

保健体育費のうち、スポーツ推進事業は、マリンスポーツ教室やジュニアスポーツ教室等を実施する体育協会への補助金などとして2,294万2,000円を計上しています。

東京2020オリンピック・パラリンピック推進事業は、昨年9月に事前キャンプに関する協定を締結したスペインセーリングチームと市民との交流を通じ、競技の普及啓発及び気運醸成を図るための経費として48万2,000円を計上しました。

市立体育館維持管理事業は、市立体育館の指定管理料などとして4,453万8,000円を、市立体育館整備事業は、市立体育館の長期改修計画作成業務委託その他施設の整備に係る経費として713万9,000円を計上しました。

3 自然と人間を共に大切にするまち

続いて、「3 自然と人間を共に大切にするまち」についてご説明申し上げます。

清掃費のうち、資源再利用推進事業は、資源物の回収などに要する経費として965万6,000円を、生ごみ処理容器等購入費助成事業は、非電動式処理容器購入に対する助成費用として200万円を、容器包装プラスチック処理事業は、従来の処理に加え、2020年度からの葉山町との共同処理に向けた生活環境影響調査業務委託等に要する経費として3,159万5,000円を計上しました。

環境保全費のうち、温室効果ガス削減事業は、逗子市地球温暖化対策実行計画の推進に係るシステム利用料などの経費として、36万7,000円を計上しました。

景観のまちづくり推進事業は、景観審議会の開催など景観条例等の運用を図るための経費として128万4,000円を計上しました。

保存樹林奨励事業及び保存樹木奨励事業は、保存樹林及び樹木について、保全契約を締結する費用として、保存樹林奨励事業は29万8,000円、保存樹木奨励事業は9万3,000円を、緑化推進事業は、生垣用苗木及びシンボルツリーの購入助成並びに壁面緑化に対する助成に係る経費として79万円を、いずれもみどり基金繰入金を財源として計上しました。

池子の森自然公園維持管理事業は、緑地エリアの管理運営委託費など344万3,000円を計上しました。

4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち

続いて、「4 安全で安心な、快適な暮らしを支えるまち」についてご説明申し上げます。

総務管理費のうち、庁舎維持管理事業は、経常的な庁舎管理に加え、庁舎照明をLED灯へ変更するための経費などとして1億352万5,000円を、庁舎整備事業は、劣化調査・長寿命化計画策定業務委託に要する経費として1,317万6,000円を計上したほか、防犯対策事務費は、地域の安全安心まちづくりを目的に防犯カメラを設置する自治会等に対し補助金を交付する経費などとして560万8,000円を計上しました。

市営駐車場維持管理事業は、通常の維持管理業務のほか、清水橋南駐輪・駐車場の改修工事のための経費などとして8,302万8,000円を計上しました。放置自転車等対策事業は、放置自転車等の撤去、運搬等に要する経費などとして993万8,000円を計上しました。

水産業費のうち、水産業振興事業は、稚貝放流事業等に対する事業支援等、小坪漁業協同組合に対する補助金などとして648万8,000円を計上しました。

商工費のうち、逗子市商工会助成事業は、商工業振興事業などを行う商工会への補助金として1,752万9,000円を、逗子市観光協会助成事業は、観光協会への人件費及び事務費等に要する補助金として728万5,000円を計上しました。

環境保全費のうち、震前震後対策事業は、住宅の耐震診断、耐震補強工事等に対する助成に加え、新たにブロック塀の撤去に対して助成を行う経費として1,134万5,000円を、海水浴場運営事業は、安全で快適な海水浴場とするための警備費など、逗子海水浴場の開設経費として1,917万1,000円を計上しました。

道路橋りょう費のうち、橋りょう長寿命化事業は、橋りょうの修繕工事に要する経費として600万円を計上しました。

道路改良事業は、2020年度以降実施する予定の小坪トンネルの修繕工事のための詳細設計業務委託費その他の道路改良工事に要する費用として1,510万7,000円を計上しました。

道路施設調査事業は、道路ストック定期点検業務委託の実施に要する経費として225万円を計上しました。

都市計画費のうち、都市計画策定事業は、都市計画の決定及び変更に関する調査の実施、図書の作成費用などとして87万8,000円を、計画的なまちづくり推進事業は、まちづくり審議会の運営に係る経費などとして133万8,000円を計上しました。

下水道事業会計について、管渠地震対策事業は、震災時の避難所である久木小学校へのマンホールトイレシステム整備に係る工事費として1,715万7,000円を、処理場施設整備事業は、流入渠・放流渠等耐震補強工事に係る経費などとして1億6,451万9,000円を計上しました。

一般会計に戻りまして、住宅費のうち、住宅営繕事業は、市営住宅長寿命化計画の策定業務委託費その他市営住宅の営繕に要する経費として915万円を計上しました。

消防費のうち、消防本部・署維持管理事業は、経常的な庁舎管理に加え、庁舎照明をLED灯へ変更するための経費などとして1,170万1,000円を計上しました。

災害対策事業は、備蓄食料等の購入、避難行動要支援者システムの運用のほか、民間の津波避難施設の整備に対する助成、震災時の避難所である久木小学校へのマンホールトイレシステム整備に係る備品購入費などとして1,578万8,000円を計上しました。

防災行政無線施設整備事業は、2020年度以降実施する予定の防災行政無線のデジタル化工事のための実施設計業務委託の経費として680万9,000円を計上しました。

5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち

次に、「5 新しい地域の姿を示す市民主権のまち」についてご説明申し上げます。

総務管理費のうち、総合計画審議会経費は、審議会開催に係る経費として84万3,000円を、電子計算システム管理事業は、庁内情報システムの運用管理費などとして1億6,825万7,000円を計上しました。
国際交流推進事業は、スペインセーリングチームの市内での事前キャンプ実施を契機とした国際理解の醸成などに要する経費として15万3,000円を、非核平和推進事業は、逗子市被爆者の会への補助金などとして42万6,000円を計上しました。

地域自治システム推進事業は、各小学校区の住民自治協議会及び準備会等に対する運営支援のための経費として302万円を計上しました。

社会福祉費のうち、男女共同参画プラン推進事業は、女性相談事業、男女共同参画啓発事業経費など592万8,000円を計上しました。

池子の森全面返還をめざして

最後に、「池子の森全面返還をめざして」については、逗子市池子接収地返還促進市民協議会助成事業11万6,000円を計上しました。

以上、重点施策について説明させていただきました。

一般会計予算

引き続き、一般会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ182億8,000万円とするものです。
第2条は、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第3条は、地方債について、起債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、その限度額は8億8,890万円としています。
第4条は、一時借入金の最高額を14億円と定めたものです。
第5条は、歳出予算のうち、人件費に限り同一款内における各項間の予算流用を行うことができるように定めたものです。

次に、国民健康保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ64億9,270万円とするものです。
第2条は、一時借入金の最高額を1,000万円と定めたものです。

次に、後期高齢者医療事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ12億620万円とするものです。

次に、介護保険事業特別会計予算についてご説明いたします。
第1条は、歳入歳出予算の総額を定めたもので、歳入歳出それぞれ67億1,560万円とするものです。

次に、下水道事業会計予算についてご説明いたします。なお、下水道事業会計は、経理内容の明確化及び透明性の向上を図り、より一層の経営の効率化と健全化を推進することを目的として、本年4月から地方公営企業法の一部を適用することにより、公営企業会計へ移行いたします。
第1条は、予算の総則を定めたものです。
第2条は、業務の予定量について定めたもので、処理区域内人口を5万9,683人とし、主要な建設改良事業は、管路建設費及び処理場建設改良費とするものです。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の下水道事業収益として19億2,650万5,000円、支出予定額は第1款の下水道事業費用として20億9,670万円とするものです。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額について定めたもので、収入予定額は第1款の資本的収入として5億6,161万6,000円、支出予定額は第1款の資本的支出として7億6,431万5,000円とするものです。
第4条の2は、特例的収入及び支出として、平成30年度から引き継ぐ債権及び債務に整理する未収金を1億1,357万6,000円、未払金を1億2,065万7,000円とするものです。
第5条は、債務を負担する行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めたものです。
第6条は、企業債の目的、限度額、起債の方法などを定めたもので、その限度額は1億5,390万円とするものです。
第7条は、一時借入金の限度額を4億円と定めたものです。
第8条は、予定支出の各項の経費の金額の流用について、営業費用、営業外費用及び特別損失の間の流用を行うことができるよう定めたものです。
第9条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めたものです。
第10条は、他会計からの補助金について定めたものです。

以上が、平成31年度の逗子市の予算の概要でございます。

議員の皆さまにおかれては、何卒、ご賛同賜りますようお願い申し上げまして、施政方針及び予算提案説明を終わらせていただきます。

長時間にわたりご清聴いただき、ありがとうございました。

2019年2月22日 逗子市長 桐ケ谷 覚

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